踊る小児科医のblog

青森県八戸市 くば小児科クリニック 感染症 予防接種 禁煙 核燃・原発

肺炎球菌・ヒブワクチン「接種見合わせ」続く 更に2週間程度?

2011年03月09日 | 予防接種
 以下が8日に開催された厚労省検討会の検討結果ですが、このブログ上でこれまで限られた情報から解析した判断とほぼ同じと言っても良いかと思います。この状況で「接種見合わせ」を継続することになれば、何を根拠にして「安全宣言」を出して接種再開することができるのか、あるいは危険だから接種中止と判断するのか、一小児科医には「わからない」としかお伝えすることができません。

(追記:今回の症例の検査結果などの追加情報や海外の情報なども含めて、2週間後を目安に情報を集めて再開するか再度検討することになるようですが、これまで認可の段階でも検討されているはずだし、海外でもワクチンとの関連が疑われた死亡例はあるようですが因果関係なしまたは不明と判断されているようです。次回で再開するかどうかの判断が決まるはずですが、それ以上のことは書けません。)

----------------------------------------------------------------------------
「小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの安全性について」のとりまとめについて
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000146lh.html
小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの安全性について(PDF:111KB)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000146lh-img/2r985200000146my.pdf

----------------------------------------------------------------------------
   小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの安全性について

             平成23年3月8日
             安全対策調査会
             子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会

1.報告された5例の症例評価について
 平成23年3月2日以降、小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンを含むワクチン同時接種後の乳幼児において5例の死亡例が報告されており、これらについて評価を行った。
(1) 5例は0歳から2歳代の乳幼児で、基礎疾患を有するものが3例、基礎疾患が明確でないものが2例であった。
(2) 接種から死亡までの期間は、翌日死亡が3例、2日後死亡が1例、3日後死亡が1例であった。
(3) 現在得られている各症例の経過や所見に基づいて評価したところ、報告された5例については、現段階の情報において、いずれもワクチン接種との直接的な明確な因果関係は認められないと考えられるが、さらに入手可能な情報を次回までに収集する。
(4) なお、例えば先天性の心疾患などの基礎疾患を有する患者は、その状態によっては、十分な注意が必要である。

2.ワクチンの検定結果について
 国立感染症研究所が実施したワクチンの検定においても、これらのワクチンの死亡報告のあった症例に投与されたロットについての試験結果は、全て変動域内にとどまり、逸脱は認められなかった。なお、宝塚例と西宮例で肺炎球菌ワクチンのロットが同一であったことについては、製造工程等の逸脱等について確認する必要がある。

 その他、諸外国での状況や同時接種の安全性、接種者数等の情報について、早急に情報を収集し、次回検討することとする。また、死亡例とワクチンの関連性の検証のためには、関係者の協力を得て、今後、積極的疫学調査を行う仕組みを構築すべきである。