踊る小児科医のblog

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原発爆発 情報は→原子力資料情報室

2011年03月14日 | 東日本大震災・原発事故
原子力資料情報室 最新ニュース
http://www.cnic.jp/modules/news/

昼の発表では風向きは南風(北に向かう)と言ってましたが、
アメダスでは現在おおむね西風(海の方に向かう)のようです。
http://weather.asahi.com/amedas/kanto/wind.html

1・3号機に続いて2号機でも冷却機能停止。。

内部被爆と飛行機での放射線とは全く違う

2011年03月13日 | 東日本大震災・原発事故
原発事故で自然ではあり得ない数値が出ているのに、あたかも観光旅行と同じくらいの危険性と言い張って責任をごまかそうとする原子力保安院

内部被曝の危険性を全く知らせようとしない政府とマスコミ

東京の3時間毎の停電とどちらが大事なのか

(どちらがと単純に比較できる問題ではないかと思いますが)

原発震災:子どもにトロロ昆布を

2011年03月13日 | 東日本大震災・原発事故
政府や電力会社、TVに出ている「専門家」はパニックを防ぐために意図的に情報を抑えて発表しているとしか考えられません。そのまま信用してのんびり待っていては手遅れになりかねません。
すでに相当量の放射性物質が放出され、被爆被害が起きており、更に拡大することが予想されます。
(情報が全く不足しています)
もちろん地震・津波もそうですが、福島の原発では日本でかつて起きたことのない「最悪の事態」が現在進行形で拡大しています。
大震災で原発の冷却系統がストップして炉心が溶融、メルトダウンへと進むというシナリオは、政府や電力会社は「絶対に起きない」と言い続けていました。
私たちは「『絶対に起きない』ということは絶対にない」というごく当たり前のことを主張してきたわけですが、不幸にして現実のものとなってしまいました。
(現状で核分裂反応が制御不能になるメルトダウンへ進む状況とは少し違うようですが、燃料棒が冷却水から露出して冷却が十分できない状態が続いていることは確かなようです。) ←追記:この部分はメルトダウンと再臨界の区別がついていない表現で、当時言われていたメルトダウンは起きていないという公的な情報を踏まえて書いているので、結果的には正しくなかったと言えますがが、このentry全体での状況認識は間違っていないと考えており、そのままの形で残してあります。

特に子どもたちへの被爆の影響は10年20年にもわたって続くこともあり得ます。

福島原発近辺の方へヨウ素の含まれた食品(子供たち優先でお願いします)
http://ameblo.jp/rokkasho-x/entry-10827859055.html

「ヨウ素をたくさん含む食品ベスト10」
    乾燥昆布一切れ1枚1グラム
    トロロ昆布大さじ販売1グラム
    乾燥ワカメ5グラム
    いわし中2匹96グラム
    さば1切れ100グラム
    かつお1切れ100グラム
    焼き海苔10枚3グラム
    ぶり1切れ80グラム
    塩鮭1切れ60グラム
    寒天1角の半分4グラム

(上記ページより引用:全文をご覧下さい)

原子力資料情報室 記者会見/videonews.com
http://www.ustream.tv/recorded/13269582

14日から診療再開:くば小児科クリニック 青森県八戸市

2011年03月13日 | こども・小児科
当院でも今朝から電気が復旧しましたので、明日は通常通り診療致します。
11日(金)は地震発生後休診とし、12日(土)も朝だけ予約の3名を診察しましたがその後は来院する方もなくそのまま休みました。
八戸市内も機能が回復しつつありますが、館鼻漁港周辺、鮫から階上、種市などの沿岸部では被害に遭われた方も多いことと思います。お見舞い申し上げます。
更に被害の大きい地域の方のことを思うと胸が痛みます。
特別なお手伝いも何もできませんが、診療をいつも通り行うことで少しでもお役に立てればと思います。
余震も続いており、まだ大きい地震や津波が来る可能性もあります。
原発情報にも引き続き注意が必要です。恐れていたことが起きつつあります。

