【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

炎天下に立つビーナス ~ 木槿

2012-07-31 16:48:16 | 香る庭の花綴り





【「木槿(ムクゲ)」】





庭には涼しい木陰があちこちにあり、
黄金色の光がゆらゆら、流れていた。
(中略)
窓に絡んだ忍冬すいかずらつるの間から
光線が射し込んで、
壁や床の上に踊り回る葉陰を投げ、
平生は暗いこの小さな部屋を、
アンが想像のうちに描いていた
「あずまや」に変えた。
              【「アンの青春」 第17章】


   


   「今日は1日中、雨の心配はありません」
  淡々と話す、アナウンサーの声も空しく聞こえます。

   それもその筈、朝から雲1つないカンカン照り。
  この言葉も連日ですね。

   ただ木陰は、そよそよと風が吹き、涼しいな・・と。
  尤も、まだ朝の早い時間。

   とは言え、束の間の涼には違いありません。
  今日も猛暑日。最高気温は、ゆうに35度を越えているようです。

   つい一昨日、「水引草」 を見つけ “小さな秋”
  ~なんて記したばかりの私。そして今日は・・。
  こんなに暑いのに秋の気配を感じるのはどうしてでしょう。

   それに今日の引用文ではないけれど、黄金色の光がゆらゆら・・。
  そんな光景を家の中から訳もなくボ~ッと眺めるのもオツなものです。

   それにしても季節を1ヶ月も先取りしてしまったような、
  吹き渡る風と、光と陰影のくっきりと際立つ濃さ。
  それは暑いけれど、カラっとした空気のせいかも知れません。

   そんな今日。今年も咲きました。
  炎天下の花、「木槿(ムクゲ)」。

   今でこそ、ハイビスカスと同様に炎天下に咲く夏の花ですが、
  本来は秋の花だったそうですね。

   これも品種改良の結果だとの事。
  歳時記では秋の季語なのだそうですね。

   そうそう、昨日の 「白粉花(オシロイバナ)」 の別名が
  「夕化粧」 なら、今日の 「木槿」 は、
  「夕影草(ゆうかげぐさ)」。何と詩的な別名なのでしょう。

黄色い夏の午後の戯言(たわごと)

2012-07-30 17:27:57 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編








8月の午後 は古代詩などを読むよりは
夢想にふけるのにふさわしかった。
斜面を成した畑は青いもやに包まれて
豊かな収穫を約束している。
微風そよかぜかすかな音を立てて
ポプラの木々にささやき、
桜の果樹園の片隅には、
薄暗い若樅の茂みを背に、
燃えるような赤い芥子けしの花が首を振っていた。 
                   【「アンの青春」 第1章】


                           




                        【家の中から 「ゴーヤ」、「朝顔」 を望む】
   こちらは今日も猛暑日。
  しかも “朝から太陽”
  のカンカン照り。

   「山沿いでは雷など急な天候の
  変化があるかも知れません」

   少しは期待したのですが、
  今日も全くその気配はありません。

   さて、もうすぐ8月。
  こんな黄色い夏の午後は、
  古代詩のみならず、こんな
  文庫本さえ読む気にならず・・。

   こちらの松本清張作、
  『昭和史発掘2』。

   (3編収められているのですが)
  興味のあった 「芥川龍之介の死」
  を読了し、次の 「北原二等卒の
  直訴」 で中断したままです。
  (民を扱っています)

   その間には、レース編みなど色々余所見(よそみ)をし、
  そして今度はオリンピックと・・。なかなか集中出来ません。




  
     レース編みはテレビを見ながらでも出来ますが、
    読書、しかも音読は無理ですものね。
    そんなこんなで。

     あれから10日も経ったのですね。
    『カフェ「薔薇の詩(ポエム)』、開店と致しましょう。

   今日もゴーヤ繁る窓辺にテーブルを寄せて。
  今、ここは唯一の癒やしの場所となっています。
  カップは、「ナルミ」。今日もゴーヤの色に合わせて。

   こちらには 『アンの世界』 のように、
  ポプラの囁きも桜の果樹園も若樅の茂みもありませんが、
  「想像の余地」 は、たっぷり。

   赤い芥子の代わりに首を振っているのは、「カンナ」。
  すぐ目の前の白粉花(オシロイバナ)【別名「夕化粧」】 は、
  夕方のお化粧に随分、手間取っているようです。(写真は昨夕のもの) 



