【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

和の涼

2010-08-31 15:50:15 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編




   今年ほど “暑い” を連発した事はなかった気がする8月も、
  今日で終わりですね。明日からは、いよいよ9月。

   こんな風に季節は老いて行きますのに、少しは涼しくなって・・
  という期待も虚しく、並んでいるのは真っ赤な太陽と37度の数字。
  しかも、これから1週間先も、ズラリと・・。

   暑さの方は、一向に衰える気配はありません。
  それどころか、これまでの記録を日々、更新している有様です。

   こんな時思うのは、田舎の家の和の空間。天井が高く開け放たれた部屋。
  土間があって、1歩足を踏み入れると夏でもヒンヤリした事を思い出します。

   そもそも日本の昔の家は、クーラーなんて想定外でしたものね。
  ただ、暑いと言っても今のような暑さではなかった気がします。
  日中は暑くても、朝晩はしのげましたから。

   「今日は、30度を越えたんだって・・」
  せいぜいこの程度の気温で騒いでいたような気がします。

   そうそう今日は、これまでで一番大きな花を咲かせてくれた朝顔。
  今年は随分、やきもきしましたが、例年にない暑さで朝顔も
  とまどったのかも知れませんね。涼やかな青に十分な “涼” を頂きました。

     となれば今日は、“和” で 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』、
    開店と致しましょう。ちょっと間があいて2週間振りです。

     カップもそうですが、テーブル周りを竹や籐に替えました。
    小物を和製の物に替えるだけで涼しく感じられるのはなぜでしょう。
    和の醸し出す独特の雰囲気・・不思議です。

   こちらのカップは、京都(寺町)で買い求めた物です。
  生憎、産地が分かりません。
  底に 「○山」 と銘は入っているのですが、肝心の漢字が不明です。





 


   今、青空に真っ白い雲が面白いです。
  先日の三島由紀夫の小説、「春の雪」 の 【雲の描写】 ではありませんが、
  様々なものにその姿を変え、ちょっと目を離すと、次にはもう別のものに。
  
   では、夕映えもきっと素晴らしいのでしょうね。
  それにしても、あの流麗なる文章は心を捉えて離しません。       

文学の中のハーブ物語

2010-08-30 15:35:15 | ハーブと香り雑学


   ふと目覚めた朝。
  枕元の時計は丁度、午前5時。

   そこに飛び込んで来たのは虫の声。
  偶々、エアコンのモーターが
  止まっていた時だったようです。

   そう言えば休む時、宴は既に最高潮だった
  筈ですが、どうやら夜を徹したようです。
  
   もう晩夏ですのに、一向に下がらない気温、虫達は一体何を思うのでしょう。
  今朝は蛁嘹(つくつくぼうし)が。移ろいの季節なのですね。



   さて、ちょっと気分転換を・・と思って読み始めた松本清張。
  (それにしてはかなりの長編ですが)思わぬ面白さにハマっています。

   そう言えば、清張ファンと言いながら、
  歴史物(時代物)は、ほとんど読んでいませんでしたっけ。(短編を少々)

   しかしながら、時代考証はしっかりしていますし、
  徳川吉宗と目安箱、大岡忠相(ただすけ)周辺の出来事と言いますと・・。
  
   やはり、サスペンスが絡まり、単なる歴史物とは違う面白さがあるのです。
  その上、時代は既に徳川幕府の安定期。
  
   城中や当時の江戸の町の様子など、
  詳細に描かれていますので、十分読み応えがあるという訳です。

   そうそう、吉宗と言いますと、各地に養生所を作りましたね。
  それに付随して薬園も作りましたので、薬草(ハーブ)の事も詳しく載っています。

   鍼灸中心の医療、プラス薬草で人々の病気を治したのですね。
  薬草に興味がある事もあり、こちらの面でも思わぬ収穫。
  
   その一端を記してみたいと思います。
  とは言っても、私が読んだのは上巻の、まだ半分なのですが・・。
  
 (中略)  薬園の敷地に入ると
 弥作の鼻にぷんと薬草の匂いがして来た。
 何万坪という土地でも栽培されているものが薬草ばかりなので、
 他の野菜畑に来たのとは違っていた。(中略)

 ここには朝鮮から移植した薬草36種もある。
 今、匂っているのもその香りの強い草だった。(中略)

 わが国の薬草栽培は随分早い頃から行われて、
 既に推古朝にその記録が見えている。(中略)

