Studio_Rosso 1/43 自動車模型制作日記1

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GPM 1/18 Ferrari330P4修理

2018-04-02 21:07:11 | その他
本日の山陰は昨日と同じでPM2.5が来ているらしくどうもスッキリとはいかない天気でしたね
晴れてはいて日も射していますが空が青く無い・・・
薄曇りなのかそれともPM2.5なのかよくわかりません、相変わらず花粉症は出ていますので恐らくはPM+花粉かと思います。
それでも机に向かいますと集中力が出てくるのは有り難い事ですね。

今日は昨日の予告にも有りましたがミニカーの修理を行なっておきたいと思います
昨日は机の上が片付かないと書きましたがこの後の作業を考えると途中になっているミニカーの修理を完了しておいた方が都合が良いからです、もちろん他の修理も有ります(現在の所建機の塗り替えが1人1台、1/43ミニカーの修理が4人の方で19台程溜まっています)
少し前には一時的にゼロになったのですが・・・またご依頼が増えてきました。
少しでも早くお返ししたいので時間を見つけて修理も進めますのでご依頼を頂いた皆様今しばらく待ってやって下さい。

さて本日の患者さんは少し前にもリアサスペンションを修理した330P4ですね
あの時は時間が無くてリアしか手をつけられなかったので今度はフロント側とワイパーの制作ですね

今日はフロントサスペンションのローダウンからですね
GPMのサスペンションは実車と同様にネジ止めの構造ですサスペンションを最低限分解すればダンパーのスプリングは取り外す事が出来ます。
外すのはロアアームのアップライト側、ステアリングロッドのアップライト側、そしてスタビライザーのアップライト側のリンクの部分です。
緩めるのはアッパーアームのアップライト側の1ヶ所です。
このアッパーアームの部分はアップライトを動かした時に無理な力がかかって破損するのを防ぐ意味でネジを緩めています。
ロアアームを下側に降ろしてやりますとこの様にダンパーの下部が付いてきますのでこの状態でスプリングは取り外す事が可能になります。

そして2巻カットして分解と反対の手順で組み付けてやればそう難しくは有りません。
但し今回は正確に組み付けられていましたが同じメーカーのモデルでも前回修正した物は瞬間接着剤でギトギトになるまで接着されていましたのでミニカーによってかなりのバラツキが有るのかもしれません。
今回の手順通り出来るかどうかはそのミニカー次第ですので分解するまでよくわからない事を申し添えておきます
完成しますと車高は少し前下がりで当時のP4のスタイルを楽しむ事が出来ると思います。

さて車高は改善され増したので次はワイパーの修理ですね
ご依頼者の方はどうも誰かからこのミニカーを購入されたらしく入手された時には既にワイパーが曲がっていたらしいのです
下の写真をご覧になればよくわかりますね〜
GPMのミニカーのパッケージを見ますと左側にワイパーが止まっている様なのですがそれを左側にしたかったのでは無いかと思われます。
と言うのも実車の写真を探しますと右側に止まっている物が多いのです。
多分当時ワイパーはオートストップや間欠などの機能は無かったでしょうからどこでも止まったのでしょうけれど・・・走っているコースがオーバルコースだったりしますと視界の問題やドライバーの好みから右側に止められたのでしょうね。

しかもこのミニカーのワイパーは問題が有りますリンクの曲がりは直す事が出来ますけど、決定的にダメなのはワイパーのブレードが長過ぎますよね
ウインドスクリーンのほぼ上から下までの長さのブレードでこれが扇形に動くとウインドウからはみ出してしまいます(笑)
実車の画像でもミニカーの2/3くらいの長さですね


まずは取り外します
曲がってしまったワイパーを取り外さなければ何も始まりません
取り付けの穴の周りにはワイパーを一度取り外して接着した時の接着剤が付いていますのでこれも掃除をします。

ワイパーを外したら使う部分と使わない部分を決める為に分解致します
このワイパーは驚いた事にエッチングの1枚物でして全部が一体になっています。
分解はハサミで切り取る必要が有りました。

ワイパーブレードは洋白線から作り直しブレードのリンク部分と各アームのボディ側の取付け部分はミニカーのエッチングを部分的に切って使っています。
あくまでも元々のミニカーの素材を使って不自然にならない様にバランスを取って作ってみました。

ウレタンサフを軽く塗ってセミグロスブラックを塗装しました
この辺はいつもの工程なので何ら問題点は有りませんよね(笑)

ウインドウの面が少し曇った状態だったのでコンパウンドを使って磨いておきました
余り磨き過ぎますとプラスチックが疲労をして割れが入ったりしますので・・・素材がよくわからないので気持ち程度ですけどね。

ガラスを磨いてみますと誰かがワイパーを外した時に入ったと思われる傷が有りました。
丁度ピンセットの先の部分ですねこの傷は接着剤が付いた盛り上がりでは無く傷で少し凹んでいます

この部分だけ3000番のバフレックスで磨きまして・・・

続いてラプロスの8000番で研磨してからコンパウンドで仕上げておきました、傷はほぼ見えなくなりました
ワイパーの下とかに傷が有りますと如何にも修理した時に傷が付いたんだな〜!と思われると嫌なので(笑)
しかもこんな場所ですと結構目立ってしまうのです。

これでワイパーを取付けたら終わりかって?
普通ならそれで良いのかもしれませんが私はプロですから・・・
ワイパーを取付けていたピンを再研磨します
丸い頭のリペットの様なピンでワイパーが取付けられていますがこのピンは外す時に少し変形をしてしまいます
一応外す時は接着剤を緩める為にハンダゴテをピンに軽く当てて熱で接着剤が緩むのを待ちます。
しかしこのピンが洋白などの比較的柔らかい金属で出来ていますと頭が変形してしまう事は良く有る事
この変形を直す為にリューターにくわえておきまして頭の形状を修正して置くのです
先を急ぎたい気持ちは有りますが・・・そこはプロという事で細かい部分の配慮も忘れずにね

ワイパーの取り付けの部分にピンを接着しました
先にこちらに付けておく方が接着がやり易いですよね
ほんの僅かな瞬間接着剤を使って仮留めですね。

そしてボディにワイパーを接着します
付け根の部分はマスキングテープで仮留め
ブレードの方も薄めたクリアーボンドを僅かに付けてウインドウに貼付けています。

発送の時に外れてしまったのかエンジンルームの発電機がブラブラしていましたのでこちらも接着しておきました、硬化するまでマスキングテープで仮留めです
これはサービスですね(笑)

全ての作業が終わりまして接着剤も硬化しましたので仮留めのマスキングテープも剥がしました。
只今ご依頼者様の所にも何枚か修理後の写真をお送りしこのブログで作業報告をさせて頂き、何も問題が無ければ明日の発送で納品させて頂きたく思っています。

明日は自宅のご近所で不幸がありましたので葬儀に参列の予定です。
製作の時間は少し厳しいかも・・・しれません。