万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

”第二のコソボ論”―中国が怖れるのは帝国分解

2010年12月04日 14時49分49秒 | アジア
中国発レポート!対北朝鮮外交の本音 水面下では高まる不信感 北崩壊による第2コソボ化を恐れる(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
 中国が、北朝鮮を執拗に擁護する理由として、吉林省の延辺朝鮮自治区を中心とした朝鮮人居住区における独立運動への警戒が指摘されています。

 中国が警戒するシナリオとは、第二次朝鮮戦争が勃発し、北朝鮮が体制崩壊した場合、大量の難民が中国の朝鮮自治区に押し寄せ、これを機に、”国連軍”の名の下で、米軍とともに韓国軍が朝鮮自治区に進駐し、自治独立を要求するようになるのではないか、というものです。この見解は、中国高官が、韓国のコントロール下における朝鮮半島の統一を容認していたとするウィキリークスの情報とは食い違っていますが、中国が最も怖れている事態とは、民族独立による”帝国分解”なのではないかと思うのです。チベット、ウイグル、女真、モンゴルなど、中国が支配下に置いている民族は、朝鮮族ばかりではありません。

 国際社会において、民族自決の原則が独立の根拠となるに至った今日にあって、中国が、20世紀のハプスブルク帝国の運命を辿ることは、充分にあり得ると思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。


にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする