熊本熊的日常

日常生活についての雑記

本来の姿

2010年02月16日 | Weblog
シチューを作った。ロンドンで一人暮らしを始めて以来、シチュー鍋ひとつで煮物も炒め物も料理している。フライパンがないので、パンケーキとかチヂミとか薄手の焼き物はできない。手持ちのシチュー鍋を使ってできる範囲でしか料理をしなくても、特に不自由はないのでそのままにしている。ところが、これまでシチュー鍋でシチューを作ったことがなかったのである。特に理由はないのだが、なんとなくそういうことになった。

12月に生協の宅配の勧誘があり、利用してみることにした。新規加入特典として、いくつか無料でいただいたものがある。そのなかにシチューのルーもあったので、それを利用してみたのである。自画自賛になるが、たいへんおいしくできた。

シチューというと自分のなかでは何故か映画「誰が為に鐘は鳴る」なのである。戦場での食事のシーンで、なにやら野菜や肉を煮込んだものを食べているところが妙に印象に残っていて、その煮込み料理が自分のなかではシチューと決め付けられている。シチューを食べているとき、自分はゲーリー・クーパーなのである。

もちろん、映画のなかでその料理が登場するのは戦場なのでシチュー鍋は使われていない。記憶が定かではないが、たぶんコッヘルのようなもので調理しているのだろう。シチュー鍋でシチューを作る、というのは当然のことなのだが、その当然のことができるようになったことが、なんとはなしに生活がきちんと回転し始めたことの象徴のように感じられて、妙に嬉しい。

生協の宅配を利用するようになってから、スーパーでの買い物がほぼ無くなった。宅配は週一回だが、昼間外出していて自炊をしない日もあるので、一回の配達分だけで一週間の食材がほぼ賄える。値段は特別安いわけではないし、小売店に並んでいるものと違って、大きさや形がばらばらのものがひとつのパッケージにまとめられていたりするのだが、味がしっかりしている。おかげで調味料の使用量が激減した。買い物を楽しいと感じることはあまりないのだが、届いた宅配の箱を開けるときは不思議と心が踊ったりする。