禁煙外来へのご紹介についてのお願い(医療機関向け)

2011年03月11日 | 禁煙・防煙
これまで多くの医療機関から禁煙外来受診希望者をご紹介いただき大変ありがとうございます。

昨年10月のタバコ税増税以来、バレニクリン(チャンピックス)やニコチンパッチ(ニコチネルTTS)の供給不足が続いていましたが、年末より十分な量が供給されるようになり、予約待ちの患者さんも解消しております。

他の禁煙外来を開設している医療機関もおそらく同様かと思われますが、当院の状況をご説明させていただきます。

禁煙外来受診希望者については、特別な事情がなければ紹介状や連絡などはいただかなくても構いませんので、患者さんから直接当院に電話で予約してもらうようにして下さい。
禁煙外来は初回だけは時間が少しかかるので、予約なしの受診は原則として受け付けておりません。

昨年10月に患者さんが集中したときにはやむを得ず1日数名の新規患者を診察したことがありましたが、現在は新患は1日1名までとしております。まず重なることはないのでほぼ希望日に受診できています。

うつ病や統合失調症などで通院されている方は、心理的依存が強い場合が多く、禁煙により一時的に原疾患のコントロールが不安定になる可能性もあり、チャンピックスも副作用の可能性があり使えないため、最後まで治療が上手く行って禁煙成功となる率は高くありません。
(もちろん禁煙に成功すれば原疾患への喫煙の悪影響を取り除くことができて一石二鳥なのですが)

できれば主治医の元で禁煙治療も一緒にしてただくのがベストなのですが、併行して通院する場合には治療の連携などが必要な場合もありますので、大変恐縮ですが紹介状をいただいてくるようお願いしております。
希望する患者さんがいましたらご協力のほどよろしくお願いします。

実際には、精神疾患の患者さん以外はチャンピックスを使用しています。
チャンピックスはシメチジンが併用注意になっています。
チャンピックスは嘔気や腹痛等の症状が出やすいのですが、もしOTCで胃腸薬を処方する際にはご注意下さい。
女性などで嘔気が目立つ場合には半減して処方することが結構あります。
「喫煙によりCYP1A2の活性が誘導されるため、禁煙を開始後、CYP1A2の基質となる薬剤の血漿濃度が上昇する可能性がある」ことが知られています。(テオフィリンなど)
ニコチンパッチは虚血性心疾患のある方には使えません。
未成年や妊婦さんにはいずれの薬も使えないことになっています。
未成年の禁煙治療にニコチンパッチを使用した経験はあります。(自由診療)
その他、お気づきの点がありましたらご指摘下さい。
よろしくお願いします。

死亡6例目?「紛れ込み」とすら言えない…

2011年03月10日 | 予防接種
行政とマスコミは、『新型インフルエンザ』騒ぎのときに、1人死んだ、また1人死んだと毎日毎日国民に恐怖を植えつける発表と報道を繰り返し、終わってみれば例年の「季節性」よりもずっと少ない死亡数に終わったことに全く何も学んでいないようです。(季節性のときには誰が何人死のうと関心すら寄せなかったくせに)
これは最初に書いたことですが、この国の現状ではどうもならん。おそらく未来も。。

「6例目」というこのケースは接種7日後の死亡例であり、生ワクチン(弱毒ウイルスが体の中で増殖して免疫を得る)ではなく不活性化ワクチンでは関連性はほとんど考えられません。例によって重要な途中経過の情報が欠落しているので判断材料が不足しているのですが。。

東奥日報の報道では「7日後」という一番大事な情報すら落としている。こうなると意図的に悪意を持って報道しているとしか考えられません。どこまでレベルが低いのか。。

このケースでも「紛れ込み事故」として認定することはあり得るのかもしれませんが、それは予防接種事業を進めるために必要な経費としてであって、医学的な意味合いはほとんどありません。
もちろん、死亡の原因を究明することは当然のこととして。。

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ヒブワクチンを含むワクチン同時接種後の死亡報告について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014ac1.html

