踊る小児科医のblog

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死亡6例目?「紛れ込み」とすら言えない…

2011年03月10日 | 予防接種
行政とマスコミは、『新型インフルエンザ』騒ぎのときに、1人死んだ、また1人死んだと毎日毎日国民に恐怖を植えつける発表と報道を繰り返し、終わってみれば例年の「季節性」よりもずっと少ない死亡数に終わったことに全く何も学んでいないようです。(季節性のときには誰が何人死のうと関心すら寄せなかったくせに)
これは最初に書いたことですが、この国の現状ではどうもならん。おそらく未来も。。

「6例目」というこのケースは接種7日後の死亡例であり、生ワクチン(弱毒ウイルスが体の中で増殖して免疫を得る)ではなく不活性化ワクチンでは関連性はほとんど考えられません。例によって重要な途中経過の情報が欠落しているので判断材料が不足しているのですが。。

東奥日報の報道では「7日後」という一番大事な情報すら落としている。こうなると意図的に悪意を持って報道しているとしか考えられません。どこまでレベルが低いのか。。

このケースでも「紛れ込み事故」として認定することはあり得るのかもしれませんが、それは予防接種事業を進めるために必要な経費としてであって、医学的な意味合いはほとんどありません。
もちろん、死亡の原因を究明することは当然のこととして。。

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ヒブワクチンを含むワクチン同時接種後の死亡報告について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014ac1.html

今般、ヒブワクチン(販売名:アクトヒブ)を三種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風・百日咳)と同時接種した事例において、接種7日後に死亡したとされる症例の報告がありましたので、情報提供いたします。
本報告のワクチン接種と死亡との因果関係は、報告医によれば評価不能とされており、現在詳細な調査を実施しています。
本報告についてのワクチン接種と死亡との因果関係の評価についても、次回に開催する医薬品等安全対策部会安全対策調査会と子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会の合同会議において合わせて検討を実施する予定です。

症例一覧(3月10日現在)(PDF:105KB)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014ac1-img/2r98520000014adi.pdf

Q&A 肺炎球菌・ヒブワクチン 3月9日版

2011年03月10日 | 予防接種
小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチン接種の 一時的見合わせについてのQ&A(3月9日改訂)(PDF:193KB)
http://www.mhlw.go.jp/stf/kinkyu/2r98520000013zrz-img/2r985200000149fp.pdf

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小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチン接種の一時的見合わせについてのQ&A

                   平成23年3月9日版
                   健康局結核感染症課
                   医薬食品局安全対策課

問1 なぜ、小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの接種を一時的に見合わせたのですか。

 3月2日から4日までの間に、報告医によれば因果関係は評価不能又は不明とされていますが、小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチンを含むワクチン同時接種後の死亡例が4例報告されました。
 情報を収集し専門家による因果関係の評価等を実施するまでの間、念のため接種を一時的に見合わせることとしたものです。
 なお、その後、1例の死亡例が報告され、合わせて5例について情報を収集し、専門家の評価を進めているところです。

問2 接種後に亡くなった5人の方は、どのような症状・状況だったのですか。

 接種後に亡くなった方々の症状や状況については、3月8日の専門家の会議の資料として、厚労省ホームページに公表しています。
 (http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000141ko.html の資料1をご参照ください。)

問3 最近、子どもが小児用肺炎球菌ワクチン又はヒブワクチンを接種したのですが、大丈夫でしょうか。どのようなことに気をつければよいでしょうか。

 海外で広く用いられているワクチンですが、我が国でも発売以来それぞれ100万人から150万人程度の子供に接種されたと推定されており、特に著しい問題は生じていないことが先日行われた調査会で確認されております。また、今回の報告については、接種翌日(3例)、2日後(1例)または3日後(1例)に生じており、接種数日を経ている方についてはご心配ないものと考えられます。また亡くなられたお子さまの状況についての予防接種との関係については、現段階の情報では、直接的な明確な因果関係は認められないと考えられると評価されましたが、更に調査を行っているところです。
 特に接種直後から数日以内に、高熱、ぐったりしているなど、普段と異なる症状が見られる場合には医師に相談してください。

問4 小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンを同時接種する場合ではなく、いずれか一方を接種することも見合わせているのでしょうか。

 ワクチンとの関連を評価するまでの間は、念のため、単独での接種も見合わせることといたしました。

問5 DPT(ジフテリア、百日せき、破傷風)3種混合ワクチンの接種は見合わせていないのですか。

 DPTワクチンは従来から定期接種ワクチンとして広く使用されているワクチンであり、これまでの我が国での接種の実績からみて接種を見合わせることとはしていません。
 一方、小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンは我が国での発売以降の期間がそれぞれ1年又は2年程度と短く、また、昨年11月から開始した接種事業により接種者数がそれ以前に比べ増加している状況にあるため、評価を行うまで念のため一時見合わせることとしました。

問6 接種の見合わせはいつまで続きますか。

 専門家の会議を3月8日に開催し、報告された5例について、現段階の情報では、いずれもワクチン接種との直接的な明確な因果関係は認められないと考えられると評価されました。
 ただし、外国での状況や、同時接種に関する情報などについて早急に収集したうえで、再度検討を行うこととされました。近く改めて専門家の会議を開催することとしており、少なくともそれまでの間は接種の見合わせをお願いいたします。その後の対応は、検討結果を踏まえて速やかに決めたうえ、改めてご案内いたします。

問7 来月、次回の接種を予定していますが、接種できますか。

 3月8日に専門家の会議が開催されましたが、さらに情報の収集が必要であるとされましたので、近く改めて専門家の会議を開催することとしており、その結果を速やかに公表する予定ですので、その結果をご参考にしてください。専門家会議の開催日程についても決まり次第お知らせするようにいたします.

問8 既に小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの1(2)回目の接種を済ませていますが、今後の接種が遅れても大丈夫ですか。

 今後、小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの接種が再開された場合には、標準的な接種スケジュールから遅れても、接種できることとする方向で検討しています。ワクチン接種後の免疫への効果については、仮に接種が多少遅れたとしても、一般に、大きな差はないとされています。
 なお、DPT(ジフテリア、百日せき、破傷風)3種混合ワクチンおよびその他のワクチン(BCG、ポリオ、麻疹、風疹、日本脳炎など)については、現在も接種できますので、予定通り接種していただくようお願いします。

問9 DPT(ジフテリア、百日せき、破傷風)3種混合ワクチンと、小児用肺炎球菌ワクチン・ヒブワクチンとの同時接種を予定していましたが、全て接種を見合わせた方がよいですか。

 DPTワクチンについては、現在も接種できます。(問5をご参照ください。)
 DPT(ジフテリア、百日せき、破傷風)3種混合ワクチンについては、乳児期にこれらの病気になるのを防ぐために、予定通り接種していただくようお願いします。

問10 3月8日の専門家の会議の結果はどのような内容だったのでしょうか。

3月8日の会議の結果については、
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000146lh-img/2r985200000146my.pdf
をご参照ください。