庭と言っても、八ツ手や楓が、 何てなしに雑然と植えられて、 その庭土の上には、縁日などに、 時たま買って来た草花の鉢が幾つか、 すがれたまま置いてあるだけの事だが、 でも縁先の柱に近く触れる程、 繁った芭蕉の大きな葉がばさりと揺れて 葉に裂け目の沢山入って来たのが、 この庭に 秋を知らせる風情 の一つだった。 【吉屋信子作 「良人の貞操」】 |
数々の感動を貰った、オリンピックも終わりましたね。
となれば、いよいよ秋風・・とはならず、
こちらは相も変わらず、猛暑が続いています。
しかも、ここに来て起床時から30度を越える始末。
まだまだ、残暑は続きそうです。
それにしてもオリンピック期間中は、朝起きたら必ずテレビを付けて
日本選手の活躍を確かめるのが日課でしたのに。
やはり祭りの後は、淋しくなりますね。
でも次回は、東京。
このまま天変地異などなく、無事に行なわれるよう祈るばかりです。
【小さな秋】
さて、暑さの中にも感じる季節の移ろい。
一つは虫の声でしょうか・・。
蝉は、ジージーと鳴くだけだったクマゼミから、
何とも愛敬のある、ツクツボウシに変わりました。
夕方から夜にかけての虫の合唱もひと際、賑やかに。
それは庭の植物にも。そこかしこに小さな秋。
晩夏の風情を感じます。