今般、ヒブワクチン(販売名:アクトヒブ)を三種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風・百日咳)と同時接種した事例において、接種7日後に死亡したとされる症例の報告がありましたので、情報提供いたします。
本報告のワクチン接種と死亡との因果関係は、報告医によれば評価不能とされており、現在詳細な調査を実施しています。
本報告についてのワクチン接種と死亡との因果関係の評価についても、次回に開催する医薬品等安全対策部会安全対策調査会と子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会の合同会議において合わせて検討を実施する予定です。

症例一覧(3月10日現在)(PDF:105KB)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014ac1-img/2r98520000014adi.pdf

Q&A 肺炎球菌・ヒブワクチン 3月9日版

2011年03月10日 | 予防接種
小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチン接種の 一時的見合わせについてのQ&A(3月9日改訂)(PDF:193KB)
http://www.mhlw.go.jp/stf/kinkyu/2r98520000013zrz-img/2r985200000149fp.pdf

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小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチン接種の一時的見合わせについてのQ&A

                   平成23年3月9日版
                   健康局結核感染症課
                   医薬食品局安全対策課

問1 なぜ、小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの接種を一時的に見合わせたのですか。

 3月2日から4日までの間に、報告医によれば因果関係は評価不能又は不明とされていますが、小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチンを含むワクチン同時接種後の死亡例が4例報告されました。
 情報を収集し専門家による因果関係の評価等を実施するまでの間、念のため接種を一時的に見合わせることとしたものです。
 なお、その後、1例の死亡例が報告され、合わせて5例について情報を収集し、専門家の評価を進めているところです。

問2 接種後に亡くなった5人の方は、どのような症状・状況だったのですか。

 接種後に亡くなった方々の症状や状況については、3月8日の専門家の会議の資料として、厚労省ホームページに公表しています。
 (http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000141ko.html の資料1をご参照ください。)

問3 最近、子どもが小児用肺炎球菌ワクチン又はヒブワクチンを接種したのですが、大丈夫でしょうか。どのようなことに気をつければよいでしょうか。

 海外で広く用いられているワクチンですが、我が国でも発売以来それぞれ100万人から150万人程度の子供に接種されたと推定されており、特に著しい問題は生じていないことが先日行われた調査会で確認されております。また、今回の報告については、接種翌日(3例)、2日後(1例)または3日後(1例)に生じており、接種数日を経ている方についてはご心配ないものと考えられます。また亡くなられたお子さまの状況についての予防接種との関係については、現段階の情報では、直接的な明確な因果関係は認められないと考えられると評価されましたが、更に調査を行っているところです。
 特に接種直後から数日以内に、高熱、ぐったりしているなど、普段と異なる症状が見られる場合には医師に相談してください。

問4 小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンを同時接種する場合ではなく、いずれか一方を接種することも見合わせているのでしょうか。

 ワクチンとの関連を評価するまでの間は、念のため、単独での接種も見合わせることといたしました。

問5 DPT(ジフテリア、百日せき、破傷風)3種混合ワクチンの接種は見合わせていないのですか。

 DPTワクチンは従来から定期接種ワクチンとして広く使用されているワクチンであり、これまでの我が国での接種の実績からみて接種を見合わせることとはしていません。
 一方、小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンは我が国での発売以降の期間がそれぞれ1年又は2年程度と短く、また、昨年11月から開始した接種事業により接種者数がそれ以前に比べ増加している状況にあるため、評価を行うまで念のため一時見合わせることとしました。

問6 接種の見合わせはいつまで続きますか。

 専門家の会議を3月8日に開催し、報告された5例について、現段階の情報では、いずれもワクチン接種との直接的な明確な因果関係は認められないと考えられると評価されました。
 ただし、外国での状況や、同時接種に関する情報などについて早急に収集したうえで、再度検討を行うこととされました。近く改めて専門家の会議を開催することとしており、少なくともそれまでの間は接種の見合わせをお願いいたします。その後の対応は、検討結果を踏まえて速やかに決めたうえ、改めてご案内いたします。

問7 来月、次回の接種を予定していますが、接種できますか。

 3月8日に専門家の会議が開催されましたが、さらに情報の収集が必要であるとされましたので、近く改めて専門家の会議を開催することとしており、その結果を速やかに公表する予定ですので、その結果をご参考にしてください。専門家会議の開催日程についても決まり次第お知らせするようにいたします.

