【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

妖精の落とした涙

2008-09-30 17:51:28 | リラのお気楽ユメ日記


   起床時には昨日の雨は、
  上がっていました。

   と言っても、今日の予報は、
  あくまでも雨。

   一時的なものだと思って
  いましたが、思いの外、長続き。

   午前中は、持ちました。
  今は、静かな霧雨です。

   気温は今日も相変わらずの低さ
  ですが、昨日よりは若干、
  高いような気がします。何しろ、昨日は11月上旬の気候だったそうですから。

   さて、今日の私の幸せ・・。
  小さな小さな庭ですのに、毎日新しい発見にワクワクです。
  先ずは、冒頭の写真の 「露草」。

   カンナの足元に、ひっそりと隠れるように咲いていました。
  誰に見られる事がなくても、健気に咲いていたのですね。
  一体、いつの頃からなのでしょう・・。そして、そして・・。


 
   露でこそ、ありませんでしたが、雨に濡れた蜘蛛の糸の美しさ・・。
  つい3日前にも綴った、エミリー のこの言葉。

   「・・・露を散りばめた 蜘蛛の巣 がどんなものか、
  私、知らずにしまったかも知れないわ。―― ・・・」

                                 【「エミリーはのぼる」 第13章】

   実は、私もそうでした。今日のこの蜘蛛の巣を見るまでは・・。
  まさに、この描写さながらの光景が広がっていたのです。

   写真では、もう一つなのですが、キラキラと輝いて、思わず目を見張る美しさに感激!
  これは、「妖精の落とした涙」・・? なのかも知れません。

   “母は 蜘蛛の巣 のような、灰褐色のレースで縁取りのしてある、
  またとなく美しい四季咲きの薔薇のクレープデシンの化粧着を着て、
  ベッドに起き上がっていた。・・・”
          【「丘の家のジェーン」 第8章】

   こんな風に、『アンの世界』 では、“蜘蛛の巣” は、日常茶飯事に登場して来ます。
  そのせいか、私、蜘蛛も蜘蛛の巣も、ちっともイヤではなくなりました。
  寧ろ愛らしい存在と言っていいかも知れません。

仏蘭西(フランス)色の香気

2008-09-29 16:26:35 | リラのお気楽ユメ日記


   昨夜半から降り出した雨は、とうとう本降りに。
  今朝は、雨の週明けと、なってしまいました。

   今は、降っているのか、いないのか分からないような細い霧雨です。
  完全に夏の終わりを告げる雨・・。

   昨日もそうでしたが、気温も低く、長袖ブラウス1枚では寒い位です。
  薄いカーディーガンを引っ掛ける事に。

   勿論、ここ3日間ばかり、フランスにどっぷり浸かっている私ですから、レースの物を・・。
  ここはパリジェンヌよろしく、あくまでも優雅に、優美に・・なんて。単純です。

   映画と言えば・・。
  昨日の帰り道、私同様、
  ご近所のアン好きの友達とバッタリ。

  「どちらへお出掛けに・・?」
  「フランス映画を観に・・。」
  「エ~ッ! 私も、行きたかったわ・・」

   映画、お好きだなんて、
  知りませんでしたもの。
  
   聞けば最近、目覚めたのだとか。
  尤も、彼女、アガサ・クリスティーは好きでしたが・・。

   でも今度、リチャード・ギア主演の、今、テレビスポットでも盛んに流れている、
  『最後の初恋』 を一緒に観に行こうという事になりました。

   基本的に、私は映画は一人で観ますが、終わった後、お茶でも飲みながら、
  わいわい感想など話し合うのも、偶にはいいかも知れません。

   ~なんて、いっぱしの事を言っていますが、一人で観るようになったのは、
  つい最近の事。昔は一人でなんて、行けませんでした。

   でも、このスタイルにハマりますと、思いの外、居心地良くて、
  それ以来、どっぷり・・という訳です。

パリの朝食                      手芸
 
【「駅ビルシネマ」 に陳列してあった物】

   さて、冒頭の写真は、昨日の映画帰りに買って来たものです。
  (後ろの林檎の絵は、私が描いたもの) 
  頭の中には、音楽さながらのフランス語が、グルグル回っていて・・。

