万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

逆恨みは社会の病理

2008年07月16日 16時32分16秒 | 社会
新生銀サーバーに不正アクセス=「採用されず腹立った」-元派遣インド人を逮捕(時事通信) - goo ニュース
 正当な理由で断られたり、窘められたりしたことを根に持って、相手に危害を加える行為は、”逆恨み”と呼ばれています。最近のニュースには、この”逆恨みパターン”が急増しているように思うのです。

 本日も、企業に採用を断られたことに腹を立てて不正アクセスを働いた外国人のニュースが報じられていますが、理不尽な要求をしておきながら、それが受け入れられないと暴力で脅すモンスター・ペアレントや顧客の迷惑行為などもその事例と言えそうです。さらに、個人レベルにとどまらず、国家レベルでも、教科書の解説書への竹島問題の掲載に対して、過激な手段で威圧する韓国の態度も、”逆恨み”として捉えることができます。

 現実の社会は、自分を中心に回っているわけではありませんし、自分の希望通りにゆかないことはたくさんあります。法律には従わなくてはなりませんし、相手の選ぶ自由も尊重しなくてはなりません。気に入らないことに対して、いちいち暴力や破壊で応えるとなりますと、社会は当然立ち行かなくなります。

 そこで、社会を健全に保つためには、まずは、自己を律する訓練が必要、ということなります。誰でも、断られたり、叱られたりすることは、気持のよいものではありません。それでも、相手の言い分や叱った理由に正当性があれば、それを、受け入れる度量がいるのです。そうして、もう一方の断ったり、窘めたりする側も、相手が納得するように、自らの判断や行為が正当であることを示す誠実な態度が必要となりましょう。

 日本国のみならず、どうやら”逆恨み”は、世界大の現象となっているようです。その背景には、社会を支える仕組みや相手の立場を慮ることを忘れた、精神の貧困があるのかもしれません。”逆恨み”をなくすには、心を鍛えることから始めなくては、と思う今日この頃なのです。

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