問8 既に小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの1(2)回目の接種を済ませていますが、今後の接種が遅れても大丈夫ですか。

 今後、小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの接種が再開された場合には、標準的な接種スケジュールから遅れても、接種できることとする方向で検討しています。ワクチン接種後の免疫への効果については、仮に接種が多少遅れたとしても、一般に、大きな差はないとされています。
 なお、DPT(ジフテリア、百日せき、破傷風)3種混合ワクチンおよびその他のワクチン(BCG、ポリオ、麻疹、風疹、日本脳炎など)については、現在も接種できますので、予定通り接種していただくようお願いします。

問9 DPT(ジフテリア、百日せき、破傷風)3種混合ワクチンと、小児用肺炎球菌ワクチン・ヒブワクチンとの同時接種を予定していましたが、全て接種を見合わせた方がよいですか。

 DPTワクチンについては、現在も接種できます。(問5をご参照ください。)
 DPT(ジフテリア、百日せき、破傷風)3種混合ワクチンについては、乳児期にこれらの病気になるのを防ぐために、予定通り接種していただくようお願いします。

問10 3月8日の専門家の会議の結果はどのような内容だったのでしょうか。

3月8日の会議の結果については、
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000146lh-img/2r985200000146my.pdf
をご参照ください。

肺炎球菌・ヒブワクチン「接種見合わせ」続く 更に2週間程度?

2011年03月09日 | 予防接種
 以下が8日に開催された厚労省検討会の検討結果ですが、このブログ上でこれまで限られた情報から解析した判断とほぼ同じと言っても良いかと思います。この状況で「接種見合わせ」を継続することになれば、何を根拠にして「安全宣言」を出して接種再開することができるのか、あるいは危険だから接種中止と判断するのか、一小児科医には「わからない」としかお伝えすることができません。

(追記:今回の症例の検査結果などの追加情報や海外の情報なども含めて、2週間後を目安に情報を集めて再開するか再度検討することになるようですが、これまで認可の段階でも検討されているはずだし、海外でもワクチンとの関連が疑われた死亡例はあるようですが因果関係なしまたは不明と判断されているようです。次回で再開するかどうかの判断が決まるはずですが、それ以上のことは書けません。)

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「小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの安全性について」のとりまとめについて
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000146lh.html
小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの安全性について(PDF:111KB)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000146lh-img/2r985200000146my.pdf

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   小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの安全性について

             平成23年3月8日
             安全対策調査会
             子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会

1.報告された5例の症例評価について
 平成23年3月2日以降、小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンを含むワクチン同時接種後の乳幼児において5例の死亡例が報告されており、これらについて評価を行った。
(1) 5例は0歳から2歳代の乳幼児で、基礎疾患を有するものが3例、基礎疾患が明確でないものが2例であった。
(2) 接種から死亡までの期間は、翌日死亡が3例、2日後死亡が1例、3日後死亡が1例であった。
(3) 現在得られている各症例の経過や所見に基づいて評価したところ、報告された5例については、現段階の情報において、いずれもワクチン接種との直接的な明確な因果関係は認められないと考えられるが、さらに入手可能な情報を次回までに収集する。
(4) なお、例えば先天性の心疾患などの基礎疾患を有する患者は、その状態によっては、十分な注意が必要である。

2.ワクチンの検定結果について
 国立感染症研究所が実施したワクチンの検定においても、これらのワクチンの死亡報告のあった症例に投与されたロットについての試験結果は、全て変動域内にとどまり、逸脱は認められなかった。なお、宝塚例と西宮例で肺炎球菌ワクチンのロットが同一であったことについては、製造工程等の逸脱等について確認する必要がある。

