【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

暮らしの中にサスペンス

2014-12-12 19:13:37 | A・クリスティーの館


 












「でも、ヒオスシンという名なら、
勿論、聞いた事あるでしょう?
効き目はほとんど同じなんだけれど、
これは絶対に形跡が残らないのよ。
どんな医者だって
心臓麻痺の死亡診断書を書くはずよ。
私その薬を少し盗んで、そっと隠しておいたの」
(中略)
「私コーヒーを入れるのが上手なのよ」
(中略)
「「あのコーヒー ―― 畜生!
あのコーヒーは!」
彼女はじっと彼を凝視した。
「なぜ苦かったのか、これで分かったぞ、
畜生! 毒を盛りやがったな」     
                【A・クリスティー作 「うぐいす荘」】







   昨日の雨は上がりましたが、
  今日は一日中、雲が多めの天気になりました。

   太陽崇拝者? の私ですから、
  青空に越した事はありませんが、こんな天気の日もありますね。
  雨が降らないだけ良しとしましょう。












   さて、久し振りの
  「A・クリスティーの世界」。

   最近、あまり長編に
  気が乗らず、短編を
  つまみ食い状態に
  なっています。

   その中の、とりわけ
  面白かった物の中から
  「うぐいす荘」 を。

   ここでもつい先日記した
  通り、 『アンの世界』
  同様に、家に名前が
  付いていますね。
  良い事です。

   ところで肝心の物語の
  内容は? と言いますと。

   思いがけない遺産が
  入った主人公(アリクス)
  が長年の恋人(ディック)
  を捨て結婚した相手
  (ジェラルド)は、
  「青髭」 と恐れられている殺人鬼だった・・。

   迫る魔の手を何とかして逃れようとするアリクス。
  一分一秒を争う、必死の攻防が見事です。

   そうそう上記の会話は、そのほんの一部分。
  アリクスは実際に毒を入れた訳ではありません。
  ディックと警官が駆け付けるまでの、命がけの時間稼ぎ。

   恐怖と絶望にある時、アリクスのように
  考えられないような冷静さを発揮するかと思えば、
  はたまたジェラルドのように暗示にかかり・・。
  いかようにもなる事を思い知らされます。

   結局、ジェラルドはショック死したという訳です。
  “気” がいかに大切かという事が分かりますね。

秘めたる小説の力

2013-09-26 17:13:37 | A・クリスティーの館








   こちらは今日も概ね晴れの天気になりました。
  随分、風が強くなっています。

   その風が空気を洗ったのでしょうか・・
  今見上げた空は、真っ青な空に白い雲がポカン、ポカン。

   朝方は冷えましたが、まだまだ日中は動くと汗ばみます。
  従って長袖からもう一度、着替える羽目に。
  この季節、着る物に悩みますね。







   さて、「A・クリスティーの館」
  も本当に久し振り。

   思わぬ時間がかかって
  しまいましたが、
  A・クリスティー作、
  「フランクフルトへの乗客」、
  読了。

   そもそもこの本を読む
  きっかけになったのは、
  タイトルに、ある種の郷愁と
  憧れを感じて。

   しかも物語のプロローグが
  フランクフルト空港で、
  一人の謎の美女に出会い、
  頼み事をされた・・

   ~という、何とも
  ロマンティックな出来事で
  始まったのですから。

   ところがいつまで経っても、
  お馴染みのポアロも、
  大好きなミス・マープルも出て来ません。

   そしてそれは、ミステリーと言うより、スパイ小説です。
  読みながらも・・ “ミスったかな・・?”
  ~なんて思ったものですが・・。

   一言で言えば、人生に退屈していた一人の外交官が
  フランクフルト空港で巻き込まれた、国際的陰謀。

   おまけに若者の革命戦争やハイジャック、
  果てはヒトラー論まで出て来て。

   当時の政治の世界を垣間見るというだけでなく、
  過去の歴史、かと思えば今にも十分通じる政治の世界を見た気がして。

   それにしても作品が書かれた時期が、
  クリスティーが80歳、1970年(昭和45年)というから驚きます。

   兎にも角にも物語は空港で始まり、空港で終わります。
  読み終わった今になりますと、登場人物がやたら多くて
  理解出来ない部分が多いですけれど。
  私の文章もまとまりのないものになっています。

