熊本熊的日常

日常生活についての雑記

伝えること 伝わること

2012年08月11日 | Weblog

谷中の絵馬堂を訪れる。店先に大きな日章旗が出ていて何事かと思ったら、女将さんがロンドンオリンピックを観に行ってきたのだそうだ。日章旗には常連客などから日本人選手への応援メッセージが寄せ書きにされており、それを持って行って来たとのこと。女将さんは直前に大病をされのだが、病み上がりの不安定な健康状況をおして、かねてから予約してあった今回の旅行にでかけてきたのだそうだ。それくらい楽しみにしていたということだ。ロンドンで撮影してきた写真を拝見しながら、現地の模様、殊に開会式の様子を仔細にうかがった。開会式は終ったのが現地時間で午前1時。その後、観客が街へ溢れ出し、パブなどに流れ込んで、あちこちで盛り上がって、あちこちで「ヘイ・ジュード」の合唱が起こり、そんな中を歩いたり地下鉄に乗ったりして宿にたどりついたのが午前4時。おかげで、翌日の女子サッカー対スウェーデン戦を観戦するために乗車することになっていた午前8時発の特急に乗り損なったとのこと。もう帰国されて1週間以上経過しているのだが、興奮さめやらぬといった様子で、聴いているだけでもその興奮とか楽しさが伝わってくるようだった。人に何事かを伝えようとするとき、一番大事なことは伝えたい何事かがあるということなのだということを改めて感じた。そして、自分が心底楽しいと思えば、その楽しさは言葉を超えて伝わるものなのだということも思った。そんなことは当然ではないかと思われるかもしれないが、果たしてそうなのだろうか。「心底」の抜け落ちたメッセージが氾濫しているような気がする。それは自分の言葉についても言えることだ。美味しい料理と心地よい雰囲気も良かったが、今夜は女将さんのお話をうかがって、そういう勉強もさせていただいたと思っている。ありがたいことだ。