 その他、諸外国での状況や同時接種の安全性、接種者数等の情報について、早急に情報を収集し、次回検討することとする。また、死亡例とワクチンの関連性の検証のためには、関係者の協力を得て、今後、積極的疫学調査を行う仕組みを構築すべきである。

インフルエンザ:流行の残り火 八戸市・三八地方

2011年03月08日 | 新型インフルエンザ

インフルエンザは流行のピークが過ぎて1ヶ月たちましたが、今年は流行の規模が大きくなかったので、流行拡大期~ピークにかけてあまり流行しなかった学校で今ごろになってポツポツと流行りだしているようです。3/5の急病診療所では南部・三戸方面でB型の子がみられていましたが、当院では今のところB型の検出はゼロです。

子宮頸がんHPVワクチン 高1の初回接種は4月以降(高2)も無料で

2011年03月07日 | 予防接種
肺炎球菌・ヒブワクチン接種見合わせだけでなく、子宮頸がんHPVワクチンは供給不足で新たな接種ができない状態になっていますが、現在高1の子には初回接種が4月以降になっても無料で接種できることになりました。

なお、当院に現在予約している方、1回目を接種した方への2回目までのワクチンは確保しております。それ以降についても、入荷次第順次接種するようにしますので、予約は引き続きお受けしております。当面、現在高1の子に優先されることになりますので、該当の方は早めにご連絡下さい。中学生の予約も受け付けております。実際に接種できる時期はこちらから連絡いたします。

(以下、国から県への通知)
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事 務 連 絡
平成23年3月7日

各都道府県 衛生主管部(局) 御中

               厚生労働省健康局結核感染症課
               厚生労働省医薬食品局血液対策課

 子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業の円滑な実施について

 子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業の実施については、平素より格段の御協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、今般、子宮頸がん予防ワクチン製造販売業者からの当該ワクチンの供給量が逼迫しているとの連絡を受けたところです。
 子宮頸がん予防ワクチンの供給については、市場流通に基づいており、製造販売業者によれば、当初は十分な供給量が確保されているとのことでしたが、急速な需要の増大に対応できず、供給不足となり、出荷の制限等を実施しているとのことです。
 このため、厚生労働省としては、早期に供給不足を解消するため、引き続き、製造販売企業に対し、安定供給の確保に努めるよう要請していくとともに、子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業の円滑な実施を確保するため、「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業の実施について」(平成 22 年 11 月 26 日健発 1126 第 10 号厚生労働省健康局長通知及び同日付け薬食発 1126 第3号医薬食品局長通知)を改正することも含め、以下のような方針で対応する予定ですので、管内市区町村等への周知方お願いいたします。

        記

1 今年度に事業を開始し高校1年生を事業の対象としている市町村においては、平成23年3月末までに1回目の接種をできなかった高校1年生が、平成23年4月以降に1回目の接種をした場合であっても、当分の間、事業の対象とできることとする。

2 ワクチンの供給状況を踏まえ、当分の間、初回の接種者への接種を差し控え、既に接種を開始した者への2回目・3回目の接種を優先するよう、市区町村及び関係機関にお願いする。

以上

「接種後死亡」4例の情報 「見合わせ」や「再開」の根拠は 肺炎球菌 ヒブ

2011年03月07日 | 予防接種
これまで書いたことと重複しますが、予防接種後の死亡4例について、厚労省や保健所の発表と報道を合わせた限られた情報の中で、再度まとめて解析してみます。(推測が混じっているので確かなことは何も言えませんが)
→4症例の情報PDF(厚労省)

1)宝塚市 2歳男児 ヒブ+肺炎球菌 基礎疾患あり(心室中隔欠損症、慢性肺疾患、気管支喘息、てんかん) 翌日死亡 「容態が急変」とだけ報道されていて直接の死因や経過は公表されていない

