踊る小児科医のblog

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禁煙外来へのご紹介についてのお願い(医療機関向け)

2011年03月11日 | 禁煙・防煙
これまで多くの医療機関から禁煙外来受診希望者をご紹介いただき大変ありがとうございます。

昨年10月のタバコ税増税以来、バレニクリン(チャンピックス)やニコチンパッチ(ニコチネルTTS)の供給不足が続いていましたが、年末より十分な量が供給されるようになり、予約待ちの患者さんも解消しております。

他の禁煙外来を開設している医療機関もおそらく同様かと思われますが、当院の状況をご説明させていただきます。

禁煙外来受診希望者については、特別な事情がなければ紹介状や連絡などはいただかなくても構いませんので、患者さんから直接当院に電話で予約してもらうようにして下さい。
禁煙外来は初回だけは時間が少しかかるので、予約なしの受診は原則として受け付けておりません。

昨年10月に患者さんが集中したときにはやむを得ず1日数名の新規患者を診察したことがありましたが、現在は新患は1日1名までとしております。まず重なることはないのでほぼ希望日に受診できています。

うつ病や統合失調症などで通院されている方は、心理的依存が強い場合が多く、禁煙により一時的に原疾患のコントロールが不安定になる可能性もあり、チャンピックスも副作用の可能性があり使えないため、最後まで治療が上手く行って禁煙成功となる率は高くありません。
(もちろん禁煙に成功すれば原疾患への喫煙の悪影響を取り除くことができて一石二鳥なのですが)

できれば主治医の元で禁煙治療も一緒にしてただくのがベストなのですが、併行して通院する場合には治療の連携などが必要な場合もありますので、大変恐縮ですが紹介状をいただいてくるようお願いしております。
希望する患者さんがいましたらご協力のほどよろしくお願いします。

実際には、精神疾患の患者さん以外はチャンピックスを使用しています。
チャンピックスはシメチジンが併用注意になっています。
チャンピックスは嘔気や腹痛等の症状が出やすいのですが、もしOTCで胃腸薬を処方する際にはご注意下さい。
女性などで嘔気が目立つ場合には半減して処方することが結構あります。
「喫煙によりCYP1A2の活性が誘導されるため、禁煙を開始後、CYP1A2の基質となる薬剤の血漿濃度が上昇する可能性がある」ことが知られています。(テオフィリンなど)
ニコチンパッチは虚血性心疾患のある方には使えません。
未成年や妊婦さんにはいずれの薬も使えないことになっています。
未成年の禁煙治療にニコチンパッチを使用した経験はあります。(自由診療)
その他、お気づきの点がありましたらご指摘下さい。
よろしくお願いします。