今季一番の寒波がやって来ているようですね。
室内にいると、それほどでもありませんが、
外に出ると、風の冷たさにびっくりします。
今年の冬は、これまでそれ程の寒さを感じずに来ましたが、
週末に向けて真冬並みの寒さになるとか。
尤も来週になれば、再び暖かくなるそうですが。
暖かかったり寒かったり。体調管理には気を付けなければなりませんね。
さて、昨日は本当に久し振り、映画を観て来ました。
メリル・ストリープとヒュー・グラント主演のこの映画は、
予告段階から絶対に観ようと決めていたものです。
メリル・ストリープの映画は、これまで何度か観ましたが、
今回も相変わらず素晴らしかったです。
演技達者な彼女の役は、実在したソプラノ歌手、
フローレンス・フォスター・ジェンキンス(1868~1944)。
ソプラノ歌手となっていますが、
その実態は? と言いますと・・実は、稀に見る音痴なのです。
とは言え、人一倍、音楽に対する情熱があり、
音楽の持つ力を心から信じている・・。
音楽があったからこそ、重い病気があるのに(梅毒)、
ここまで生きて来られたとも。
(医師もここまで生きているのが信じられないと言っていました)
そして、夫を演じるヒュー・グラントもコミカルで紳士的、
陰になり日向になり妻を支える献身的な役が、ピッタリでした。
尤も、(それなりに)訳アリではあったのですが・・
伴奏担当のサイモン・ベルハークも、コミカルで
重要な役どころを担っていて、憎めないキャラ。
ピアノの腕前も素晴らしかったです。
前述のソプラノ歌手の話に戻りましょう。
彼女の十八番は、モーツァルトの 「魔笛」、第2章のアリア。
超絶難曲と言われているものです。
その曲を彼女は必ず歌う訳ですが、
音程の外れた高音が、キンキンと響き渡ります。
観客は、最初ビックリし、やがて笑い、頬を膨らませる・・。
しかしながら彼女自身は、大真面目に取り組んでいましたから、
そんな反応さえも、音楽を楽しんでいるのだと心から信じて疑いません。
同時に彼女は、観客達の笑顔が大好きだったのです。
尤も、不思議な事に、いつの間にか観客も
彼女の魅力に、どんどん引き込まれて行くのですが・・。
勿論、私自身も。
そうそう、音楽の殿堂、カーネギーホールで行われた、
リサイタルの観客動員は、未だに破られていないそうですね。
それにしてもリサイタルの行なわれた1944年と言えば、
第二次大戦の末期。当時の日本と比べ、アメリカの豊かさと言ったら・・。
各所で流されるBGM 。
クラシックな映像と衣装やセットと相まって、
たっぷり雰囲気を味わわせて頂きました。
どこかしら切なくて・・それでいて楽しくて。
素晴らしい映画でした。