 吉宗が薬草に熱心だったのは寛永13年にこの祖父紀州頼宣が
 朝鮮から薬草を求めて以来で、その時の品種の一例を挙げると
 沙参しゃじん、白微、常山、天仙藤てんせんとう鬱金うこん姜黄きょうおう、と言った名前が見える。
                   ~松本清張作 「乱灯江戸影絵」  

光を編む妖精の糸

2010-08-29 15:35:15 | 四季のスケッチ






   朝晩、ほんの少しだけ
  涼しくなりました。

   気温は相変わらずですが、
  今日は湿度がありません。
  カラッとしています。

   春の訪れを匂いで感じるなら、
  秋を感じるのは、“色”でしょうか。

   そう言えば 「白い秋」 も、
  「彩りの秋」 もそうですね。

   日々、濃淡が
  くっきりして来る感のある、光と影。

   小さな秋を精一杯、
  五感で感じてもいます。

   暑い、暑いと言っているうちに
  8月も残す処、後3日。

   一向に衰えない暑さとは逆に、
  時間の経過だけは、より勢いを増しているようです。
  通り過ぎる月日と、この気候のギャップ。時は待っていてはくれませんものね。

   「秋吹くはいかなる色の風なれば
        身にしむばかりあはれなるらん」
  ~和泉式部

   ヒンヤリとした涼しい秋の風を胸一杯に吸い込み、深呼吸・・
  ~なんて、一体いつの事になるのでしょう。

    をもっと長く出来たらいいのに」 と、
  ジェーンは溜息をついた。
          【「丘の家のジェーン」38.】

   一方、快適な 『アンの世界』 に住む、ジェーン のこの言葉。
  ある意味、羨ましいですね。

   さて早朝、私はいつものように庭へ。
  早朝の庭は、わくわく感で一杯。
  
   露に濡れた木々や葉っぱは、キラキラ、キラ~ン☆
  朝日を受けて虹色に光っています。中でも蜘蛛の糸。

   まるで孔雀の羽根とも見紛(まが)うような美しさではありませんか・・。
  アンエミリー の言う通り、妖精の織った糸だと実感。
  自然の織り成す美に、ただただ感服です。

華麗なる精神世界

2010-08-28 15:22:15 | 心の宝石箱


   昨日の夕方の突然の夕立。
  それこそ、今風の? バリバリと
  轟(とどろ)く雷鳴とバケツの底を
  ひっくり返したような雨。

   待望の雨と同時に久し振りの雨。
  1時間近くも降ったでしょうか・・。

   尤も何年か前のように、この雨で
  気温が一気に10度近くも下がると
  いう事はありません。
  
   でも、連日の水やりをしなくていいだけでも大助かりです。
  そのお陰で感覚的に今朝は、涼しい朝を迎えましたから。
  と言っても、たった1度の違い。でも、大きな1度には違いありません。

     さて、昨日も記しましたが、
    今日も三島由紀夫の 『豊饒の海「春の雪」』(全4巻)を。

     長大な小説に変わりありませんが、
    どうやら1人の主人公を巡る長編小説ではなさそうです。

   全体的に繋がりはあるものの、各巻の主人公は異なる1話完結型。
  それぞれにタイトルが付けられています。

   第1巻 「春の雪」、第2巻 「奔馬」、第3巻 「暁の寺」、第4巻 「天人五衰」。
  タイトルだけでも興味をそそられますね。

   私が読んだのは、1巻の 「春の雪」 ですが、
  再三申していますように、文章の格調高さと語彙(ごい)の豊富さ。
  皇室を含めた上流社会のきらびやかさと、ある種の頽廃。

   それにも増して自分の知らなかった語彙の集中砲火を受けて?
  読み終わった今、ちょっぴり食傷気味です。

   そうそう、第1巻は空極の恋愛小説です。2人共、稀に見る美男美女。
  しかも最後に待っているのは “死” と来ているのですから。

   おまけに、そこかしこに漂う崇高な雰囲気と、研ぎ澄まされた精神世界に
  どっぷり浸かってしまったものですから、何だか疲れました。

   という訳で2巻は、ひとまずお休み。
  次に取り出したのは、松本清張作 「乱灯江戸影絵」。(上下巻)
  既に読み始めた処ですが、8代将軍、徳川吉宗とその周辺を描いたもののようです。

   読み慣れているせいか、こちらの文体、なぜか落ち着きます。
  ミステリー要素が絡んでいるのか、いないのか、まだ分かりません。       

燃える天空

2010-08-27 15:15:25 | 四季のスケッチ
★黄昏の刹那★
10分間の空のショー
<ふと見上げた空<さっきまでの白い雲が・・<ピンクやオレンジ、紅色に染まり・・<あたかも絵の具を散らしたよう<僅か10分間の刹那の時>
<【マウスオンして下さいね】


