万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

支援だけでは解決しない食糧問題

2008年07月04日 14時03分41秒 | 国際政治
暮らしとエコロジーを考える“ゴミ捨て人生”にさようなら 10年後にエネルギー経済は一変する エコロジスト、レスター・ブラウン氏に聞く(日経ビジネスオンライン) - goo ニュース

 穀物価格が異常な値上がりを見せている中、日本国政府の途上国に対する食糧支援の表明を含めて、各国とも、補助金の給付といった財政的な手段で解決を図ろうとしているようです。しかしながら、長期的な観点から見ますと、こうした支援政策には、限界があるように思うのです。

 原因はともかくとして、地球温暖化や気候変動が農地や収穫量を減少させているとしますと、まずは、農地の保全と増産を目指すことが重要となります。EUは、既に減反政策の転換を表明していますが、日本国も、減反路線を見直し、国内の利用できる農地は最大限に活かすべきと言えましょう。また、品種改良や土壌改良に繋がる技術開発も増産のための重要な仕事となります。

 第2に、途上国に対しても、自給率を高めるように、農業技術を伝授したり、先端的な知識の普及に努めることも肝要です。少なくとも主食の自給率が高ければ、食糧不足の問題は解消されるはずです。

 第3に、言い尽くされた観はありますが、穀物市場や原油市場(肥料の高騰の原因・・・)における投機を規制することも必要となりそうです。金融市場のルールとしての規制が困難であるならば、課税を強化することも考えられます。

 第4に、言いだしにくいことなのですが、人口の増加を抑えるということも、食糧問題の解決手段となります。安い価格で大量に穀物を入手できた時代が去りつつある中で、人類が生き残るためには、人口爆発の問題も真剣に考える必要があります。

 以上に述べてきましたように、人類の生活環境を良好に保ち、かつ、食糧問題を解決するためには、人類は、無駄を省くことも含めて、まだまだ努力を続けていかなくてはならないのかもしれません。

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コメント (4)
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