自己満足日記

クラキンのささやかな道楽三昧  2009年3月14日開設

塗装によるマーキングの勧め

2012年01月13日 00時13分47秒 | プラモデルのお話

本格的にプラモデル作りを始めて、そろそろ「素組み」から一歩踏み出そうとお考えの方のためのお話の第2弾です。

第8弾に続いて、今回も「素組み」から一歩進んで、「デカールに頼らない、塗装によるマーキングの勧め」についてのお話です。

ご存じの通り、今ではカッティングシート等の使用が普及して、車や電車、飛行機のマーキングも「塗装」以外のものが増えていますが、昔(両大戦の頃)は全て塗装だったわけです。

それも「工場での吹付塗装(基本塗装やシリアルナンバーなど)」、「前線での吹付塗装(部隊マーク、インベイジョンストライプなど)」、「前線での素人による刷毛・筆塗り(ノーズアート、出撃・撃墜マークなど)」など様々なケースがあります。

プラモデルでもこの辺りの表現が上手くできればリアル度も増すはずですが、デカールではなかなか表現できません(綺麗すぎる)。

また、デカールは所詮平面上のフィルムを「貼る」わけですから、マークソフターなどを駆使しても複雑な局面には綺麗に馴染みません。

そこでお勧めしたいのが「できるだけデカールに頼らずに、塗装でマーキングを表現する」ということです。

細かいシリアルナンバーや注意書きのステンシル、ノーズアート(絵)までを塗装される技をお持ちの諸兄もおられますが、私にはそこまでの腕はないので、「国籍マーク」、「部隊コード」などの大所に限ったお話をさせていただきます。 これなら多分、どなたでもできると思います。

実際にやってみられるとお判りになると思いますが、デカールには無い良さがあります。

手順は基本塗装→デカールのコピーを型紙にしたマスキングテープの切り出し→マスキング→吹付けか筆塗りによる塗装・・・の繰り返しです。

既にキットの基本塗装が完了している状態から説明を始めます。

1.デカールのコピー取り

キット付属のデカールを型紙として使用するため、デカールを等倍でコピーします。

普通のコピー機かPCプリンターのコピー機能でOKです。

型紙として使うだけなのでモノクロコピーで十分です。 ちょっと多目に取っておいて下さい。

2.塗装の手順を決める

マーキングの色や形によってマスキングと塗装の手順を決めます。 基本的は薄い色から濃い色の順です。

この時にどういう形のマスキングテープを、どういう順番で切り出せばよいかということも自然に決まってきます。

3.色の調合

マーキングの色というのは市販されていませんから、デカールの色や実物のカラー写真などを参考にして自分で調合して作ります。  何度も調合するのは面倒なので、一度にある程度の量を作っておき、瓶に入れてラベルを貼って保管しておきます。

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4.マスキングテープのカット

40~50mm幅のマスキングテープを3mm厚くらいのアクリル板(カッティングシートでは柔らかすぎて切り辛い)に貼ります。

その上にデカールのコピーをマスキングテープで張り付けて、マスキングテープを切り出します。 直線は定規を当てて切り出します。 円はコンパスカッターを使って切り出します。

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下の写真は、ウメモトデザインというメーカーの「パンチコンパス」という製品で、直径1.5mm~10cmまでの円が切り出せる優れものです。画材店などで600円ほどで売っています。

国籍マークの丸は全部これで切り出しています。

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ここで重要なことは、カッターの刃をケチらないことです。 切れ味鋭い新しい刃で、スパっと切ってください。

5.マスキングテープの貼り付け

切り出したマスキングテープを基本塗装が終わったキットに貼り付けます。

インストの塗装図や実物の写真などをよく見て、慎重に位置決めをしながら貼り付けてください。

貼り付けたら、モールドに沿って爪楊枝の先でマスキングテープをしっかりと馴染ませて、キットとの間に隙間ができないようにします。

6.マーキング色を塗る

ここが「表現上」重要なところです。

どういう表現(仕上り)にしたいかによって、塗り方が変わってきます。

整備兵が刷毛でペンキを塗ったような感じを出したい場合には、実際に筆塗りします。

前線基地で吹付け塗装したような表現にしたい場合は、下地にシャドウを吹いてから、そのシャドウが透けるくらいに薄目に、しかも若干のムラを意識的に作りながらエアブラシで塗装します。

エアブラシはニードルを絞り、エア量も下げた状態で、様子を見ながら丁寧に吹きます。

これを繰り返しながら、マーキングを完成させていきます。

下の写真は1/72のB-17の主翼の国籍マークと胴体の部隊マーク(コードレター)の塗装例です。

国籍マークは、シャドウの透けと、ややムラを残しています。

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また、基本塗装をする前にマーキングを塗る方法もあります。 この方法のメリットは下地のシャドウを何度も吹く手間が省けるという点です。 欠点は実物の塗装の順番と違うということですが、どの方法を採るかは好み、目指す表現、やり易さで決めればよいと思います。

下の写真は1/48のハリケーンです。 先に国籍マークやストライプを塗装し、その後でマーキング部分を全てマスキングし、基本塗装を行っています。

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下のC-47の例も同様の手順です。 インベイジョンストライプが絡むので手順がやや複雑です。

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下の写真はP-40の国籍マークの例ですが、こういうのはデカールでは表現できません。

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また、機首のシャークマウスもデカールでは上手くなじみませんが、塗装なら綺麗に塗れます。

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この「塗装によるマーキング」は一度味を憶えてしまうと、なかなかデカールに戻る気が起らないほど良いものです。

欠点は、とにかく「面倒」なことですが、一度試されてみてはいかかでしょうか?

コメント (6)
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