2)西宮市 1歳女児 三種混合+肺炎球菌 基礎疾患なし 翌日死亡 呼吸停止状態で発見
<経過>
 3月1日 小児用肺炎球菌ワクチンとDPTワクチンを接種
      夜中に39℃の発熱
 3月2日 午前9時過ぎ 接種医療機関を受診
      軽度の咽頭扁桃発赤のみで全身状態良好
      午後1時半頃家族が呼吸停止に気づく
      救急車到着時、心肺停止状態
      午後2時56分、死亡確認

3)川崎 6ヶ月未満 女児 三種混合+ヒブ+肺炎球菌 基礎疾患調査中(報道では基礎疾患なし) 接種後3日で死亡
<報道より抜粋>
 2月17日接種 3日後の20日午前8時ごろ呼吸停止状態で発見、救急搬送後死亡確認

4)京都 6ヶ月以上1歳未満 女児 三種混合+ヒブ+肺炎球菌 基礎疾患あり(右胸心・単心室・肺動脈閉鎖) 接種翌日死亡 

(以上のお子さんについて、ここでは症例●という表現をさせていただきます。)

 このうち川崎の症例3は、接種後の経過が明らかになっていないのでそれにより判断が違ってきますが、接種後3日経っているので直接の因果関係は考えにくく、いわゆる「紛れ込み事故」の可能性の方が高そうです。生後6ヶ月未満という月数と、基礎疾患のない乳児が突然死を起こしている経過からは乳幼児突然死症候群(SIDS)の可能性がありますが、SIDSの診断には剖検が必須とされているので断定的なことは言えません。すでに半月以上経っていることから、剖検の結果も明日の検討会で出てくるのではないか推測されます。(もし「紛れ込み事故」の可能性が高くても予防接種副反応の救済措置の対象とすべきだとは思いますが。)

 西宮の症例2は一番経過が明らかになっていますが、前にも書いたように接種当日の発熱についてワクチン接種との関連の可能性はあるものの、翌日朝の受診時に「全身状態良好」であったにも関わらず、その後数時間で突然死を起こしており、その数時間の間に前日接種したワクチンの影響によって急激に悪化して突然死するというのは医学的には考えにくいストーリーです。発熱などの経過があるのでSIDSとは言えないと思いますが、発熱後に突然死を起こすウイルス性心筋炎やインフルエンザ、ロタウイルスによる脳症などを示唆する剖検所見や検査結果がないかどうかもポイントになってくるかと思われます。

 宝塚(症例1)と京都(症例4)の子には比較的重い基礎疾患があり、それが影響していたことは確かだろうと思いますが、そこに接種が何らかの影響を及ぼして引き金(トリガー)になったということも当然考えられます。その両者のウェイトがどれくらいということは、数値的に表すことは不可能ですが、接種前の一般状態、基礎疾患の経過や程度などによって判断は異なってきます。

 基礎疾患のある子に対する予防接種は、接種すべきでないということではなく、むしろ感染すると悪化しやすいことが多いため、主治医の判断により、状態の安定している時期に主治医の元で注意深く行われるのが普通です。この2症例もそうだったものと推測されますが、不幸にして死亡という転帰を迎えたことについて、それを健康な子への接種にまで一般化して解釈することは難しいものと思われます。

 突然死の2症例については剖検やその他の検査結果が、基礎疾患のある2症例については主治医による総合的な判断が必要になってくるものと考えられますので、現時点での推測はここまでとしておきます。

 繰り返しになりますが、予防接種と副反応とされる事例との「因果関係を証明」することも、「因果関係を否定」することも一般には非常に困難であり、その間のグレーゾーンの中で、シロに近いグレーなのか、クロに近いグレーなのか、どの程度の濃さか判断できない場合なのかなどの判断がなされることになります。

 もし「シロ」であることが証明できないと再開できないとしたら、全ての予防接種ができなくなってしまいます。予防接種についてはあらゆる国で行われているように、リスクとベネフィットを勘案して、適切に判断がなされることを望みます。

 亡くなったお子さんの親御さんにとっては、確率という数字上の問題ではなく、ご自分のお子さんが亡くなったという100%の問題であり、予防接種によって亡くなったという受け止め方をするのは当然のことと思います。それに対して真摯に受け止めてできる限りの原因究明や救済措置がなされるべきと思います。