   思わず買った物が、写真の物(紅茶、ダージリン・ラズベリージャム)と、
  何を隠そう・・フランスパン。笑ってしまいますね。

   ただ昨日は、お腹が空いていて、少しちぎって頂きましたので、
  写真はありません。お品もよろしくありませんわね。
  それにしても、フランス映画って、何かしら優雅ですね。

   先日のアガサ・クリスティーの映画でも、伯母、カミーユ(ダニエル・ダリュー)なんて、
  休む前のひと時、ベッド脇の小さなキャンドルに火を灯し、
  当たり前のように本を読んでいましたっけ・・。

   勿論、今の時代ですから、手元のスタンドと共に・・。
  そのキャンドル立てが、素敵で可愛くて、思わず見惚(みと)れてしまったものです。
  でも、そういう事が、ごく、ごく自然に行なわれているのですね。

映画 「コーラス」~涙がこぼれそうな時、歌がある・・

2008-09-28 19:07:24 | 映画の香り


   今朝は、涼しいを通り越して、
  思わずブルッ! 
  何でも10月下旬の気候とか。

   お天気も、暫くは秋晴れが
  続くのかと思いましたら、
  こんな曇り空に・・。

   そんな空の下、フランス映画、
  「コーラス」 を観て来ました。
  (2004年版)

   一昨日と同じ場所での映画観賞
  ですが、今日が最終日です。

   日本では、2005年、4月に公開。
  この映画は、地元の映画館でもしていましたが、見逃がしてしまったものです。
  一昨日の映画でも、この予告編をしていましたが・・・

   “涙がこぼれそうな時、歌があった・・”
   こんなキャッチフレーズに出会えば、(勿論、最初から観るつもりではありましたが)
  1も2もなく、前売り券を買いに走るというものです。

   さて、映画は、世界的指揮者である
  ピエールが、母親の葬儀のために
  帰郷する事に。

   そこへ寄宿舎時代の古い友人、
  ぺピンが50年振りに訪れ、彼に1冊の
  日記帳を手渡した所から始まります。

   時は、1949年のフランス。
  問題児が集まる寄宿舎に音楽教師、
  マチュー(ジェラール・ジェーノ)が赴任。

   子供達のひどい悪戯に悩まされる彼は、
  子供達の心を開く為に、
  合唱団を結成する事を思い立ちます。

   天使の顔を持っているけれど、学校一の
  問題児ピエール、(ジャン=バティスト・モンエ)の
  天性の美声に驚嘆し、彼を教え、他の子供達も
  歌を通して、純粋な心を取り戻して行く・・という、
  ストーリーです。でも良くあるストーリーですね。

   しかし、合唱団も問題なく結成出来た訳ではありません。
  すぐ体罰を行なう、校長(写真左)との確執もありますし、なかなか大変です。

   ただ、マチューのコミカルで、優しい人柄と、笑顔に心が和みます。
  と同時に、人生の喜びをも教えてくれる温かさ・・。

   そして、何より・・ピエールの憂いを秘めた、訴えかけるような眼差しと、
  その美声は、涙を誘います。

   子供達の、コーラスに向かって行った、心の軌跡の追及や、
  合唱の技術力向上の過程は、もう一つのような感もしますが、
  ピエールの美声を聴けただけで、私にはもう何も言えなくなりました。

   そうそう、マチューは、ピエールの母親に淡い恋をするのですが、失恋。
  映画の途中には、そんな事も織り込まれ・・。

   今、私の頭の中では、ピエールの美声と彼の眼差し・・。
  マチュー先生の優しい笑顔が、浮かんでは消え・・。

   それにしても、パンフレットを売っていなかったのは、残念です。
  サントラ版、早速買いに行かなければ・・。

 


   写真は、駅ビルの中です。今丁度、劇団四季ミュージカル、「赤毛のアン」 を上演中。
  今回は、見送りましたが、後悔はありません。
  前回は、前から3列目でしたのに、同じS席で最後列は、ちょっと・・。 

