万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

自民党の親中傾斜は保守層の離反を招く

2014年11月16日 15時15分16秒 | アジア
中国が日中首脳会談を決断した3つの理由 自民党と中国共産党のパイプ復活が焦点(東洋経済オンライン) - goo ニュース
 東洋経済オンラインの記事によりますと、日中首脳会談が実現した背景には、日本国の自民党と中国の共産党との関係改善があるそうです。橋渡し役を務めたのは、福田元総理や連立与党である公明党の名が挙がっておりますが、自民党には、勝算はあるのでしょうか。

 当記事によれば、習主席の”二度目に会うときには友達になれる”という発言は、安倍首相に対する暗黙の”圧力”なそうです。つまり、日本国の首相が、今後、靖国神社に参拝せず、尖閣諸島でも譲歩すれば、次回の首脳会談では笑顔で歓待するということなのでしょう。しかしながら、日中首脳会談によって、日中両国民の相手国に対する感情が好転したわけでもなく(中国の世論調査では8割が日本国に対して否定的…)、中国船による尖閣諸島周辺での領海侵犯は続き、さらには、小笠原諸島沖では、再び中国のサンゴ密漁船が姿を見せたそうです。日中関係は、全く改善されていないのです。逆に、日中首脳会談における習主席のあまり尊大、かつ、大人げない態度に不快感を抱いた日本国民の方が多いはずです。香港の民主派デモの学生に対して門前払いしたとするニュースも伝わっており、一党独裁を是とする中国共産党と自民党との接近が、日本国民に評価されるとも思えません。日本国内における中国の影響力が強まるということは、親中派を除く一般の日本国民にとりましては、属国化が脳裏をよぎる忌まわしいことなのです。

 安倍首相は、帰国次第、18日にも解散総選挙を表明すると報じられておりますが、政権の盤石化となるかどうかは未知数です。少なくとも、自民党の親中派路線は、保守層の大量離反を招くのではないかと思うのです。

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コメント (2)
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