万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

台湾が示す親中政策は選挙大敗への道

2014年11月30日 15時40分31秒 | アジア
与党・国民党が大敗=台北市長は無所属新人―台湾地方選(時事通信) - goo ニュース
 昨日、台湾では、地方統一選挙が実施され、投開票の結果、野党の民進党が与党国民党を抑える得票を獲得したそうです。国民との敗因は、言わずもがな、その親中政策にあります。

 台湾では、国民党の馬政権が、中国との投資・サービスの自由化協定の締結を進めたことから学生の反対運動を引き起こしています。経済分野とはいえ、巨大化した中国資本に台湾経済が飲み込まれ、街角の商店にまで中国人事業者が進出してくるとする危機感が、台湾人をして中国接近に対する警戒感を強めたと言えます。今回の選挙結果は、台湾全域に広がった反中意識の延長にあり、独立心の現れに他なりません。統一地方選挙は、来年に予定されている総統選挙の前哨戦にも位置付けられておりますので、総裁選も、民進党有利で展開することでしょう。急激な経済成長を遂げ、軍事力を蓄えたことで周辺諸国に対して強圧的な態度を取るようになった中国への接近は、民主的選挙が実施されている諸国にあっては、票を減らすマイナス要因としてしか働かないのです。中国の属国となることを望む国民などいないのですから(もっとも、事大主義の朝鮮半島は別かも知れない…)。しかも、香港での民主派デモは、中国が描いている「一国二制度」の実像を明らかにしてしまいました。

 日本国でも、来月14日には衆議院選挙が予定されておりますが、台湾の選挙結果は、親中政策のマイナス効果を示しております。日本国の政党も、台湾の選挙結果に学ぶべきではないかと思うのです。

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コメント (2)
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