【「白粉花(オシロイバナ)」】
   

涼を呼ぶ風景

2012-07-29 16:13:13 | 四季のスケッチ

【朝の群青】


【「水引草(ミズヒキソウ)」 ~ 小さな首飾り】


「早く雨が降ればいいのにね」
アンは溜息をついた。
「何もかも乾き切っているのですもの。
可哀想に畑はいかにも哀れな様子を
しているし、木々は腕を伸ばして
雨乞いをしているようだわ。
あたし、庭に出るたんびに胸が痛くなるのよ」                
                  【「アンの青春」 第18章】


   夏は暑いのが当たり前。とは言え、連日の暑さには本当に参ります。
  ご近所の肩とも顔を合わせれば、「毎日、暑いですね」 が合言葉。
  お互いに他の言葉を忘れたよう・・。

   それでも午前中は、昨日までのカンカン照りというのではなく、
  ちょっぴり日が陰る場面もありましたから、
  少しはましなような気がしていたのですが・・。

   空気が乾いていますから一雨欲しいのです。
  しかしながら今日も、夕立の気配すらありません。

   さて、昨日は夕顔を取り上げましたが、
  夏の1日の始まりは何と言っても 「朝の群青」、
  園芸名を 「暁の海」 と名付けられた、
  大輪のこの朝顔を見ない事には始まりません。

   以前ですと、この朝顔はお昼頃にはピンクになっていたものですが、
  今ではお昼になっても朝とほとんど変わりません。

   夕方になって、やっとピンクに。
  品種改良が相当に進んでいるようですね。

   一方、庭の片隅に見つけたのは 「水引草(ミズヒキソウ)」。
  この盛夏に早くも 「小さい秋」 を見つけた気分。

   丁度、赤い小さな花が木の幹に巻き付いて、
  ビーズの首飾りのようにも髪飾りのようにも見えます。

   大きく育った半夏生(ハンゲショウ)の陰に隠れるように、
  ひっそりと。そう言えば、この半夏生・・。

   最盛期には全身を真っ白に染めていたそれも、
  今では緑の方が勝(まさ)って来ました。
  いいえ、ほとんど緑・・と言っても過言ではありません。

   暑い、暑い・・と言っていますが、
  季節は少しずつ、少しずつ・・移ろっているようです。






 
【南国の香り】


    そしてプ~ンと甘い香りの
     贈物が届きました。

    何と石垣島の友人から
     パイナップルが・・。

   一昨年、石垣島を訪れて以来、
     復活した友人関係。
  早速、お礼状を書かなければ・・。 

烈日の涼空間

2012-07-28 18:01:38 | 趣味の器(壺)~その他








・・・縁には岐阜提灯が吊るしてあった。
狭い庭の垣に、ひょろひょろと絡んで咲いた
夕顔 の花が、闇に白くぽっと咲いて、
もの懐かしい風情を添えている。
「別荘なんかなくっても、
貸家の夕方があれば沢山だね。
夕顔棚の下涼み って言うけれど、
棚はなくとも・・(中略)
あの垣根があれば沢山さ」
浩二はビール泡を盛った洋盃コップを上げながら
こんな事を言った。                  
               【吉屋信子作 「地の果まで」】


   日の出と共にカンカン照りとなった今日。
  じりじりと焼け付くような太陽が1日中。

   ここまで今日は夕立もありません。
  その暑さは最高気温を日々、更新しているかのよう。

   こんな日は、どっぷり和空間に浸りたくなります。
  いつの間にか私の中では 「昭和の夏」 に。

   縁側で折からの風にチリン、チリン・・と微かに揺れる風鈴。
  軒下には今日の引用文の如く、夕顔が・・。(今日は朝顔ではありません)