   最後に。先の麻生発言でも話題になった、ヒトラーの事。
  そのせいもあって、ヒトラーの記述が心に残りました。

   それにしても・・まさか、クリスティーの小説で、
  その演説がどういうものだったかを知る事になるなんて。
  でも分かり易くて納得です。少しだけ記してみましょう。

   教養のある大使館員の妻がヒトラーの演説を聞きに行きます。
  彼女はドイツ語が良く分からないながらもいたく感動し、
  彼の言った事、それ以外に物の考え方はなく、
  人々が彼に従いすれば、全く新しい世界が出現する・・と思い。

   ただ、素晴らしい演説でしたから、後になって
  文章に書き留めようとするのですが、何も思い出せません。

   よしんば断片的に思い出しても、文章にすると違った
  意味のような気がするし、又、無意味にも感じると言うのです。
  その事が彼女にとっては、どうにも不思議で仕方がない・・。
  ~といったような具合。

   選挙の時、巷で言われていた 「風が吹く」 というのも、
  程度の差こそあれ、ある意味、似たようなものかも知れませんね。
  



「世の中には他の人々に熱狂を、
ある種の生活と事件の幻を吹き込む
能力を持った人間がいる。
彼らは口に出す言葉や、我々が耳で聞く言葉や、
文字で書かれた思想に頼らなくとも、
そういう事をやってのける
力を持った人間がいる。
言葉や文字とは別のものがある。
それはごく少数の人間にしか
備わっていない磁力、
ある事を始動させ、一つの幻を
創り出す磁力のようなものだ。
おそらく彼らの人間的魅力、声の響き、
肉体からじかに発散するものが
そうさせるのだろう。
(中略)
これらの人々には力がある。
偉大な宗教上の師と言われる人が
この力を持っていた。
そして邪悪な精神の力も又しかりだ」
(中略)
「ヤン・スマッツが言っている、
統率力は、偉大な創造力であると同時に、
悪魔的な力にもなりうる・・・と」              
           【A・クリスティー作 「フランクフルトへの乗客」】
  

謎解きはお茶の後で

2013-08-23 16:12:16 | A・クリスティーの館










古風な部屋だった。
天井には太い黒っぽいはりが渡され、
部屋相応にどっしりした古めかしい
家具が置かれている。
レイモンド・ウェストが好もしげに
眺めたのも無理はなかった。
レイモンド・ウェストは作家だった。
非の打ちどころのない雰囲気に
浸る事を好んだ。
(中略)
レイモンドは大きな安楽椅子に
腰掛けている伯母を暖炉越しに見やった。
ミス・マープルは腰の周りをぐっと詰めた
黒いブロケードの服を着ていた。      
             【A・クリスティー作 「火曜クラブ」】




   今日も朝から晴れ上がった空。
  “昨日の天気予報は一体、何だったの?” つい、そんな愚痴も出て。

   と言うのも今日は本当に久し振りの
  「曇り&傘マーク」 でしたから。おまけに、やけに蒸し暑くて。

   午前10時頃、待望の雨・・と思いきや、パラパラ程度。
  それから1時間後、ザ~ッと降り出しました。
  今度こそ・・と思ったものです。

   5分も降ったでしょうか。それで終わり。雀の涙程度です。
  これでは湯気でも立ちそうです。事実、蒸し暑さは倍増。


   












   さて今年のように暑い夏は、何もしたくありません。
  かろうじて読書。それもミステリーが似合うでしょうか・・。

   あの アン だって、
  「8月の午後は古代詩を読むよりは夢想に耽るのが相応しい」
  ~なんて言っていますものね。

   久し振りにアガサ・クリスティーを取り出しました。
  「謎解きはディナーの後で」 ならぬ、お茶の後で。

   今日の珈琲は、(先日買い求めた)もう一方の銘柄の豆を。
  「ペルー・エルバルゴマウンテン」。深煎りです。
  そして、イギリスのパンでは唯一、大好きなマフィンを。

   今日の小説、「ビッグ4」 は、ポアロ物なので、
  ポアロ気分と行きましょう。
  どうしてもマフィンやスコーンからは、ポアロを連想しますから。

   ミス・マープルの編物は、(8月の午後は)パスしたい気分。
  ~なんて勝手な事を申しております。
  「美味しいマフィンと珈琲が入りましたよ」~♪

セピア色の優しい余韻

2013-07-10 17:15:17 | A・クリスティーの館






彼女は部屋に入った。
(中略)
薔薇色のしゃのカーテンが掛かり、
壁紙は薔薇の花模様だった。
ミセズ・オリヴァが見たところでは、
大体彼女と同年輩か、あるいはずっと
年上かとも思われるミセズ・ローズンテルが、
朝の コーヒー を飲み終わるところであった。     
             【A・クリスティー 「象は忘れない」 】




