5月 20日

2011-05-20 00:09:20 | Weblog
            ( 十薬・どくだみ )

借りている駐車場の裏の叢にどくだみが咲き出しました 初夏から梅雨へ確かな季節の
移ろいを感じる頃です
来る22日は栗田やすし先生の「流燈会われも流るる舟にゐて」の句碑除幕式、ころころも
出席いたします 初めての体験にいまから少し興奮気味です



十薬の匂ひに慣れて島の道           稲畑汀子


うしろ手を解き十薬に親しみぬ         岡本眸


陽かげれば十薬の白光り出す          市野沢弘子


十薬の花咲きたてや草の中           星野立子




八重どくだみ

どくだみを引けば艮薄曇り            蓬田紀枝子


どくだみを日影に干して母のこと         寺田順子



 伊吹嶺5月号 遠峰集より 


春宵や身に馴染みたる伊予絣
早春の水に晒せり幟旗
底冷えの部屋の長押に火縄銃
遮断機を潜りて行けり恋の猫
みちのくのこけし工房目貼剥ぐ         伊藤旅遊






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5月 19日

2011-05-18 23:21:45 | Weblog
              ( 桐の花 )


桐咲けば桐の空あり高野谷            


桐の花北国の空いつも支ふ            細見綾子


花桐に大粒の雨常磐線              皆川盤水


こころひもじき月日の中に桐咲きぬ       大野林火




青桐・梧桐


梧桐の日の重たしや鳩の街            吉田鴻司


梧桐のはや夕焼を隠し得ず            三橋鷹女


梧桐の簾代はりや厨窓              工藤 順子





飯桐の実(10月)


 伊吹嶺5月号 遠峰集より 


ざざ降りのすぎてにはかや草芽吹く
ものの芽の息吹く静けさ塩の道
巣作りや身の丈ほどの枝くはへ
寒明けの利酒匂ふ城下町
春の陽に鹿重たげに角振れり        岸本典子





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5月 18日

2011-05-18 00:25:20 | Weblog
             ( 河原撫子 )

本来は夏から秋にかけての花,撫子があちこちで咲き揃っています 色も形も豊富なのは
園芸品種が多いからでしょうか 写真の河原撫子は別名大和撫子、秋の七草にもなっいる撫子は
この花と言う事です。また石竹(唐撫子)の花期は春、一番下の写真です
サイトからお借りしてきました



撫子の花野浄土となりにけり           沢木欣一


壺に挿して河原撫子かすかなり          田村木国





撫子や高野の道の地蔵堂             河東碧梧桐


撫子や日の差し込みし萱の中           長谷川櫂





岬に咲く撫子は風強ひられて           秋元不死男




撫子を摘みし束の間富士を見し           山田弘子




伊吹嶺5月号 遠峰集より 


冴返る誠一字の慶喜の書
竹千代の鎧胸厚冬深し
藤村の墓へ踏みゆく春の雪
春寒や達磨画像に見据ゑらる
鉄舟の青雲の像雪解風             夏目悦江






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5月 17日

2011-05-16 23:26:09 | Weblog
            ( 大山蓮華 )


大山蓮華包む双掌の白光す            野見山ひふみ


鳥たちし大山蓮華ゆるるかな           小澤實





うつむきて大山蓮華香りけり           久本 澄子


大山蓮華白毫の香を放ちけり           瀬戸清子




受咲大山蓮華  朴の木と大山蓮華の雑種と図鑑にありました7~8cm大山蓮華は俯いて咲きますが
        受咲大山蓮華は15cmほどの大輪で上向きに咲きます。



 伊吹嶺5月号 遠峰集より 


蕪島に百葉箱や海猫渡る
塩強きせんべい汁やえぶり宿
息はづむいとけなき児のえびす舞
真つ黒き脚ゆつたりと大白鳥
春めくや浄土ヶ浜に波光る           佐藤とみお








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5月 16日

2011-05-16 00:23:34 | Weblog
               ( 半纏木・百合の木 )


百合の木の花戒律は破るべし            原田喬


半纏木軍荼利夜叉に花こぞる            中戸川朝人





百合の木の花乾杯は高々と             椎名智恵子


百合の木の花のグラスは何湛ふ           阿部ひろし




 伊吹嶺5月号 遠峰集より 


春寒やみかん山より鉈の音
サーファーを捲り上げたり春怒涛
髪切りし耳朶を擽る木の芽風
荒東風に軋むばかりや休漁船
春の雪馬の睫毛を濡らし消ゆ       坪野洋子