   今年は植えませんでしたが、闇に浮かぶ仄白い夕顔も風流ですものね。
  「夕顔棚の下涼み」、この言葉も何と詩的なのでしょう。

   いつまでも暮れない夏の黄昏。長い薄暮の時間。
  その縁側に、やおら卓袱台(ちゃぶだい)を持ち出して、
  枝豆なんて片手に、ググッとビールを飲み干すのも壮快でしょう。
  





   そんなこんなで。
  今日は 『アンの世界』 とは
  ガラッと変わった和空間を。

   和の珈琲カップを並べた
  コーナーにちょっとした “和” を。

   尤も恒例の和小物を
  置いただけですが。

   そうそう、そのカップ。
  1段に並べていた物を2段に。

   2段には出来ないと頭から
  思い込んでいましたが、
  何とか高さの違う物で克服。

   これで2倍の収納力となりました。
  何だか随分、得した気分。

   話が逸れました。
  ここには土物の壺なども
  雑多に置いています。

   それでもそこには涼風がス~ッと吹き抜けているような・・。
  これらは夏にはヒンヤリしていて。全然邪魔になりません。
  呼吸しているのですね。   

召しませレース!

2012-07-27 16:43:16 | 私の手作り夢時間

【今日は絹の帽子にレースのスカート】


【薔薇のサンダルに】


【これもレースのアームカバーで外出】




それら掛布団の側には小虫1匹たりとも
寄りつき得なかったであろう。
あまり ナフタリンの匂い が強いので、
まる 2週間 というもの、
パティの家の果樹園にさらしておいてから、
やっとの事で室内に入れても
我慢出来る程度になった。                  
                 【「アンの愛情」 第16章】


   

   連日、うだるような暑さが続きます。
  それでも一足先に勝利を決めた女子サッカー、「なでしこ」 と言い、今日、
  未明に行われた男子サッカーの勝利に湧く朝は、気分悪かろう筈はありません。

   ロンドンオリンピックもいよいよ開幕ですね。暑い夏は、より熱い夏へ。
  メダルラッシュに沸く日本となってくれる事を期待しています。






【頂いたレース糸】


   さて、そんな暑い(熱い)夏、
  透けるレースは見るからに
  涼しそうですね。

   と言っても今日の
  ショッキングピンクのスカートは、
  (ストールではありません)
  色が色ですから暑そうですけれど。

   (写真では同色の
  ペチコートは敢えて外しています。
  透ける感じが分かりませんので)

   そう言えば、こちらも又々、
  箪笥の肥やしとなっていたものです。
  (以前に編んだもの)

   何だか最近、ここが格好の
  作品発表の場所になって
  しまっていますね。

   兎にも角にも
  一念発起して着ようと。

   折角の手作りですもの、
  着ないと勿体ないですものね。

   作り方は至って簡単。
  四角のモチーフを繋(つな)ぎ合わせただけです。

   ただ上に合わせる色に苦労します。
  先日の 【伊太利屋】 のブラウスは、あまりにも派手。
  やはり無難に白、あるいは黒でしょうか・・。

   絹の帽子を被(かぶ)り、薔薇のサンダル、
  そうそう、日除け用のレースのアームカバーも忘れてはなりません。

   ところで今日の引用文。私はナフタリン(防虫剤)の匂いをレース糸で経験。
  昨日の友人から5月に使い残りのレース糸をたっぷり頂いたものです。
  (お母さまの物 : 上から4枚目の写真)

   それは本当に有り難くて涙が出る程嬉しいのですが、
  リンド夫人 の刺子の布団のように防虫剤の匂いもたっぷりです。

   あれから2カ月。アン の言うように外に干していましたら・・。
  今ではあの匂いが嘘のように抜けています。
  やっと作品作りに取りかかれそうです。  

赤色薔薇吐息

2012-07-26 16:51:16 | 薔薇の追憶








レスリー は安っぽいクリーム色の綿ボイルの
質素な服に例の 真紅 の帯を締めていた。
レスリーが真紅の色を
付けていない事は1度もなかった。
例え1輪の花にしろ、
身の周りのどこかに
光っていないと気が済まないのだと
アンに語った事があった。
アンにとってそれはかの燃える色の外、
あらゆる表現を拒まれているレスリーの
強烈な閉じ込められた個性を
象徴しているように思われた。
                 【「アンの夢の家」 第23章】