   朝から雲一つない猛暑日が続きます。
  雲一つない、こんな天気は猛暑でなければ、
  大歓迎ですが、さすがにうんざりですね。

   でも、降り続く雨よりも大嫌いな雷よりも
  余程良いのだと思えば・・遥かに救われます。そんなこんなで。
  今年の暑さは私にとっては幾分、ましになっています。







   さて、本当に久し振り、
  「A・クリスティーの館」 です。

   やっとの事で A・クリスティー作、
  「象は忘れない」 を読了。

   と言っても随分、
  時間がかかってしまって。

   それにしても、こんなに
  時間がかかったのは初めてです。

   当然、パッチワーク的に
  読み進める訳ですが、何とか
  ストーリーを忘れる事もなく、
  最後まで読む事が出来、
  ホッとしています。

   ところで、なぜでしょう・・?
  クリスティーとなりますと、
  屋根裏部屋的な、
  こんなセピア色の部屋に
  直行したくなります。

   しかも、こんな夏の真っ盛りに。
  でも意外に落ち着き、我ながら驚いてもいます。

   ~なんて。又々、前置きが長くなりましたね。
  いい加減に本題に入りましょう。

   クリスティーと言えば、ポアロですが、
  どうやらこの本が最後の登場だったようです。

   そう言えば、ポアロから良い意味での “アク” が取れたような
  気がしたものですが、こんな事も理由の一つだったのでしょうか・・。

   それにストーリーも、いつもはどんでん返しの連続で、
  犯人がなかなか分からなかったものですが、アッサリ分かり・・。

   尤も十数年前の過去の事件の解明であり、
  現在進行形のものではないという事も関係あるのかも知れません。

   とは言え、これまでがこれまでですから、
  随分、深読みしたりして。その必要はなかったという訳です。

   ところで、A・クリスティーを読んでいつも感じる事。
  イギリスでは紅茶を日常茶飯事に飲んでいるという事ですが、
  ポアロもミス・マープルも、飲み物はいつもコーヒーばかり。

   尤も、単にクリスティーがコーヒー好きなのかも知れませんけれど。
  ちょっと感じた疑問です。

   そうそう、題名の 「象は忘れない」
  次のような意味が込められているのですね。
  忘れるという事も素晴らしい事なのです。
  



 

セピア色の “ほっ”

2012-12-07 21:15:15 | A・クリスティーの館











「中へ入って少しお休みになるといいですわ。
紅茶でもお入れしますから」
ミス・マープル は ・・・(略)・・・
青い色に塗った戸口を入り、
明るい色の更紗さらさを張った椅子やソファが
一杯ある、小さな部屋に通った。
(中略)
紅茶でも1杯飲めば ――
そんな事を頭に浮かべたのと
ほとんど同時に、紅茶が運ばれて来た。
お盆には甘いビスケットを
4切れ入れた小皿も添えてあった。
(中略)
「お注ぎしましょうか?
お砂糖は沢山お入れになった方がいいですわ」
「ええ、でもお砂糖は結構ですわ」
「お砂糖は必要ですのよ。
ショックの後ですもの。・・・(略)・・・ 
ショックには砂糖が効き目がありますわ」       
          【A・クリスティー作 「鏡は横にひび割れて」】


   





   昨日に引き続き、今日も快晴の朝を迎えました。
  それにしても昨夜から今朝にかけて寒かったこと!
  この時期にして毎日の最低気温を更新しています。

   こんな日の室内の日溜りは勿論、春ですが、
  戸外も意外に暖かいものですね。
  場所によっては室内より暖かく感じます。

   ふと “日向ぼっこ” をしていた子供の頃を思い出します。
  この言葉も今では死語に近いですね。












   




