万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日増しに強まる”ジャパン・リスク”?

2009年02月16日 15時36分04秒 | 国際経済
GDP大幅落ち込み、政府が追加経済対策の検討本格化へ(読売新聞) - goo ニュース
 先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では、各国が協調して、内需拡大や雇用創出のための財政出動を行うことが合意されたと言います。しかしながら、先進国の中で、飛びぬけて高い財政赤字を抱える日本国は、これ以上の財政拡大を行う余裕があるのでしょうか。

 日本国政府は、20兆円から30兆円の追加経済対策も検討に入ったと伝えられています。もし、この費用を国債発行で調達しようとしますと、民間の資金不足を招くことは大いに予測できます。政府は、無利子国債の発行を目論んでいるようですが、それでもこの額は、国家予算のおよそ半分に当たりますので、国民のタンス預金を全て吐き出してもらっても調達はかなり困難となりそうです。もし、金融機関が、国債への応札を優先させた結果、民間企業の資金繰りが悪化し、さらに失業者が増えることいなれば、まさに、”イタチごっこ”の負のスパイラルに陥ることになりましょう。

 国際協調は大切なことですが、財政の悪化により日本経済が崩壊しますと、世界経済に与える打撃はさらに深刻なものとなりましょう。EU諸国はユーロを守るための財政規律がありますので、無制限な財政拡大はできず、また、アメリカも財政健全性については触れているようです。日本国のみ無制限な財政拡大を続けるとなりますと、”ジャパン・リスク”の上昇は避けられなくなると思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする