熊本熊的日常

日常生活についての雑記

夏の味覚

2010年06月30日 | Weblog
前夜に激しい雷雨に見舞われ、製作中の赤松集成材によるレターケースは、またもや引き出しが開かなくなってしまった。なんとか引き出しを取り出して、今日も鉋がけに終始する。来週こそ完成、というところまで再び進捗。次に作るものがまだ具体的にイメージできていないこともあり、完成が伸び伸びになっていても不思議とこれといった感情が湧かない。木を相手にしているのだから湿度の影響を受けるのは当然だ、という諦観のようなものがあるのも確かである。また、完成して持ち帰った後で不具合が出るよりは完成前に不具合が出尽くしてくれたほうが、使用する上では都合が良いという現実的な事情もある。

次回への期待を胸に帰宅すると、生協から宅配食材が届いている。そのなかから玉蜀黍を蒸してみることにした。皮を剥き、髭を取り去り、沸騰した蒸し器で7-8分ほど蒸すと、肌の黄色が濃くなり、ひとつひとつの粒がはちきれんばかりに膨らむ。私は蒸すという調理法が好きだ。茹でると旨味が湯のなかに逃げるような気がするし、蒸したほうが甘味が増すように感じるのである。枝豆も空豆も私は蒸して食べる。蒸したての玉蜀黍を食べるのに、ビールを開ける。但し、ビールはノンアルコール。私は飲めないわけではないが、特に酒が好きというわけでもなく、酒に回す腹があるなら、それは料理に振り向けたいと考えるほうなので、自ら酒を買うこともない。このノンアルコール・ビールも頂き物だ。私が酒を飲まないのを知らないわけではないとは思うのだが、先日の父の日に子供が雑貨を見繕ってプレゼントしてくれた。そのなかに陶器のビアマグがあって、今日はそれを使った。冷えたビールにあつあつの玉蜀黍。窓を開け放った部屋。口の中で弾ける玉蜀黍の粒を感じながら、夏もいいなと思う。

夜、職場で携帯電話が鳴る。生協からだ。何事かと思いきや、鰻の蒲焼のセールスだった。そういう季節なのでそれなりの需要があると踏んで商品を準備したものの、単価が高めということもあって在庫を抱えてしまったのだろう。生協からこのような電話が入るのは、宅配会員になって以来、この半年で初めてのことでもあり、そうした担当者の困惑が透けて見えるようでもあったので、1パック2尾入りだけ付き合うことにした。

生協の商品は単価はやや高めに見えるのだが、品質を考えれば納得のいくものだと思って今のところは会員を続けている。産地直送というのも、今の時勢では安心感があり、なかには商品に貼ってあるシールのコード番号をネットで検索するとその生産者の紹介が出てくるというようなものまである。作り手の姿を感じることができるというのは好きだ。ちなみに今日の玉蜀黍は茨城産で、営業協力の鰻蒲焼は加工食品だが使われている鰻は鹿児島県大隈の養殖物だそうだ。

来週はレターケースが完成して、鰻が来る。夏は楽しい。