   

   厳しい暑さが続きます。
  その暑さに拍車をかけるのが早朝からの蝉の大合唱。

   つい先日、“今年は蝉が啼かない・・”
  ~なんて、心配したばかり。

   どうやら、いらぬ心配だったようですね。
  それでも例年に比べ少ない気がするのは気のせいでしょうか・・。
  午後はまだ1度もその声を耳にしていませんから。昨日も今日も。

   さて、少々の暑さでしたらものともせず、
  朱夏に誇り高く、凛とした姿で開花したのは・・又々、紅い薔薇。

   もう何度も登場していますね。そう、リラ版 「公爵夫人の薔薇」。
  でも絶対に飽きる事などありません。それどころか・・

   その都度、違った印象、雰囲気を醸(かも)し出してくれますから。
  これこそ 「想像の余地」 の産物ですね。

   こんな薔薇に接していますと・・。
  暑さで弛緩(しかん)した心と身体も、シャキッとなるような気がします。

   弛緩したそれには暑さが堪(こた)えますが、
  ピンと張りつめれば、暑さをはねのけてしまう・・。
  そんな気がして来るから不思議です。

   そしてもう1つ。
  この薔薇は今日の引用文にもある、レスリーを思い出してしまうのです。

   そう言えば今日の私は赤いネックレス。
  尤も、黒地に花柄のワンピースを着ているからなのですが。

   私の場合、赤のアクセサリーは濃紺か黒地の服がほとんど。
  でも、レスリーのように好きな色に拘(こだわ)るのも楽しいですね。







   

   つい先程、近所の友人が 「トルコに行って来たの」 と、お土産を。
  トルコと言ってもイスタンブール位しか思い浮かばない私。後、親日国だという事。

   何でも気球に乗るのが目的だったとか。
  高い所が苦手の私にはとても、とても・・。

   それにしても長年、付き合っていて、
  気球が好きだった事を初めて知りました。     

虹色の世界

2012-07-25 17:50:17 | リラのお気楽ユメ日記





【キラキラ~☆ 虹色のガウン】





魔法をかけられた宝物のひつで、
ある不思議な文句を唱えなければ
開かないのだ。
雪の魔女が、冷たい美しい雪の魔女が
一言だけささやいてくれるかも知れない。
風が通りすがりに又
別の言葉を教えてくれるかも知れない・・・
嘆き悲しむ灰色の風が。
遅かれ早かれ、その文句を全部知ってしまい、
櫃を開けてみると、中には真珠やルビーや
ダイヤモンドがおびただしく入っているのだ。
おびただしくとは素敵な言葉ではないか?
ああ、元の 魔法 は消え失せていなかったのだ。
今でも世界に満ちているのだ。     
                  【「炉辺荘のアン」 第38章】


   

   “朝から太陽” が戻って来た今日。
  1週間の天気予報も見事な晴れマーク。厳しい暑さが続きます。 

   そんな今日、またもや千客万来。
  しかしながら今日は蝶ではなく蜻蛉(とんぼ)です。
  それも2日続けて。

   この蜻蛉、昨日はまだしも今日などはすっかり慣れてくれて、
  庭に出る度に(と言っても2、3度ですが)
  どこからかやって来て、後を着いてくる始末。

   おまけに目の前の草花に止まってみせるのです。
  私が覗き込んでも逃げようともしません。

   童心に帰って、にらめっこなんてしてみたり。
  尤も蝶に比べ元々、蜻蛉は大人しいものですけれど。  






【にらめっこしましょ~♪】  







   

   そうそう冒頭の写真。
  何気なく向けた視線の先に、キラッ と光るもの。
  “何かしら・・?” と思って近付いたら蜻蛉だったという訳です。

   その蜻蛉は私の大好きな光物を纏(まと)っていて。
  それは虹色のガウン。この世は、まさに魔法の世界ですね。

   一方、折鶴蘭(オリヅルラン)に止まっているのは、カマキリ。
  その色に溶け込んで一体になっています。アッ!? と思ったら、すぐそこに。
  こちらも悠々としています。本能的に味方だと思ってくれたようですね。
  