 ただし、今回のケースについて接種見合わせが続くにせよ再開されるにせよ、他のワクチンを含めて、今後も同じようなケースがゼロになるわけではないことも知っておく必要があるでしょう。

接種後24時間(48時間)まで 副反応の注意期間

2011年03月07日 | 予防接種
肺炎球菌、ヒブワクチン一時見合わせについて、接種済みの方でご心配の方がいらっしゃるようですが、不活性化ワクチンの場合、発熱などの反応がある可能性は接種後24時間、長く見ても48時間であり、すでに3月4日までに接種された方はその時期は過ぎております。アナフィラキシーなどの直接の重篤な反応は、接種当日(それも30分以内など)早くに現れるものです。

なお、国の検討会は明日(8日)開催されてそこで今後についても議論になりますが、発表になっている情報の範囲内でのコメントを再度別の記事に書いておきます。

一つ前に書いた、
「Q&A 肺炎球菌・ヒブワクチン一時的見合わせ」
もご覧下さい。

Q&A 肺炎球菌・ヒブワクチン一時的見合わせ

2011年03月05日 | 予防接種
小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチン接種の一時的見合わせについてのQ&A(PDF:116KB)
http://www.mhlw.go.jp/stf/kinkyu/2r98520000013zrz-att/2r9852000001402a.pdf

小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチン接種の一時的見合わせについてのQ&A

平成23年3月5日

健康局結核感染症課
医薬食品局安全対策課

問1 なぜ、小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの接種を一時的に見合わせたのですか。

 3月2日から4日までの間に、報告医によれば因果関係は評価不能又は不明とされていますが、小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチンを含むワクチン同時接種後の死亡例が4例報告されたため、至急調査をしているところです。
 情報を収集し専門家による因果関係の評価を実施するまでの間、念のため接種を一時的に見合わせることとしたものです。
 なお専門家による会議は3月8日に開催させていただく予定です。

問2 最近、子どもが小児用肺炎球菌ワクチン又はヒブワクチンを接種したのですが、大丈夫でしょうか。どのようなことに気をつければよいでしょうか。

 我が国でも発売以来それぞれ100万人から150万人程度の子供に接種されたと推定されており、特に著しい問題は生じていないことが先日行われた調査会で確認されております。また、今回の報告については、接種当日(3例)または3日後(1例)に生じており、接種数日を経ている方についてはご心配ないものと考えられます。またこれらの亡くなられた子どもさんの状況についての予防接種との関係については、現在至急調査を行っているところです。
 接種直後から数日以内に、高熱、ぐったりしているなど、普段と異なる症状が見られる場合には医師に相談してください。

問3 小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンを同時接種する場合ではなく、いずれか一方を接種することも見合わせているのでしょうか。

 ワクチンとの関連を評価するまでの間は、念のため、単独での接種も見合わせることといたしました。

問4 DPT(ジフテリア、百日せき、破傷風)3種混合ワクチンの接種は見合わせていないのですか。

 DPTワクチンは従来から定期接種ワクチンとして広く使用されているワクチンであり、これまでの我が国での接種の実績からみて接種を見合わせることとはしていません。
 一方、小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンは我が国での発売以降の期間がそれぞれ1年又は2年程度と短く、また、昨年11月から開始した接種事業により接種者数がそれ以前に比べ増加している状況にあるため、評価を行うまで念のため一時見合わせることとしました。

問5 接種の見合わせはいつまで続きますか。

 因果関係の評価を行う専門家の会議を3月8日に予定しており、少なくともそれまでの間は接種の見合わせをお願いいたします。その後の対応は、検討結果を踏まえて速やかに決めたうえ、改めてご案内いたします。

問6 来月、次回の接種を予定していますが、接種できますか。

 3月8日に開催する予定の、専門家の会議の結果を速やかに公表する予定ですので、その結果をご参考にしてください。