熊本熊的日常

日常生活についての雑記

連休明け

2010年05月06日 | Weblog
10時半開始の出光美術館の列品解説を聴きに行く。開催中の「茶 喫茶のたのしみ」は喫茶をテーマにした展示。抹茶関係の展示は常にどこかしかで行われているが、喫茶は珍しい。出光では12年ぶりだそうだ。連休明けの平日の午前ということだと、それなりに気力がないとこうした娯楽の場に出かけることはできないものである。気の所為かもしれないが、普段よりも参加者の平均年齢が低いようだ。解説はいつものことながら、わかりやすくて楽しい。道具は使ってなんぼのものだが、美術館に陳列されているものを使うわけにはいかない。そこで今回は展示品の写真をCG加工して使っている様子を想像したパネルが数点だけだが用意されていた。これは面白い試みだと思う。解説自体は30分程度だが、その後、解説を思い出しながら館内を徘徊していたら12時40分になっていた。

出光に来たので、昼食は久しぶりに伊勢廣でやきとり重を食べようと思った。まだ13時前だったので店の前には順番待ちの人が何人かいる。並んでものを食べるというのは嫌いなので、先に交通違反の罰金を払いに銀行へ行くことにする。最寄の銀行に入り、用紙に必要なことを記入して、はたと現金の持ち合わせがないことに気がついた。仕方が無いので、伊勢廣に戻ると10分前の様子が嘘のように空いていた。

酒を飲まないので焼き鳥を食べる機会というのはそれほど無いのだが、ここの焼き鳥は美味しいと思う。昔、就職して最初の3年ほどは職場が丸の内3丁目にあったので、このあたりは昼食エリア内であった。尤も、当時は給料が少ないのでそうそう外食をする余裕は無くて現物支給の食券を使って社員食堂で食べていたが、毎食社員食堂だと月5,000円相当の食券が足りなくなるので週に1回程度は外食という調子だった。ちなみに、当時は週休2日ではなく、土曜も半日だけだが勤務があったので外食の割合は週1回超である。当時と今とでは丸の内界隈の様子は大きく変化したが、伊勢廣のように当時と変わらぬ姿で営業している店もある。こういう場所を訪れるとなんとなくほっとするものである。

腹ごしらえの後、コンビニに寄って現金を用意して、東京三菱UFJ本店に行く。番号札を引こうとしたら待ち人数がゼロだったので、先に用紙の記入を済ませてから番号を引く。すぐに呼ばれて窓口へ。払い込み票を見れば、それが罰金であることは一目瞭然なのだが、なんとなく黙っていられなくて
「交通違反の罰金です」
などと余計なことを口にする。すると窓口の行員が
「それは残念でしたね」
と返してきた。それが嫌味でもなんでもなく、自然な感じで良かった。本店というところは支店とは行員の質が違うような気がする。
「まぁ、しかたないです」
「でも悔しいですよね」
「いや、そうでもないですよ」
「そうですか」
「まぁ、事故じゃなくてよかったです」
「それはそうですね」
文字にすると伝わらないのだが、気持ちのよい遣り取りだった。なんとはなしに晴れ晴れとした心持で銀行を後にした。

まだ14時前だったので、その気になれば竹橋の近代美術館か八重洲のブリヂストンへ足を伸ばすこともできたのだが、職場のあるビルのラウンジで始業までゆっくりと過ごすことにした。