 

黄色い夏時間

2012-07-24 17:47:57 | リラのお気楽ユメ日記










・・・あちこちの林檎りんごの果樹園の香りで
空気はかぐわしく、牧場は緩やかな傾斜を見せて、
遥か彼方 の真珠色と紫色に霞む
地平線の中に溶け込んで行った。一方、
「小鳥たちは1年中にただ1日の
この夏の日 だと言うように歌いまくっていた」       
                   【「赤毛のアン」 第2章】


   

   先日までのカンカン照りというのではありませんが、
  今日も概ね晴れの天気になりました。

   温度は昨日と同じ位なのですが、
  今日は湿度がありますのでその分、蒸し暑く感じます。
  ジト~ッと纏(まと)わりつくような汗は不快です。

   そんな今日、満を持して黄色のハイビスカスが咲きました。
  言うまでもなく、朝顔と共に夏が1番似合う花。

   我家では3種類の色のハイビスカスを植えているのですが、
  (赤、オレンジ、黄) 大鉢に植えているこのハイビスカスが
  いつも真っ先に咲いていましたのに。

   朝顔の “静” に対し、
  ハイビスカスは弾むような躍動感、“動” を感じます。





 
【1年中咲く 「ユリオブスデージー」 (園芸名は 「ハロー・エンジェル」)】


【出番を待つ 「木槿」】



   そして今か、今かと出番を待つのは
  「木槿(ムクゲ)」 と裏庭の百合。
  この百合は、何と風の贈物。

   今丁度、お隣のピンクの木槿が
  2階の吹き抜けの窓から見えます。

   庭木ですから大きく
  育っているのですね。

   一方、我家のそれは鉢植え。
  開花が遅いのも仕方ありませんね。

   そう言えば今年は、
  蝉の声をあまり耳にしません。

   啼いたとしてもほんの少し。
  時間にして僅か5分位でしょうか。

   『アンの世界』 は、
  小鳥たちの合唱。

   それでも昨日は鶯と蝉の
  二重唱という 『アンの世界』
  さながらでしたもの。

   尤も蝉の声・・には疑問符が
  付くかも知れませんね。

   今日代わりに啼いたのは、「グー、グー、グー・・」 という
  お世辞にも美しいとは言えない小鳥の啼き声。

   それでも 「想像の余地」 は、味気ない毎日を楽しくさせてくれます。
  想像1つで 『アンの世界』 にだって自由自在に行けるのですものね。

   ただ芳(かぐわ)しい香りが林檎の香りではなく、
  ゴーヤの香り・・というのは、少々興醒めですが・・。

吹き抜ける風の径

2012-07-23 18:12:52 | 路傍の花~道草

【藪萱草(ヤブカンゾウ)】


【昼顔】





・・・1人の幸福を味わっていた。
涼しいビロードのような丘の上に
好きなだけ座っていても、
それを妨げるものは何もない。
南西の風は大ドナルドの
クローバー畑の匂いを運んで来た。                        
             【「丘の家のジェーン」 20.】


   


   朝から太陽の 「晴れ」 という天気予報の割には曇り空。
  そのせいもあって今朝は涼しいので、それはそれでいいのですが、
  変わりやすい天気だった昨日までと同様の空模様が気になります。

