万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

政府への過剰な期待は禁物?

2009年02月18日 13時36分26秒 | 日本経済
政策実行力に懸念 ジャパン・パッシング再び?(産経新聞) - goo ニュース
 世界的な景気の冷え込みを受けて、各国とも、リーダーシップに富んだ政治家が大胆な景気対策を実施すれば、景気回復は、いとも簡単に実現すると期待しているようです。この期待からしますと、日本国の政策実行力は、海外諸国からは疑念を持たれることになりましょう。

 しかしながら、戦後の日本国は、”経済は一流、政治は三流”と悪口を言われてきましたように、政治が率先して経済を引っ張ってゆく、という状況ではありませんでした。もちろん、かつての通産省がこの牽引役を務めたという説もありますが、政治は、ある意味で何もしなくても、経済は順調に成長できたのです。日本国経済の発展は、民間の企業が勤勉に働き、商機をつかみ、技術開発にも努力を注ぎ続けてきた結果であったとも言えます。民間の戦略性と先見の明こそが、日本国が経済大国たりえた要因であったのかもしれません。

 翻って現在の状況を見てみますと、景気対策の大合唱が聞こえ、民間の政府への依存性が高まっているようにも見受けられます。しかしながら、経済とは、民間の活動に基づくのですから、民間が力量を失っては、景気は回復しようもありません。政府の基本的な役割とは、民間が力を発揮し、自力で回復軌道に乗れるように、手助けをすることではないか、と思うのです。政府への過剰な期待は禁物なのかもしれません。

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コメント (13)
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