   とは言え、当然ですが外でお茶の気分ではありません。
  頬に当たる風は、やはり冷たいものですし、
  “今は冬” という意識が邪魔をするのかも知れません。

   そうこうするうちに、足早に日も翳(かげ)る師走の午後。
  こんな時、屋根裏部屋気分満載のセピア色の部屋へ。

   なぜでしょう、途端に“ほっ”。
  おまけに屋根裏部屋って 「想像の余地」 も、
  たっぷりですものね。私だけの癒しの空間です。

   ところで、クリスティーの小説には、ハーブも然る事ながら、
  上記のようなお茶シーンも、ふんだんに登場します。

   となれば、温かいお茶が頂きたくなりますね。
  お茶請けには、お隣から頂いた新潟名物、笹餅を。
  和菓子と紅茶の組合せもオツなものです。

青い戦慄

2012-11-15 20:10:58 | A・クリスティーの館






「その部屋の壁紙は、近頃売り出されている、
丁度花壇のような具合に
草花をあしらったようなものでしたわ。
庭の中にいるような感じを受けましてね ――
でも、私、あんなのは
どうかと思いますのよ ――
だってあれだけの花が
いちどきに咲くなんて事は、
金輪際こんりんざいないんですものね ――
(中略)
「でも、滑稽ですわ。
釣鐘水仙とらっぱ水仙、野薔薇に藤、
立葵たちあおいと友禅菊がみんな一緒に咲くなんて」
              【A・クリスティー作 「火曜クラブ」】



   昨日より一層、日光を出し惜しみする空となりました。
  おまけにパラッ並みの雨ですが、目まぐるしく変わる空。
  気温も2、3度低くなり、俄かに冬の様相です。

   こんな時。暖炉を中心に集まる 『アンの世界』 を思います。
  一方、日本では炬燵。

   その昔、居間には大きな掘り炬燵があって、学校から帰ると、
  宿題は勿論、何から何までそこで終えた事が思い出されます。
  冬は、とりわけ寒い自分の部屋になど行く気になりませんから。



【青いゼラニウムならぬ、青いセージを栞代わりに】


   さて、【先日】 の続き。
  と言っても目まぐるしく
  過ぎ去る日々なものですから、
  随分、前のような気もします。

   今日は、A・クリスティー作、
  「青いゼラニウム」 の事を。

   これは 『火曜クラブ』 に
  収められた13編から成る、
  短編の1つです。

   現実には青いゼラニウムなど
  存在しませんが、このような
  植物のタイトルは、私などには
  それだけで強く惹かれます。

   それは青という色に感じる
  ロマンティシズムかも知れません。

   尤もこの小説は、
  そんなものとは無縁なのですけれど。
  その物語は・・。

   手前勝手で我儘放題の半病人の妻と、そんな妻を献身的に支える夫。
  妻はある心霊術師に自分の未来を透視させます。

   「満月の晩が危ない。青い 桜草 は警告、
  青い 立葵 は危険信号、青い ゼラニウム は死の象徴・・・」
 
  ~と告げられた妻。

   そして妻の部屋の壁紙(上記の引用文)に描かれた桜草、
  立葵がいつしか青に変り、ゼラニウムまでもが青くなった時、
  その妻は死体となって発見されるのです。

   トリックも然る事ながら、犯人の手掛かりとなる、
  ミス・マープルの解明も相変わらず冴えています。

   短編ならではの醍醐味がたっぷり味わえる秀作です。
  同時に、クリスティらしく花を題材にした作品で、そちらの方でも楽しめます。

秋色の日溜まり

2012-11-07 18:37:18 | A・クリスティーの館



【座って望む、かそけき 「藜(アカザ)」】






【レース、レース~♪】


「・・・奥さん、あの新しい レースの
テーブルクロス
を使うのに
こんなにいい機会はありませんよ。
あんな物はグレンで見た事ありませんから、
きっと大評判になるに違いありませんよ。
あれを見た時のアナベル・クローの顔が
今から楽しみですよ。
それから青と銀色の花篭を
使って下さいませんかね」
                【「炉辺荘のアン」 第34章】
 








   朝から晴れ上がった空を迎えました。
  ここ2日間ばかり重い空で明けましたから、
  新しい1日が太陽と共に始まる事は、やはりワクワクした気持ちになります。

   それにしても、あれよあれよという間に11月も1週間を経過。
  “まだまだ若い月だから・・” と安心していたのは、
  つい昨日のような気もするのですが・・。







   外は日本晴れ。
  おまけに小春日和の暖かい
  お天気となれば、戸外に
  繰り出すのは当然の事でしょう。

   おまけに私は高く枝を伸ばした
  藜のかそけき姿と葉色に、すっかり
  魅せられてしまったものですから。

   それにもう少し経てば、完全に
  葉を落としてしまいますものね。
  今のうち・・と。そんなこんなで。

   一昨夜の A・クリスティーの
  映像が鮮明なものですから、
  今日はどうしても洋風に。

   そう、それはあたかもテーブルの
  上のお邸のようでしたかしら・・?