   ほんの少しだけ涼しくなった朝晩。
  わけても夏の黄昏の、薄暮の時間。
  そして夜空の美しい満月と、俄かに勢いを増した虫の声に “秋” を感じています。

   何の虫でしょう、これまで 「チ、チ、チッ・・」 と啼く虫が主流でしたが、
  昨夜は、「リ、リ、リン」、「ガチャ、ガチャ・・」、鈴虫と、くつわ虫の声も。
  特に入浴時は、虫の声を聴く絶好の機会なのです。

   とは言っても、今日も最高気温は36度。
  一向に終わらない夏に、いい加減うんざりです。

   さて、冒頭の写真。ふと見上げた空。
  夏の黄昏は、こんな空を用意してくれました。
  時間にすると僅か10分程度。まさに刹那の時間(とき)ですね。

   ところで季節や風景の描写と言えば・・。
  勿論、私の事ですから 『アンの世界』 (モンゴメリー) 中心です。
  
   今日は、先日からお伝えしていますように、
  やっと読み終えた三島由紀夫作、『豊饒の海~「春の雪」』(全4巻のⅠ) から。
  
   松枝(まつがえ)侯爵邸の鎌倉の別荘から眺めた、夏の空の描写です。
  三島文学の一端が窺えるのでは・・と思います。
  
   しかしながら、その別荘の大きさは1万坪と言いますから驚きます。
  新宿御苑くらいの大きさでしょうか・・。

 (中略)・・・掻き立てた凝乳のように沖にこごる積雲の、
 深いひだの奥にまで沈痛な光が当たっている。
 その光が、影を含んだ部分を彫り出して、
 それを嫌が上にも屈強に見せている。(中略)

 目を凝らしていれば少しも形を変えず、
 束の間他所へ目を移していれば、もう形が変わっている。
 雄々しい雲のたてがみが、
 いつの間にか寝乱れ髪のように乱れている。
 見つめている間は、放心したように、乱れたまま少しも動かない。

 (中略) わけても美しいのは夕映えだった。
 ここから見渡される雲のことごとくは、夕映えの刻限になると、
 自分がやがて染められる色が、くれないか、紫か、柑子こうじ色か、淡緑か、
 あらかじめ感じ取っているかのようだった。
 色付く前に、雲は必ず緊張の前に蒼ざめた。・・・・・
               三島由紀夫作 『豊饒の海~「春の雪」』   

瑠璃色にこぼれる陽光

2010-08-26 15:40:35 | 四季のスケッチ


   いつもの朝と違って随分涼しく
  感じた起床時。

   そう言えば昨日の夜も同じ感覚。
  直感的に “アッ、涼しい・・” と。
  
   夜空に青白い満月のお月様が、
  やけに、綺麗でしたっけ。

   でも、気温はたった1度低いだけ。
  だとしたら湿度の差なのでしょう。

   それでも今日の最高気温は、
  35度とか。まだまだ暑い日は続きます。

   炎天下の戸外は、サウナのような暑さですから、
  カメラを持ち、撮影する気にもなりません。

   昨日など田圃の畦道に可憐な白い花を見つけたのですが、
  何せ目的地まで一目散といった状態ですから、心を残しながらもそのまま素通り。

 



   ただ良くしたもので今年は
  小さな来訪者が庭に続々。

   今度は同じ 「ハグロトンボ」 の
  仲間だと思うのですが、4、5頭
  連れ立ってやって来たものの中に
  胴体がエメラルドグリーンのものが。
  
   翅(はね)も胴体も、
  キラキラ光っています。(冒頭の写真)

   今日のタイトルの 「瑠璃色」 に
  合わせてやって来てくれたようで、
  嬉しい限り。感謝です。

   そうそう、「朝の美人」 の朝顔ですが、
  今年に限っては朝ならず、「1日美人」。

   随分、長い事咲かなくて、やきもきした
  ものですが、その分、埋め合わせを
  してくれているのかも知れません。      

白い秋に燃える花

2010-08-24 15:23:15 | 四季のスケッチ


   昨日は、24節季の一つ、
  「処暑」 だったのですね。
  暑さのやむ時期。

   連日、起床時から30度の
  日が続いていますので、
  すっかり失念していました。

   本来でしたなら、この季節、
  「白い秋」 という何とも
  ロマンティックな名称が
  ありますのに。

   「秋来ぬと
  目にはさやかに
  見えねども風の音にぞ
  おどろかれぬる」

             ~藤原 敏行

   太陽光線では、少なからず
  秋を感じてもいますが、
  まだまだ “風” ではもう一つのような気がします。
  そうそう蝉の声は、いつの間にか蜩(ヒグラシ)に変わっていますが・・。

