ローマ法王の批判に注文=中国(時事通信) - goo ニュース
中世ヨーロッパでは、ローマ法皇と国王との間で、司教の任命権をめぐる激しい叙任権闘争が繰り広げられたことはよく知られています。先日、ローマ法王と中国との間で非難の応酬がありましたが、この事件は、アジア版”叙任権闘争”と言えそうです。
中国は、宗教を否定した共産主義を国是とする国家ではあるものの、国民の”信仰の自由”は、中華人民共和国憲法の第36条の冒頭で保障しています。中国側のローマ法王への反論は、こうした形式的な”自由”の保障に基づいているのでしょうが、この第36条には続きがあります。最後の段には、”宗教団体および宗教事務は、外国勢力の支配を受けない”という一文が置かれているのです。
両者の対立の発端は、中国政府が、1122年に成立したヴォルムスの協約を無視し、中国国内のカトリック教会の司教を独自に任命したことにあるとされており、この構図は、まさに叙任権闘争の再来です。人事権の掌握を通して外来の宗教までも”官製化”しようとする中国の宗教政策は、チベット仏教のパンチェン・ラマ11世と同様に、偽物と本物という”二人の司教”を生む危険性を孕んでいると思うのです。
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中世ヨーロッパでは、ローマ法皇と国王との間で、司教の任命権をめぐる激しい叙任権闘争が繰り広げられたことはよく知られています。先日、ローマ法王と中国との間で非難の応酬がありましたが、この事件は、アジア版”叙任権闘争”と言えそうです。
中国は、宗教を否定した共産主義を国是とする国家ではあるものの、国民の”信仰の自由”は、中華人民共和国憲法の第36条の冒頭で保障しています。中国側のローマ法王への反論は、こうした形式的な”自由”の保障に基づいているのでしょうが、この第36条には続きがあります。最後の段には、”宗教団体および宗教事務は、外国勢力の支配を受けない”という一文が置かれているのです。
両者の対立の発端は、中国政府が、1122年に成立したヴォルムスの協約を無視し、中国国内のカトリック教会の司教を独自に任命したことにあるとされており、この構図は、まさに叙任権闘争の再来です。人事権の掌握を通して外来の宗教までも”官製化”しようとする中国の宗教政策は、チベット仏教のパンチェン・ラマ11世と同様に、偽物と本物という”二人の司教”を生む危険性を孕んでいると思うのです。
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