   しかしながらお昼ちょっと前頃から、おずおずと太陽。
  今日の太陽は、かなり朝寝坊ですね。

   今朝は蝉の鳴き声に混じって鶯(うぐいす)の声も。
  この季節に蝉と鶯の二重唱(デュエット)なんて。初めての出来事です。
  




   そんな中、自転車で
  ちょっと街まで買い物に。

   家の中は涼しいと思っても、
  外は、やはり夏。

   うっかりしていましたが、
  昨日は24節季の1つ、
  「大暑」 でしたものね。

   いつもの道も、
  草いきれでプンプンです。

   このもやっとした
  熱気と独特の香りは、
  どこか懐かしい夏の匂い。

   ずっと昔に嗅いだ
  香りと一緒です。

   こちらは田圃(たんぼ)の
  土手に咲いていた、
  「藪萱草(ヤグカンゾウ)」 。

   別名 「萱草(わすれぐさ)」。
  花言葉は 「悲しみを忘れる」

   先日見た時はまだ蕾でしたが、今では少々、盛りを過ぎています。
  もうちょっと早く来れば良かったのですけれど。

   そしてすぐ横に咲いていた昼顔。二枚貝の中に立つビーナスのようです。
  朝顔と同じ仲間ですのに、こんなに可愛い花ですのに・・
  どうしてこちらは誰にも見向きもされないのでしょう。

   芽を出したかと思うと、急速に蔓(つる)を伸ばして辺りに絡み着く、
  そのあまりにも根強い生命力にあるのでしょうか・・。

   何だか理不尽なような気もしないではありませんが、
  世の中、そんなものなのかも知れませんね。

   そうそう、昼顔の花言葉は 「絆」
  写真は全くの偶然ですが、この2つの花は東日本大震災の “イメージ花” のようですね。

さり気なく手仕事

2012-07-22 16:38:16 | 私の手作り夢時間

【帽子を被ってお散歩】


【絹のストール】


【襟元のレース】





老淑女は豊かな美しい白髪を念入りに結い上げ、
小さな金色の 水玉模様 の紫の絹服をまとった。
老淑女がいつも絹の服を着るのは
節約のためであり、新しい木綿のプリント生地を
買うよりも母のものだった絹の服を使う方が
ずっと安上がりだったからであった。
母の絹の衣裳は沢山あるので、
老淑女は朝も晩もそれを着たが、
それがスペンサーヴェルの人々にとって、
老淑女の気位の高い事を示す
又一つの証拠と思われた。
                       【「アンの友達」 2.】


   

   今日も昨日に引き続き、不安定な空・・という事でしたが、
  今の所(起床時から16時)、雨は降っていません。
  概ね晴れの天気になっています。

   ただ太陽は顔を出していますが、
  先日までのうだるような暑さではありません。
  朝などはそよ吹く風に心地良い涼さえ感じていたものです。







【こちらのワンピースにはパラソルで】



   

   
   さて、冒頭の写真。
  先日の 【レースの肩掛けマント】 は大のお気に入りですが、
  この盛夏に肩掛けマントは、あまりにも暑苦しい・・。
  それに、ここは 『アンの世界』 ではありませんから。

   そんなこんなで結局、例の胸当てに落ち着きました。
  これで心置きなく? 着られます。

   このワンピース、レース使いのせいでしょうか、
  普段着ですのに外出着に見えてしまいます。
  レースの肩掛けマントなんて付けた日には・・。

   それにしても 『アンの世界』 の住人、
  アン は勿論、マリラ だって リンド夫人 だってハイネックのブラウスに、
  襞(ひだ)のある引きずるような長いスカート。

   そんな衣裳で日常の家事をこなしていたのですから恐れ入ります。
  それで思い出したのですが、先日の新聞記事。

   「昔の男どもは偉かった」と題し、
  大正から昭和(戦前)頃までの男性の服装の記事が載っていました。

   真夏と言えども長袖のワイシャツにネクタイを締め、
  麻の三つ揃いを着込んで会社に出掛けていたとか。
  そうそう頭にはカンカン帽。

   当時の事ですから勿論、クーラーなどはありません。良くて扇風機。
  過酷な環境を物ともせず、ネクタイを緩める事なく仕事をしていたと言います。

   記事は、これに比べて現代のクールビズのだらしなさで
  結ばれていましたが、私も同感です。

   話が逸(そ)れました。
  もう一つの水玉のワンピースにもレースの胸当てを。

   ほんのちょっとの改良で眠っていた物が蘇るという喜びを感じています。
  今日の引用文のように節約にもなりますものね。

   降らないと言っていましたが、今(16時35分)、
  バケツの底をひっくり返したような雨が降り出しました。
  幸い、雷は鳴っていません。最近の天気予報は当たりますね。