   風と言えば・・正真正銘の風の贈り物、 「アブチロン」。(冒頭の写真)
  すぐ裏のお宅からのこぼれ種。
  風に揺れるその姿は風鈴のようでもあり、風情があります。
  
   花言葉は、どういう訳か 「憶測」。
  そう思って見れば・・。

   あれこれと・・ 想像を巡らせて?
  思い悩んでいるように
  見えない事もありません。
  
   ~なんて、「アブチロン」 の
  与(あずか)り知らない処ですよね。

   さて、猛暑、酷暑、炎暑に
  赤い花では益々暑くなりますが、
  一方赤は、元気の出る色ですね。

   今庭に咲いている赤い花は、
  写真のものを初め、
  「カンナ」、「チェリーセージ」、
  「カランコエ」、「ゼラニウム」 等。

   尤も一番は、
  やはり赤い薔薇ですけれど。
  
   それにしても薔薇にも、
  様々な表情がありますね。
  どうやら、(薔薇と言えども)大きな口を開けて笑うのは止した方が良さそうです。



   ところで今年ほど、この真っ黒な蜻蛉、「ハグロトンボ」 に出会う事はないでしょう。
  一歩、庭に出れば、そこかしこにいて、
  私の行く所に、ヒラヒラと舞いながら着いて来ます。

   いずれにしても、こんな事は初めて。
  今年は、色々な事がありますね。




   
     明日(25日)は、もしかすると更新出来ないかも知れません。
    その節は、どうぞ悪しからず。

                                  

公爵夫人の薔薇Ⅱ

2010-08-23 15:15:15 | 心の宝石箱



【花瓶に】

   連日、朝から
  30度の気温が続きます。
  
   こんな昨今ですので、
  冷房を入れない時間は、朝のほんのひと時だけ。

   そんな僅かな時間・・風に揺れる、か細い微かな風鈴の音色に “涼” を感じます。
  「チ、リリ~ン・・」 ささやかな昭和の情緒を感じる瞬間です。
  
   とは言え・・情緒に浸る間もなく、そそくさと窓を閉め切って冷房を・・。
  勿論、暑さに我慢出来ない事もありますが、熱中症も怖いですから。困ったものです。

   さて、一昨日も記しました、リラ版 「公爵夫人の薔薇」。
  今、続々と開花しています。

   これも意外なのですが、今年は虫が少なく葉っぱも綺麗。
  この暑さで虫も活動を停止・・?

   そんな訳はありませんね。
  レモンバームや薄荷の葉っぱは、相変わらずですから。
  尤も、セージだけは元々強いですが・・。

   ところで、「公爵夫人」 と言いますと・・
  やはり今、読んでいる三島由紀夫作 『豊饒の海~「春の雪」』 に話は及びます。

   尤も同じ公爵でも、こちらでは 「松枝(まつがえ)侯爵」 なのですが。
  しかしながら、伯爵、男爵家、学習院、はたまた皇室・・と、
  雅(みやび)な日本の貴族社会を余す事なく描いています。

   実は、三島由紀夫の本は初めてなのです。
  主人からは文章が綺麗だからと再三勧められていたのですが、
  (この 「豊饒の海」 は特に) ことごとく敬遠。

   私にとって三島由紀夫は、学生時代から読みかけてはやめるという・・
  挫折の繰り返しだった事だけは確かですから。

   音読ですので、(と言ってもこれほど音読に適している本はないと思うのですが)
  まだ半分くらいしか読み進めていません。
  
   それにしても、文体が美しいのは然る事ながら、
  日本語にこんな熟語があったのか・・と、今更ながら驚いている次第です。
  漢字も含めて(振り仮名がなければ読めない字多数) まだまだ新しい発見です。

   因みに・・「犀利さいり な分析力」、「秘鑰ひやく を握る」、「暗々裡あんあんり に望む」 等など・・。
  そうそう、PCで秘鑰の漢字がサッと変換出来たのにも驚きました。   