名残りの調べ~♪

2008-09-27 16:36:26 | 四季のスケッチ


    今朝は、昨日の空が嘘のような、
   雲一つない空で明けました。
   何と爽やかな朝でしょう。

    嬉しくなって庭に出てみますと・・。
   カンナの葉っぱや、薔薇の葉っぱには、
   露が一杯!! 朝日にキラキラ輝いて・・。

    そしてお隣りには “蜘蛛の巣”。
   まるで、妖精の国・・? は、
   少し大袈裟にしましても・・
   「想像の余地」 は、確実に広がります。

   「・・・露を散りばめた蜘蛛の巣がどんなに美しいものか、
  私、知らずにしまったかも知れないわ。ご覧なさい ――
  あの背の高い羽毛のような2本の草の間で揺れているわ。」

                                   【「エミリーはのぼる」 第13章】

   それにしても、昨夜の冷えた事! 
  昼間は、曇り空の割には、蒸し暑いな・・なんて、
  思っていたのですから、その変化は天と地の差です。

   そして、庭の虫達は、一段と声を張り上げ・・。
  来(きた)るべき発表会? に備えて、合唱の総仕上げでも、しているのかも知れませんね。
  窓を閉めても、その歌声は、高らかに響いて来たものです。

   虫達は今、どんな気持ちで、その歌を歌っているのでしょう。
  いつかパタッと終焉を迎えるのでしょうね。
  その前に、そっと虫の気持ちを聞いてみたい気がします。

   虫の声と言えば・・。
  『アンの世界』 でも 「コオロギ」 以外の
  描写は、なかった気がします。

   元々、日本人と違って、
  虫の声に関心がないせいもありますが、
  この 「コオロギ」 だけは別のようです。

   イギリスでは、別名 「幸福の使者」 ですし、
  ドイツでも、「小さい家族」。

   でも最近、「コロ、コロ・・」 と鳴くコオロギの
  声を耳にしていない気がします。

   ところで今日は、蝶も、ひらひら、ひら~り・・。
  黄色や白、「アゲハ蝶」も飛んでいるのですが、
  なぜか止まってくれません。

   ただ、こちらのちょっと汚い・・? のは、
  (そんな事言ってはいけませんね)止まって離れません。

   でも、よく見ると・・顔は意外に? 可愛いですよね。蜘蛛もそうですが・・。
  しかしながら、こんな風に写真を撮る事によって、
  このような昆虫の顔まで意識して眺めるようになった気がします。

 


     ここからは、お遊びです。
    こんな サイト を見つけました。

     本名を入れると、勝手に似顔絵を
    作ってくれるというものです。

     前回の通信簿は、12歳。
    今回も、まるで、高校生ではありませんか。
    私って、そんなに幼い・・? まさか、ですよね。

     でも、高校生の頃は、こんな感じだった
    ような気も・・? (しないではありません。)

    先祖の居住地はおそらく近畿地方。

    名前のゴージャスさは68点。どちらかというと豪華な名前です。おお~!

    名前のシャープさは74点。どちらかというと鋭い名前です。切れ者かも!?

    名前の都会っぽさは73点。どちらかというと都会風の名前です。せかせかしている? 

映画 「ゼロ時間の謎」~優雅でゴージャスなミステリー世界

2008-09-26 18:00:08 | 映画の香り


 


   昨日は一日中、
  降りそうで降らなかった空。

   今日は予報通り、雨。
  しかも意外に蒸し暑さも伴って・・。
 
   その覚悟した雨でしたが、
  出掛ける時は、
  雷も伴っていました。

   その後は、曇り空で
  落ち着いているのですが・・。

   そんな中、開始時間を
  間違えるという、ドジな私には、出直しの映画となりました。

   映画は、アガサ・クリスティー原作、フランス映画、『ゼロ時間の謎』。
  昨年、(2007年)の映画です。

   これは、「駅ビルシネマ・フランス名画祭」 と題して、期間限定(9/1~9/28)で、
  開催されているものです。観たい映画が後半でしたので、ここまで待ちました。
  後、もう1本観たい映画(公開中、見逃がしてしまったもの)が、あります。

   “避暑地を訪れた若きテニスプレーヤーとその新妻、そして前妻。
  渦巻く嫉妬と欲望・・” なんて、キャッチフレーズを目にすれば、
  嫌が応にもワクワクするというものです。

