近代以降、奴隷貿易は、非人道的な行為として国際法においても禁じられてきました。しかしながら、移民政策という視点から見ますと、理由付けは正反対であっても、昔も今もその本質は変わらないのではないかと思うのです。
大航海時代の幕開けと共に奴隷貿易が活発化した理由は、新大陸等において労働力が不足したからです。新たに海外に領土を取得した西欧列強は、植民地に大規模なプランテーションを建設すると、農作業に従事する労働者として、アフリカ大陸から大量の奴隷を輸入しました。一方、奴隷貿易や奴隷制が消滅した今日にあっても、労働力不足、あるいは、より安価な労働力の確保を目的とした”人の輸入”は続いています。今日では移民と呼ばれ、奴隷とは真逆に、移民は、移民する側の人権保護の一環とする論調が広がっています。昨晩も、NHKの時事番組で、”生活の糧を求めて新天地を目指す人々の手助けをしているだけ”と自己弁護する、北アフリカからヨーロッパへの密入国者を手助けする仲介業者の言い分に、出演者が理解を示していました(事業者の中には、密航者とのトラブルにより密航船を故意に沈没させる悪徳業者もいる…)。公共放送でありながら、違法行為を容認するコメントを報じることにも呆れますが、移民問題は、純粋に個人の自由や権利の保障として捉えるのは適切なのでしょうか(受け入れ国側で発生する問題は無視…)。奴隷貿易が今な癒しがたい傷跡を残しているように、今日あっても、移民の増加は、解決が困難な社会問題を引き起こします。国籍制度が整っている現代にあっては、国際問題、あるいは、政治問題化することさえあるのです。移民とは、国民統合、あるいは、社会統合の文脈で捉えるべき分野なのではないでしょうか。
日本国でも、労働力不足を根拠として大量の移民受け入れも已むなしとする見解も聞かれます。人道面が強調されながら、その実、奴隷貿易の時代と変わらず、永続性を持つ社会的な不安定要因であることを考えますと、移民政策を推進すべしとは、到底、言えないのではないかと思うのです。
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大航海時代の幕開けと共に奴隷貿易が活発化した理由は、新大陸等において労働力が不足したからです。新たに海外に領土を取得した西欧列強は、植民地に大規模なプランテーションを建設すると、農作業に従事する労働者として、アフリカ大陸から大量の奴隷を輸入しました。一方、奴隷貿易や奴隷制が消滅した今日にあっても、労働力不足、あるいは、より安価な労働力の確保を目的とした”人の輸入”は続いています。今日では移民と呼ばれ、奴隷とは真逆に、移民は、移民する側の人権保護の一環とする論調が広がっています。昨晩も、NHKの時事番組で、”生活の糧を求めて新天地を目指す人々の手助けをしているだけ”と自己弁護する、北アフリカからヨーロッパへの密入国者を手助けする仲介業者の言い分に、出演者が理解を示していました(事業者の中には、密航者とのトラブルにより密航船を故意に沈没させる悪徳業者もいる…)。公共放送でありながら、違法行為を容認するコメントを報じることにも呆れますが、移民問題は、純粋に個人の自由や権利の保障として捉えるのは適切なのでしょうか(受け入れ国側で発生する問題は無視…)。奴隷貿易が今な癒しがたい傷跡を残しているように、今日あっても、移民の増加は、解決が困難な社会問題を引き起こします。国籍制度が整っている現代にあっては、国際問題、あるいは、政治問題化することさえあるのです。移民とは、国民統合、あるいは、社会統合の文脈で捉えるべき分野なのではないでしょうか。
日本国でも、労働力不足を根拠として大量の移民受け入れも已むなしとする見解も聞かれます。人道面が強調されながら、その実、奴隷貿易の時代と変わらず、永続性を持つ社会的な不安定要因であることを考えますと、移民政策を推進すべしとは、到底、言えないのではないかと思うのです。
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