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5月 15日

2011-05-15 01:16:32 | Weblog
            ( 薔薇 )


東京、駒込にある旧古川庭園の薔薇は今が五分咲き、6月一杯まで見頃であるとか
5月13日から6月5日までは「薔薇フェスティバル」開催中です
写真は数年前に旧古川庭園で写したもの「コトネ」という名前がつけられていました



夕風や白薔薇の花皆動く            正岡子規



熱情

薔薇に逢ひ旧師旧友白髪に           秦羚羊子


手持壺すべてふさぐに薔薇賜ふ         朝倉 和江




ゴールデンメダイオン

憂なきに似て薔薇に水やつてをり         安住敦



モモカ

つつまれてゐて薔薇の香を忘れをり        今橋眞理子



ノスタルジー

全力で立つ空びんに薔薇の花            五島高資




ヘルムートシュルト


裸婦ねむく薔薇一瓣を解きにけり          岸風三樓



 伊吹嶺5月号 秀峰集より 


雪掻きの雪積む下を水流れ
鶴首の水仙に夜の深まれり
春遅々と穂先割れたる絵付筆
祝婚の窓辺に鳴けり春の鳥
春月や火入れの窯に酒下げて
激震の活字に見入る弥生寒           梅田葵






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5月 14日

2011-05-13 23:37:22 | Weblog
           ( 蓮の花・はちす )


てのひらに蓮の紅玉つゝみたし          沢木欣一


蓮の花開かんとして茎動く            滝沢伊代次





本坊の蓮の花咲くよき日和             星野 椿


匂ひきて葉揺れに割るる花蓮            石原八束





蓮咲くや月に在所の朝けぶり            北原白秋


風の蓮紅にまさりし白蕾              野沢節子






揺らぎては刻あをあをと古代蓮           鍵和田釉子


大賀蓮咲けりと書院開けらるる           赤間智子



 伊吹嶺5月号 伊吹集より 


露天湯にひとり浸れり寒月夜
尾を振りて子犬拾へり福の豆
退院の父を囲めり春炬燵
川底の小石のまろみ春隣          太田滋子




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5月 13日

2011-05-13 00:37:13 | Weblog
             ( 赤塚植物園開花だよりその3 )

今日は沖縄地方へ台風一号が接近とか、その影響で関東地方も一日雨降りになりました
写真はカラー 水辺の初夏の草花も咲き出しています



カラー挿し舳倉通ひの操舵室          辻口静夫




行者大蒜




狐のぼたん





糸葉芍薬





丁字草




泰山木


雨の本郷見下ろす泰山木の花          細見綾子


 伊吹嶺5月号 遠峰集より 


蔵町をめぐる運河や柳の芽
橋ひとつ架かる酒蔵水温む
黒塀に乗り出す松や風光る
春日差す柿渋染めの大暖簾
如月の夜を重ね来し醪の香          伊藤範子

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5月 12日

2011-05-12 00:02:18 | Weblog
             ( 紫蘭 )


司書の眼をときどきあけて紫蘭咲く         富安風生


雨を見て眉重くゐる紫蘭かな            岡本 眸


局塚その面影の紫蘭咲き              下村ひろし




白及


我庭や白及の花に夕月夜               玉鉾



 伊吹嶺5月号 遠峰集より 


飛火野の茶屋の灯しや春隣
春の雪残る受験の絵馬の下
印結ぶ如来の腕春めけり
二分ほどの梅の一樹や忠魂碑
風光る朱の反り橋を渡るとき          武藤光晴



今年も真向かいの家の軒に燕がやってきました。早朝より舌打ちをするように鳴いています

つばめつばめ泥が好きなる燕かな         細見綾子


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5月 11日

2011-05-11 00:01:26 | Weblog
             ( 赤塚植物園開花だよりその2 )

一年の中で一番開花の種類の多い時期になったようです 写真は苧環(おだまき)

むらさきは忘られやすし苧環も           津森延世


苧環の昏れゆく国へ雷わたる            和田悟朗





二人静

雨の粒光れり二人静にも              加田とし女




立浪草

日を恋へる立浪草の前屈み              加藤耕子




白糸草




鈴蘭

鈴蘭の谷や日を濃く雲一重              中村草田男





雪笹





蛍蔓


 伊吹嶺5月号 遠峰集より 


大寒の光を散らし蜆選る
懐手解いて蜆を糶り落す
ペン皿に白き貝殻春立てり
赤ん坊の声が奥より雛飾る
夜を通し地震のニュース春寒し      矢野孝子









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