   さて、アガサ・クリスティーと言えば、沢山の登場人物と、どんでん返しの、
  ストーリー展開が特徴ですが、今回も、それを遺憾なく発揮しています。

   面白いのが、この事件を解決するバタイユ警視。
  ポアロや、ミス・マーブルのように、(休暇中とは言え) あまり身だしなみが良くありません。

   イギリス映画ではなく、フランス映画だからでしょうか・・?
  何と言ってもスーツ姿は、英国紳士に限りますものね。

   そして、呪文のように唱えるのが、“ホームズ、メグレ、ミス・マーブル、
  ポアロ、コロンボ・・” と、歴代の探偵の名前を。
  因みに、バタイユ警視によれば、“ゼロ時間とは・・”

   「殺人事件は、人々をある点に導く物語の結末に過ぎない。
  その点こそが、ゼロ時間なのです。」 ~とか。
  
   分かったような、分からないような・・?
  ゼロと言えば、松本清張の 「ゼロの焦点」 を思い出しますけれど。

   それは兎も角、いつも私の目を捉えて離さないのが、
  豪華なお城のような邸宅や、年代物の重厚な調度品の数々・・。

   この映画は、現代版なのですが、一瞬、年代はいつ・・? 
  なんて、思ってしまう程、アンティークな物に囲まれていたりします。

   木製の螺旋状の階段は言うに及ばず、まばゆいシャンデリアや、ランプ・・。
  ポアロが乗っていたような、クラシックカーも・・。

   そうそう、クラシックカーではありませんが、“Z” のオープンも走っていました。
  フランス人、ゴーン社長の影響? かも知れませんね。(写真の青い車)

   そして、忘れてならないものに、ロケーションの美しさも。
  ブルターニュ地方の海辺のリゾート、ディナールの風景等など・・。
  本当に、見ていて飽きません。

   見ていて飽きないと言えば、そのファッションも・・。
  「プラダ」、「エルメス」、「バーバリー」、「ディオール」 等など・・ブランド物がズラリ。
  登場人物のキャラクターと共に、それらを一層引き立てています。

   極めつけは、伯母カミーユ役のダニエル・ダリュー。
  90歳の今も現役で、美術館級のレアな衣装までこなし、
  かつ似合っているのですから驚きます。

   話が、あちこち飛んでしまいましたが、肩が凝らなくて気楽に楽しめる映画です。
  それに何より、音楽のように美しいフランス語が、耳に心地良く夢気分・・。
  それこそ、紅茶片手に・・というのが、一番ピッタリかも知れません。

間抜けな一日

2008-09-25 18:06:37 | 路傍の花~道草


    日中は、まだまだ夏の余韻を感じますが、
  朝晩は、もうすっかり秋!! 
  今朝は、真珠色の空で明けました。
 
   夜の虫の演奏会も、日増しに、その数を増して
  いましたが、いよいよ、それもフィナーレを
  迎えようとしているかのようです。

   今、この時間も、「リ、リ、リ・・」 と、
  美しい鳴き声を響かせています。

   そして一際大きく、
  「蛁蟟(ツクツクボウシ)」 も鳴き始めました。

   今日は、夕方頃からお天気は下り坂との事。
  時折、薄日は射すものの・・
  
   そんな曇り空の下、フランス映画を観て来ました・・
  ~ と、ここに綴る筈でした。ところが・・。

   ドジな私は、時間を間違え、(終わりを始まりと勘違い)そのまま引き返す羽目に。
  他の映画を勧められましたが、観たい映画は、さしてなく・・。

   結局、交通費を使い、前売り券を買いに行く・・なんて、バカな事に。
  もう一度、明日出直しです。一体、何をしているのでしょうね。
  明日の天気予報は、雨。外出したくはないのですが、仕方ありませんね。

    後になって、
   ウィンドウショッピングでも、
   して来れば良かったと後悔しきり。
   でも、後の祭り。

    今にも泣き出しそうな空が、
   どうやら私の足を急がせてしまった
   ような気がします。

    そんなこんなで・・。
   今日も、道草です。

   “ジェーンは一人で
  大いに散歩を楽しんだ。・・・
  樅と蝦夷松の織り成すレースで飾られたこの内気な小さな
  赤い道は、よじれたり曲がったりして隠れようとしていた。
  辺りは、日に温もり、実を結んだ草の香がみなぎっていた。
  木々は、ジェーンに今は知る人もない、美しい言葉で、
  昔の言葉で全て語っていた。・・・”

