これから本格的にプラモデル作りを始めようと考えていらっしゃる方のためのお話の第8弾です。
「素組み」を前提とした基本編は今回が最終回になります。
最終回は迷彩塗装などの塗り分け部分の「ボカシ」についてです。
今回も私のメインである大戦中のエア物を想定して、お話を進めさせていただきます。
第二次大戦のドイツ空軍の上面のように直線でボカシの無い迷彩の場合はマスキングテープで区切っていけば良いだけですが、その他の殆どの迷彩や上下色の塗り分けは「ボカシ」が入っています。
この「ボカシ」には2種類あって、
ひとつは吹付け塗装によるボカシ。(殆どがこれです)
もうひとつは刷毛塗りによるボカシ。(大戦後半の日本機など、一部では前戦基地で整備兵やパイロット自身が現地の状況に適した迷彩を刷毛で塗った例があります)
これらの「ボカシ」をプラモデルの塗装で表現する方法についてです。
1.吹付によるボカシ
これは実物同様、エアブラシを使ったボカシですが、やり方は色々とあって、人それぞれのようですが、大きく分けると以下の方法になるようです。
・エアブラシのフリーハンドで迷彩を描く ・・・ これは相当エアブラシを熟練していないと無理で、私は未経験です。(いずれ挑戦しようとは思っていますが)
・型紙を少し浮かせて貼ってマスキングする方法。
・マスキングテープの端を少しめくりあげる方法。
・練り消しゴムを使用する方法
2、3番目の方法も経験済ですが、いろいろと欠点があって、「イマイチ」でしたが、4番目の方法は私には合っていて、今ではもっぱらこの方法です。
使用するのは練り消しゴムではなく、商品名「ブルタック」というものです。
私はホビーショップガネットさんのネット通販で手に入れました。
これは何度でも使いまわしができるので、400円ほどで十分な量が手に入ります。(多分、永遠に追加購入は不要と思います)
ご覧の通り、粘着性のあるゴム粘土という感じです。
これを、手のひら、指、空き瓶などの適当なもので転がしながら、適当な太さに伸ばしていきます。
この時の太さによって、ボケ足の長さがある程度決まります。 細くすればボケ足は短く、太くすればボケ足は長くなるというわけです。
このミミズのようなものを、迷彩や塗り分けのライン(予め鉛筆などで薄く下書きしておく)に沿って キットにくっつけていきます。
下の写真は1/48のP-40の迷彩の例です。
迷彩の1色目のタンを吹いた後、ブルタックを迷彩のラインに沿ってくっつけて、1色目のタンを残す部分をマスキングテープで覆います。
この時にブルタックをキット表面に押し付ける力加減によっても「ボケ足」の長さを自由に調節できます。
また、どんな局面にもピッタリと貼っていける点もこの製品の良さです。
下の写真が上の写真の続きで、ダークアースを吹いた状態です。
マスキングを剥がすとこんな感じです。
結構細かい曲線まで表現できますが、ドイツやイタリア、日本軍のインクスポットやウロコのような細かい迷彩には無理です。
こういう迷彩は、型紙を使うか、エアブラシの練習を重ねた上で、エアブラシフリーハンドで描くかのどちらかです。
2.筆塗りによるボカシ
これは私はあまり上手くなくて、お恥ずかしい限りですが、
やり方はドライブラシ用の切り詰めた筆に塗料を付けて、ティッシュなどで少し枯れさせてから、キット表面を叩くように塗って縁をボカシていきます。
これは日本機やドイツ機の迷彩にも使える方法だと思います。 かなり細かい迷彩でも大丈夫です。 上手くやれば、いかにも前線基地で刷毛塗りしたような荒々しさが表現できます。
下の写真は1/72のB-17の迷彩塗装の例です。 こういう迷彩をイチイチマスキングする根気がなかったので、筆塗りにしました。(実物は多分前線基地での吹付だと思います)