万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国はマルクス・レーニン主義の逆バージョンを行くのか

2010年12月13日 17時37分51秒 | 国際政治
夢も足も奪った天安門 中国人民主活動家の方さん(朝日新聞) - goo ニュース
 何でも逆になってしまう中国。中国が信奉するマルクス・レーニン主義から中国の将来像を占うとしますと、やはり、逆の結果が予測されるのです。

 マルクス・レーニン主義では、独占資本主義から国家独占資本主義に移行し、さらに帝国主義からプロレタリアートによる”革命的祖国敗北”へと至る道が描かれているそうです。共産党が権力を独占し、かつ、国民を懐柔するために政府が財政拡大政策を実施している現在の中国は、さしずめ国家独占資本主義の如き状況ですので、次の段階は、積極的に海外に植民地を求める帝国主義の時代となりそうです。実際に、急速に軍備拡張を図り、権益の確保に乗り出している現在の中国は、理論の道筋の通りに”帝国主義”の方向性を示しています。そうして最後に、この理論では、祖国を敗戦に導き、その混乱に乗じて労働者が革命を起こし、共産主義政権を打ち立てることになるのですが、何でも逆になる中国では、ここでどんでん返しが起こりそうなのです。つまり、共産主義政権樹立ではなく、国民の要求の前に体制が崩壊し、民主主義政権が誕生するという…。

 マルクス・レーニン主義の逆バージョンを経ずして、平和裏に中国が民主化される日が来ることを願うばかりです。

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