万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

世界一のチャンスを逃した民主党政権

2010年01月24日 15時51分49秒 | 日本政治
次世代スパコン、仕分け前に「世界一困難」評価(読売新聞) - goo ニュース
 予算の事業仕分け作業に先だって、文部科学省では、次世代スーパー・コンピューター世界一の目標を達成するためには、経費の追加を要すると指摘した内部評価報告書が存在していたそうです。この報告書は、裏を返せば、もし、予算を拡大していれば、世界一のスーパー・コンピューターの開発に成功する可能性があったこと意味しており、将来性を考慮した場合、民主党の判断が、果たして正しかったのか、疑問に思うところです。

 何事においても、”小出し”の作戦は失敗するものです。スーパー・コンピュータの予算は、結局、”一位を目指さない”という条件付きで縮小・維持されるようですが、これでは、開発予算が、正真正銘の無駄になる可能性もあります。先端技術の開発に各国が鎬を削っている状況にあっては、中途半端な技術では、国際競争力において優位な地位を獲得することはできないからです。もし、思いきった予算の拡大が実現していれば、将来において、新たな産業分野と雇用を生み出す原動力となったかもしれません。これでは、世界一になるチャンスをみすみす逃したようなものです。

 国は、将来性のあるプロジェクトに投資を惜しんではならないと思うのです。子ども手当といった”ばらまき”よりも、未来の世代に様々なチャンスを与えるような事業への投資にこそ、予算を振り向けるべきなのではないでしょうか。

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コメント (7)
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