季節の声

2010-08-22 16:00:16 | 四季のスケッチ






   起床時は真珠色の空。
  朝からカンカン照りの空でない事に
  なぜかホッ。

   でも、その時点で
  既に30度あり、ウンザリ。
  
   せめて朝晩だけでも涼しくなって
  欲しいと願っているのですが・・。

   それでも一時に比べ、
  蚊が少なくなった事もあり、
  何やかやと庭に出る事が多くなりました。

   ちょっとお休みしていたセージが一斉に花芽を付け始めたかと思えば、
  とっくの昔に終わっている紫陽花に、一つだけ開いた花。

   数は少ないけれど、今頃になって必死に? 咲き始めた朝顔など・・
  庭の花々に興味は尽きません。

   紫陽花もそうですが、今年はヴィオラもついこの間、咲いたものです。
  “何かを訴えているのかしら・・?” 妙に気になります。

   さて、冒頭の2枚の写真。
  同じ、「アオイ科」 の花であり一日花でもある、
  「ハイビスカス」 と 「木槿(ムクゲ)」 が、同時に開花しました。

   尤もこの木槿、前回はどういう訳か “二日花” だったのですが、今回はどうでしょう。
  いかにも夏の花というこれらの花が、太陽に向かって咲く・・いいものですね。
  元気を貰います。

   1日 しか生きていませんものね。
  でも、何て堂々と、何て豪華に生きる事でしょう。
  その方がほとんど永久に長持ちする、
  こわばった百日草よりよくありません?・・・ 略 ・・・」

                                         【「炉辺荘のアン」 第16章】


【ハグロトンボ】

   ところで、今年はやけに蜻蛉に遭遇します。
  今度は全身が黒の蜻蛉に。群れを成して飛んでいます。

   この蜻蛉だけは、小鳥のように地面に止まる事が多いのですが、
  偶々、半夏生に止まった所をパチリ。随分、慣れてくれています。

   「露草に黒蜻蛉翅開く時を見ぬ」 ~石鼎

   温暖化で亜熱帯化しつつあると囁かれている日本、
  せめて自然の営みに目を向け、季節の移ろいを感じたいものですね。 

公爵夫人の薔薇

2010-08-21 15:25:15 | 薔薇の追憶






   ブログを始めて丸4年。
  今日から5年目に向かって、1461日目の幕開けとなりました。
  これからもどうぞ、よろしくお願い致します。




   朝から猛暑日の毎日です。PC上の温度表示も連日のように36度、37度。
  人間の体温より高い気温だなんて、一昔前には考えられなかった事です。

   それでも蝉の声は少なくなり、(代わりに虫の声)
  よりくっきりとして来た光と影、室内まで入り込んで来るようになった陽の光、
  一時に比べて日の入りの早さ等など・・季節の移ろいを感じます。

   そんな中、待ち望んでいたリラ版 「公爵夫人の薔薇」 が、何度目かの微笑。
  5月の薔薇よりは、さすがに小さくなった感は否めませんが、
  気品と言い、優雅さと言い、右に出るものはない気がします。

   

   そうそう、又々、これもリラ版 「ピンクの少公女」 も一緒です。
  それにしても・・人はいつの時代にも薔薇には魅了されるものなのですね。
  そして、誰をも詩人にさせるようです。

   「・・・ 略 ・・・ジョンは ピンク の薔薇はパーシスの頬を表し、
   はパーシスの額を表し、紅い のはパーシスの唇を表すと
  言いましたっけが、あまり を引用するもんで
  話の中にも混ぜる癖がついたらしいわい。・・・ 略 ・・・」

                                         【「アンの夢の家」 第7章】

   その 「公爵夫人の薔薇」、ついつい映画の影響もあって、
  【キーラ・ナイトレイ】 を連想してしまう私です。

   ところが折も折、今丁度読んでいる三島由紀夫作 『豊饒の海』(全4巻)も、
  (1作目「春の雪」)雅(みやび)な大正時代の貴族社会を描いています。

   この 「春の雪」 は、竹内結子、妻夫木聡主演で5年前に映画化されましたね。
  (今となっては観なかったのが残念です)

   1輪の薔薇からとんでもない方向に話が飛んでしまいましたが、ご勘弁を。
  その雅な一部を垣間(かいま)見る事に致しましょう。 

 (中略) 綾倉伯爵は京訛りの抜けない誠に温柔な人柄で、
 幼い清顕きよあきに和歌を教え、書を教えた。
  綾倉家では今も王朝時代そのままの双六盤すごろくばんで夜氷を遊び、
 勝者には皇后御下賜ごかしの打物の菓子などが与えられた。
  なかんずく、今も続く伯爵の優雅の薫陶は、
 毎年正月の、自ら寄人よりゅうどを務めている御歌所の歌開始に、
 15の年から、清顕を参加させている事にあった。(中略)
 いつか年の初めのこの名残りの優雅への参加が、
 心待ちにされるようになった。
                  三島由紀夫作 「豊饒の海」 より