万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

迫りくる日本国の自力防衛

2008年07月30日 16時13分44秒 | 日本政治
「竹島問題、日韓どちらも支持せず」米国務省(朝日新聞) - goo ニュース
 国務省の報道室長の発言ともなれば、アメリカ政府の公式見解と考えられますので、おそらく、竹島問題が拗れて日韓の軍事的な衝突に至った場合、日米同盟が発動されることはないでしょう(米韓同盟もありますので・・・)。そこで、日本国政府は、自国が自力で守るべき範囲について、内々であっても、アメリカとの合意を形成しなくてはならないと思うのです。

 特に、問題となるのは、尖閣諸島です。日本国政府としては、中国や台湾との間には領土問題はないとする立場をとっていますが、相手国が自国の国内法によって領土として併合している以上、いつ何時、”自衛”を理由に、軍隊が侵攻してくるとも限りません。この時、日米同盟が発動するか、しないかによって、日本国の防衛戦略は大きく変わってきます。曖昧な状態にしておきますと、いざという時には即時に対応できず、混乱のうちに相手国軍隊の占領を許すとう展開も予測されます。

 もちろん、竹島と同様に尖閣諸島についても、アメリカ政府が公式に中立的な立場を表明した場合には、日本国政府は、これを不干渉宣言と捉えて、自力防衛の方針で備えるべきと言えましょう。来年度の予算編成では、防衛費の削減が盛り込まれているようですが、今後の安全保障体制の不安定化にも、十分に配慮すべきではないか、と思うのです。

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