万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ノーベル平和賞―”該当者なし”の年があっても

2009年02月28日 16時05分16秒 | 国際政治
ノーベル平和賞候補、過去最多に 205個人・団体(共同通信) - goo ニュース
 今年のノーベル平和賞には、過去最多の候補者の名が挙がっていると言います。この数の増加は、どうやら平和に貢献している人の数が、今年は大幅に増えたということではなく、皆がが一致して、この人こそ受賞に相応しい!と思える人がいないことの現われのようなのです。

 もし、相応しい人がいないならば、無理をしてまで受賞者を決めることはないのではないかと思うのです。特にノーベル平和賞は、これまで政治的な力学や思惑が働くとする指摘を受けてきており、他の理科学系の分野よりも業績の評価が難しいとも言われています。にもかかわらず、誰もが知らない人(もちろん知名度だけが全てではありませんが・・・)や顕著な業績がない人が受賞するとなりますと、ノーベル賞の価値を低下させてしまうかもしれません。いわば、ノーベル賞のインフレが起きてしまうかもしれないのです。

 ノーベル賞がノーベル賞としての価値を維持するためには、”該当者なし”の年があってもよいように思うのです。真に平和賞に相応しい人が現れた時にだけ受賞することにすれば、ノーベル賞は、その輝きを保つことができるのではないでしょうか。

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