万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国の元安操作はアンフェア

2010年01月22日 15時30分39秒 | 国際経済
 2月5日から6日にかけて、カナダで開かれるG7では、貿易の不均衡問題が議論として提案される予定とのことです。言い換えますと、中国の元安政策が議論の俎上に上がるということなのですが、貿易不均衡の是正は、この問題の議論なくして解決不可能と思うのです。

 元高圧力に対して、中国政府は、自国が行っている対外通貨政策は、自国の経済成長にとって適切な措置であり、国際貿易上のアンフェアな行為ではないと主張しているようです。しかしながら、現状では、他の諸国は元の取引を自由に行うことができないわけですから、中国だけが、一方的に自国通貨の相場をコントロールできることになります。つまり、中国政府の元安政策に対抗して、他の諸国が、”元買い自国通貨売り”の元高政策を行うことはできないのです。やがて世界第二位の経済大国になろうとしてる国の通貨が、自国優先の立場から操作されていては、国際貿易の不均衡は深刻になるばかりです。

 公平な貿易条件を考慮すれば、中国政府だけが相場の決定権を持つ現在の状況は、やはり、アンフェアと言えるのではないでしょうか。中国は、自国が他国の政策手段を縛りながら、自国のみが”自由”を謳歌していることに気づいていないのです。

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コメント (2)
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