万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

インド洋給油活動終結―日米同盟は機能するのか

2010年01月15日 15時28分26秒 | 日本政治
海自艦に撤収命令、インド洋給油活動終結へ(読売新聞) - goo ニュース
 防衛政策や安全保障政策の領域では、前もって政策を決めておくことは困難なものです。いつ何時、何が起こるか分からず、常に状況の変化に合わせて臨機応変に対応しなければ、自国の安全を守ることができないからです。

 民主党政権は、迷走の果てに、結局、インド洋給油活動を終結することにしました。その一方で、アメリカの民主党オバマ政権はアフガニスタンへの増派を決断し、テロとの闘いに断固とした決意を見せています。さらに、米ノースウェスト航空機爆破未遂事件に端を発したイエメン情勢が緊迫化していることを考慮すれば、今後、インド洋を含めた地域での米軍の活動は活発化することさえ予測されるのです。北沢防衛相は、「需要が少なくなってきたことで、任務が終了しつつある気がする」と述べたと報じられていますが、実際には、その逆となるかもしれません。

 そもそも、国際情勢の変化に晒される防衛や安全保障政策について、マニフェストに記載することが適切であるのかは疑わしく、たとえ記載したとしても、修正が許される分野なのではないかと思うのです。杓子定規にマニフェストを絶対視しますと、日米同盟は、いざという時に、機能しなくなるのではないでしょうか。


 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする