万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ブログ中傷摘発は正義感をも切る両刃の剣か

2009年02月06日 14時42分10秒 | 社会
ブログ中傷 18人立件へ 名誉棄損、芸人に「人殺し」(産経新聞) - goo ニュース
 昨日、ブログ中傷を行ったとして、18人が名誉棄損で書類送検されるというニュースが報じられていました。テレビ報道によれば、摘発された人は、犯罪に対する”正義感から書き込んだ”と述べたそうです。中傷と正義感。ブログ炎上事件には、刑事上の摘発一辺倒ではなく、両者の微妙であり、かつ、危ういバランスを考慮した対策が望ましいとも思うのです。

 とくに犯罪が絡む場合には、被害者と加害者の双方に対して、慎重な見極めを要します。特に注意を要すべきと思われるのは、以下のような点です。

1.被害者側
(あ)犯罪行為の事実の有無
(う)被害者の社会的立場(公共性の有無)

2.加害者側
(あ)既に流布している噂の有無
(い)書き込みをした動機(正義感?信用失墜?)
(う)被害者と利害関係のある集団の関与
(え)殺害予告などの表現の程度
 
 正義感とは、社会悪を糺し、健全性を保つためには不可欠な人間の感情です。警察が、両刃の剣であることに気付かずに、一刀両断で摘発と言う方法を取りますと、正義感の方も一緒に切り捨ててしまうかもしれないと危惧するのです。

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