   映像は美しくて、それはそれで
  良かったのですが、ミス・マープル
  の吹き替えが藤田弓子。

   あれから小説上のミス・マープルが、
  どうしても藤田弓子とダブってしまって。
  ミス・マープル役の女優さんも、彼女に何となく似ているのです。

   ある意味、仕方ない事なのでしょうが、思い描いていた、
  想像上の人物が固定されてしまって困惑しています。
  想像上のミス・マープルは、ほっそりした老婦人だったのですが・・。

   そうそう、ファッションも素敵!
  ウェストの所でキュッとしまった、フリルのブラウスに、広がったスカート。
  勿論、帽子も。今でも十分、通用するものです。

   


かそけき秋のミステリー

2012-10-26 17:30:07 | A・クリスティーの館








レイモンドは、大きな安楽椅子に
しゃんとした姿勢で腰かけている
伯母を暖炉越しに見やった。
ミス・マープルは腰の周りをぐっと詰めた
黒いブロケードの服を着ていた。
胴着の前の所に メクリンレース
滝のようにあしらわれ、
手には 黒いレース の指なし手袋をはめ、
雪白の髪を高々と結い上げた上に
黒いレースのキャップ を載せている。
ミス・マープルは何やら白い
ふわふわとしたものを編んでいた。
             【A・クリスティー 「火曜クラブ」】
 




【紅葉した藜(アカザ)の葉っぱ】

                                【まだまだ黄色い紅葉(もみじ)】
   雲一つない、気持ちの良い
  秋晴れとなりました。
  どこまでも青く澄んだ空。

   こんな空こそ、石を投げれば、
  カキ~ンと音を立てて跳ね返って
  来る 「青い陶器の空」 に思えて。

   奇しくも高名な作家、お2人が
  (三島由紀夫・吉屋信子)
  夏の空だという 「陶器の空」。

   でも季節は、
  いつだっていいですね。
  感じるのはそれぞれ自由ですから。

   さて、こんな日。
  野山を闊歩(かっぽ)したいのは
  やまやまですが、
  生憎、予定はありません。

   (明日は外出しますが)
  せめてもの試みとして、リビングを庭に移しましょう。

   幸い放射冷却で朝方こそ随分、冷えましたが、
  日中は逆で、暖かくなりました。

   たまには、アンのように庭で過ごすのも悪くありません。
  それに一時のように日陰を待ち望む必要もなくなりましたものね。
  いつの間にか日溜りが恋しくなりましたから。

   そうそう紅葉(もみじ)は、まだまだ黄色なのですが、
  その紅葉近くまで背丈を伸ばした藜(アカザ)は、
  ほんのり紅葉して、かそけき色を醸し出しています。

   
  







   今日は、久し振りにA・クリスティーの短編を取り出しました。
  1度、読んだのですが、かなり忘れています。

   それに何と言っても今日の引用文にもある、ミス・マープル。
  レースが好きなのも 同類 です。

   それにしてもレースの “指なし手袋”。
  それをして編物なのですね。何だかおシャレ!

   今日は、この本の中から 「青いゼラニウム」
  取り上げようと思ったのですが、又々、前置きが長くなりました。

   次の機会に取り上げます。
  と言っても何の事はありません。単に題名に惹かれただけなのですけれど。

奏でる時代の物語

2012-09-19 16:51:51 | A・クリスティーの館






「何てスリルがあるんでしょう!」
こう言って夫人は、
青い陶器 のような色の目を
大きく見張って溜息をついた。



ポアロは白麻の背広を着込み、
ボタン穴に 白椿 を1輪挿していた。          
            【A・クリスティー作 「ブルートレイン殺人事件」】


   昨日の雨は上がりました。空には再び青い陶器の空。
  日射しがある分、随分暑く感じますが、30度を割っています。

   そう言えば、真夏と違って、
  お部屋の中に日光が入って来るようになりましたものね。
  その分、余計に暑く感じるのかも知れません。

   そして今日は、昼間からあちこちで虫の演奏会。
  「チッ、チッ、チッ・・」 「リリッ、リリ、リリッ~ッ」。
  夜の本番に備えて、早くも音合わせをしているのでしょうか・・。

