八戸の流行はおそらく先週末から今週にかけてがピークだろうと思います。
例年、流行の立ち上がりからピークまで4週間、ほぼ終息するまで4週間というのが相場で、いまがその4-5週目にあたります。
今週も数としては先週を上回るペースになっていますが、ちょうどタイミングよく学校が春休みになり、全ての学校で2週間にわたる学校閉鎖(新型インフルエンザ以上の対策)を実施したことになりますから、流行阻止の効果はあるはずです。
(逆に言うと、よくあるような2-3日程度の学級・学校閉鎖は「何か対策をした」という「気持ち」だけで、実際には効果がないことは調査でも確かめられています。)
タイプはA型とB型がほぼ同数の混合流行、今週はややB型が多めで、嘔吐や下痢などの腹部症状を伴うことが多いようです。
一般に、B型の方が軽く経過することが多いとされています。
同時に、年少児では、嘔吐・下痢・発熱が主症状のロタウイルス性胃腸炎が流行しているので、見分けがつきにくい場合があります。
治療は漢方薬の「麻黄湯」を中心に、一部の症状の重い子には相談の上タミフルも使っていますが、麻黄湯でほとんどの子が良好に経過しています。
タミフルに関する報道や厚労省の混乱は、ややもすると「非科学」の域に近づきつつあるのではないかと危惧しております。
因果関係は不明であれ薬剤の警告情報を出して一時年長児への使用を止めることは、飛び降りのケースが続いていた状況では受け入れられる判断ではありますが、
タミフルを服用せずに譫妄状態になり翌日からタミフルの服用を開始して以後良好に経過したケースを私も今年経験しました。
タミフルを服用していないのに飛び降りたというケースも、報道された1例以外に全国の小児科医が数例経験していることもわかってきました。
今日も同じようにタミフルを飲んでいないのに飛び降りた事故があったようです。
決してバンダナを巻いた浜氏が断言するような「タミフルを飲んだ場合だけにみられる特異的な副作用」ではないようです。
逆に、タミフルを服用して異常行動が出た例でインフルエンザではなかったという報道された一例。
インフルエンザとは関係ないけれども、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)でも激しく暴れるなどの異常行動がみられたケースも。(もちろんタミフルとも無関係)
「年少児にもタミフルの副作用多発」なる記事には、熱性けいれんを含むけいれん(その中には脳炎・脳症も含まれている可能性あり)や幻覚など流行時には全国の小児科医誰もが経験するインフルエンザの「症状」や「合併症」まで含まれていて、こんなの全国から集めれば、毎年何千何万人というインフルエンザ患者がタミフルの「副作用」だということになってしまいます。
横浜市大横田教授の件についても言及したいところですが、できれば稿を改めて。
現実の臨床は、9歳はタミフルOKで10歳はダメとか、けいれんが起きたら薬の副作用だとか脳症だとか、そんな簡単に白黒2つに分けられるようなものではありません。
別にタミフルを擁護しようとしているのではなく、必要な調査や措置についてはとるべきだとは思いますが、そこから先の「薬害タミフル脳症」などという言葉を一人歩きさせようとしている動きと、それをあおり立てているかのごときマスコミには、危惧の念を抱いております。
あくまで冷静に、事実と客観的に確かめられた情報をもとに、必要な判断をする。
それだけを望みます。
例年、流行の立ち上がりからピークまで4週間、ほぼ終息するまで4週間というのが相場で、いまがその4-5週目にあたります。
今週も数としては先週を上回るペースになっていますが、ちょうどタイミングよく学校が春休みになり、全ての学校で2週間にわたる学校閉鎖(新型インフルエンザ以上の対策)を実施したことになりますから、流行阻止の効果はあるはずです。
(逆に言うと、よくあるような2-3日程度の学級・学校閉鎖は「何か対策をした」という「気持ち」だけで、実際には効果がないことは調査でも確かめられています。)
タイプはA型とB型がほぼ同数の混合流行、今週はややB型が多めで、嘔吐や下痢などの腹部症状を伴うことが多いようです。
一般に、B型の方が軽く経過することが多いとされています。
同時に、年少児では、嘔吐・下痢・発熱が主症状のロタウイルス性胃腸炎が流行しているので、見分けがつきにくい場合があります。
治療は漢方薬の「麻黄湯」を中心に、一部の症状の重い子には相談の上タミフルも使っていますが、麻黄湯でほとんどの子が良好に経過しています。
タミフルに関する報道や厚労省の混乱は、ややもすると「非科学」の域に近づきつつあるのではないかと危惧しております。
因果関係は不明であれ薬剤の警告情報を出して一時年長児への使用を止めることは、飛び降りのケースが続いていた状況では受け入れられる判断ではありますが、
タミフルを服用せずに譫妄状態になり翌日からタミフルの服用を開始して以後良好に経過したケースを私も今年経験しました。
タミフルを服用していないのに飛び降りたというケースも、報道された1例以外に全国の小児科医が数例経験していることもわかってきました。
今日も同じようにタミフルを飲んでいないのに飛び降りた事故があったようです。
決してバンダナを巻いた浜氏が断言するような「タミフルを飲んだ場合だけにみられる特異的な副作用」ではないようです。
逆に、タミフルを服用して異常行動が出た例でインフルエンザではなかったという報道された一例。
インフルエンザとは関係ないけれども、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)でも激しく暴れるなどの異常行動がみられたケースも。(もちろんタミフルとも無関係)
「年少児にもタミフルの副作用多発」なる記事には、熱性けいれんを含むけいれん(その中には脳炎・脳症も含まれている可能性あり)や幻覚など流行時には全国の小児科医誰もが経験するインフルエンザの「症状」や「合併症」まで含まれていて、こんなの全国から集めれば、毎年何千何万人というインフルエンザ患者がタミフルの「副作用」だということになってしまいます。
横浜市大横田教授の件についても言及したいところですが、できれば稿を改めて。
現実の臨床は、9歳はタミフルOKで10歳はダメとか、けいれんが起きたら薬の副作用だとか脳症だとか、そんな簡単に白黒2つに分けられるようなものではありません。
別にタミフルを擁護しようとしているのではなく、必要な調査や措置についてはとるべきだとは思いますが、そこから先の「薬害タミフル脳症」などという言葉を一人歩きさせようとしている動きと、それをあおり立てているかのごときマスコミには、危惧の念を抱いております。
あくまで冷静に、事実と客観的に確かめられた情報をもとに、必要な判断をする。
それだけを望みます。