万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

派遣村の人々の調査・分析が急務

2010年01月08日 13時08分07秒 | 社会
派遣村 所在不明200人 就活費2万円支給後、続出(産経新聞) - goo ニュース
 お正月を迎えるというのに、職もなく、帰る家もなく、また、食事にも事欠く人々に救いの手を差し伸べることは社会倫理にかなうことです。しかしながら、それがモラル・ハザードを招いているとしますと、支援活動が、反対に社会倫理の崩壊を助長していることになります。それでは、この問題、どのように対応したらよいのでしょうか。

 まず、行政が為すべき事とは、派遣村に集まってきた人々を対象に、聞き取り調査かアンケート調査を実施し、その実態を正確に把握すべきと思うのです。例えば、氏名、年齢、性別、職を失った経緯(派遣の解約?)、出身地、両親や親族の住所、技能や資格、今後の方針・・・といった項目が、質問の内容となります。こうした質問に対する回答を得ることで、行政側は、具体的な失業対策を立てることができますし、同時に、不正受給を防止することができます。また、データの分析結果を国民に公表することで、支援策への理解を得ることもできます。基礎データなくして、派遣村の問題を解決することは無理なのです。

 今日の事態は、行政側の杜撰な対応が生んだ、起こるべくして起こったモラル・ハザードと言えそうです。このままでは、元派遣社員とホームレスとの境界線も曖昧になり、給付金目当てで派遣村に集まる人も現れ、一種の”ばらまき”政策で終わってしまいます。税金の無駄遣いを削減するためにも、派遣村の人々の調査・分析を行うことで、将来の問題解決に繋げるべきと思うのです。

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コメント (6)
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