   そうそう、性懲りもなく今日も又、
  青い陶器 の空”を引用させて頂きました。

   空ではありませんが、今度は、A・クリスティーの小説に
  “青い陶器” を発見。吉屋信子、三島由紀夫に次いで3人目です。

   作家って、“青い陶器” がお好きなのかしら・・?
  前2人は空でしたが、今度は瞳。
  どうやら澄んだものを表すのに、この言葉は打ってつけのようですね。

   もう1つ余談ですが、生花を挿す行為をポアロにも発見。
  それにしてもボタン穴に白椿ですか・・。しかし、お洒落ですね。




   さて、私が取り出したのは、またもや A・クリスティー。
  この本は、最初に帽子を選ぶ事から物語が始まっていて、
  帽子好きの私としては興味を覚えたものですから。

   クリスティーとなりますと、屋根裏部屋雰囲気の、
  セピア色の部屋がなぜか似合います。いいえ、落ち着くのです。

   アッ、その前に。松本清張作 「昭和史発掘2」 を。
  随分、時間がかかりましたが、今日中に読み終えるでしょう。

   折しも、竹島や尖閣問題が勃発しています。
  学校では昭和史なんて習いませんでしたもの。

   これはこれで大層面白く、全13巻、時間はかかっても
  読み終えるつもりです。しかも音読で。

   この音読にも慣れました。習うより慣れろですね。
  今ではスラ、スラ・・と。おまけに黙読よりも頭に入ります。
  歴史などは特にお勧めです。

   ~なんて。
  話があらぬ方向に飛んでしまいましたね。悪しからず。

   兎にも角にも A・クリスティーとは、
  これから交互に読んで行こうか・・と思っています。  

その日、クリスティー気分!?

2012-09-18 17:15:25 | A・クリスティーの館






ド・ラ・ロシュ伯爵は 香草の入ったオムレツ
ベアルン地方風のステーキに
ラム酒入りサラヴァンという昼食を
済ませたところだった。
上品な手つきでナプキンを使って
黒い美しい口髭くちひげぬぐうと、
伯爵は食卓から立ち上がった。
そして別荘のサロンの中を通り抜けながら、
辺りに何気なく置かれている
由緒ある品々を満足げに見やった。         
         【A・クリスティー作 「ブルートレイン殺人事件」】


                              【紫色の朝顔 「薩摩の紫(ゆかり)」】
   今日は朝から雨降りとなりました。
  尤も、降ったりやんだり。
  瞬間は、日射しも。

   それにしても昨日は1日中、
  エアコンのお世話に。

   今日は昨日に比べれば
  ましですが、少々、
  蒸し暑くなっています。

   そしてこちらは、もう一つの朝顔、
  紫色の 「薩摩の紫(ゆかり)」。

   今年初めての写真掲載ですが、
  青色の朝顔も日中には
  紫色からやがてピンクに
  なりますから、すっかり勘違い。

   早朝からこの色でしたのに。
  何だか申し訳ない気持ちで
  一杯です。




   さて雨、薄暗い室内、
  キャンドルとなりますと・・。

   既に私の中では英国。
  と言いますか、エッグマフィンを
  作りましたので、無理矢理にも
  「クリスティーの館」 に直行です。

   そうそう、急遽(きゅうきょ)、
  香草入りオムレツ
  作りました。

   マフィンと香草入りオムレツ
  だけで 「クリスティーの館」
  とは大層、大袈裟ですが、
  そこはご愛敬で。

   香草として、ローズマリーを
  散らして。中の具にはゴーヤを。

   しかしながら、これでは  
  (マフィンに1個、オムレツに2個)
  卵大量摂取となりますね。

   さて、さて。
  今日も 「想像の余地」 にどっぷり浸かっている私ですが、
  実は、上記のド・ラ・ロシュ伯爵は偽伯爵。

   由緒ある品々は伯爵の演技を引き立てるための、
  なくてはならない小道具だとか。
  彼も又、「想像の余地」 に遊んでいたのかも・・~なんて。

   そう言えば最近、友達になった、ご近所の方との会話。
  「あら、今からお出掛け・・?」

   バッチリお化粧して、アクセサリーも決めている彼女。
  「ううん、自分で色々楽しんでいるの。
  又、午後から着替えるわ」

   「そうよね~。楽しまなければ損よね~!」
  そんなこんなで。今日は私も 【例】 のフリルのブラウスにフリルのスカートで。
  因みに今の気分は・・・1900年代初頭? です。