                              【「丘の家のジェーン」 第24章】

   やはり、慣れた道は、
  安心です。少し道を変えると・・
  
   「山萩」 の群生地を見つけたり、
  又々、名も知らぬ花にも出会い・・。

   「マロウ」 に似ていますが、
  小さな小さな花です。

   そうそう、白い彼岸花も。
  なぜか・・その時は写真を撮る気が
  しなかったのですが、“どうか今度
  撮る日まで、咲いていて下さい・・” と、
  祈る気持ちです。

今日はカフェ日和

2008-09-24 17:12:39 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編


   昨日の朝の冷えこそ、
  ありませんでしたが、
  今日も、いいお天気になりました。

   今朝は、虫の声を耳にしないと思い
  ましたら、小鳥の囀(さえず)りが・・。

   と言っても、ずっと鳴いていたのに、
  夏の間は蝉の鳴き声や、
  最近では、虫の声に気を取られて
  いたからなのでしょうね。

   何だか懐かしささえ、
  感じてしまいます。

   夏の終わりの、何とも言えない
  寂寥感かも知れません。

   さて今日は、あまり日があいていま
  せんが、『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』
  の開店です。 

   と言うのも、今日はあまりにも木陰が気持ち良さそうでしたから。
  それに、久し振りに取り出した、『英国紅茶への招待』。
  この本のせいも、多分にあるかも知れません。



   この所、珈琲ばかり
  でしたので、久し振り
  薔薇茶を飲んでみたく
  なりました。

   珈琲には、あまり文化
  がありませんが、紅茶
  にはありますものね。

   と言っても、英国紅茶
  特有のミルクティーでは
  ありませんが・・。

  でも、言うまでもなく、薔薇茶も、
 とても優雅な気分になりますね。

  今日は、テーブル代わりの大きな
 壺の上で。壺は大きいのですが、
 テーブルにすると、少し小さ目です。

  でも、なぜか私は、こちらの方が
 落ち着くのです。私だけの東屋。

  大きな部屋より小さな部屋の方が
 落ち着く・・と言った、そんな心理と
 同じなのかも知れませんね。

  ティーベル代わりの土鈴は、今の
 季節にピッタリの彼岸花の絵柄。
 菊? かも知れません。恵那峡で買った物です。「コロ、コロ」 と、くぐもった音。

   そうそう、上の本の事。この本には、“「英国紅茶は、美しい心が淹れる」~お茶を頂く
  時には、クロスを敷き、必ず花を飾りましょう・・” なんて、書いてあります。

   一杯のお茶を頂くにも、こだわりを持って・・という事なのでしょうね。
  そう言えば、『アンの世界』 にも・・。

   “ジェーンは・・・食卓にテーブル掛けを広げ、父が店屋から
  買って来た皿を並べた。食卓を飾るのに、荒れた庭へ出て、
  「けまんそう」 と 「百合」 で花束をこしらえた。
  花を挿すものがないので、どこからか錆びた古い缶を見つけて
  来て、それをトランクから探し出した緑色の絹のスカーフで
  くるみ ―― ミニイおばさんから貰った高価な絹のスカーフだった
  ―― それに花を活けた。”
           【「丘の家のジェーン」 第16章】

   アン もそうですが、この ジェーン にしても、テーブルセッティングしています。
  決して豪華ではありません。と言うより質素過ぎるくらい。
  でも、食卓に花を飾る・・という気持ちが、大切なのですね。

   それが、心のゆとりとなり、優雅さとなって表われるのでしょう。
  共通点がありますね。英国の流れを汲んでいる・・と言うのも分かる気がします。

轟く夏の最終楽章

2008-09-23 17:42:51 | 香る庭の花綴り


    今朝は、冒頭の写真のような、
   な~んにもない空で明けました。

    その後、刻々と変化する秋の
   空を、ボ~ッと・・でもしみじみ・・? 
   眺めていました。

    それに昨夜からは半袖姿に
   肌寒ささえ覚え・・。

    さすがに日中は、それはなくなり
   ましたが、いざ夏も終わると思うと・・。

    まだ、逃げないで・・なんて、
   言いたくもなり・・。面白いですね。そう言えば・・。

    お昼過ぎには蝉も、最後の夏を惜しむかのように、ひと鳴きしていましたっけ。
   今では、それは虫の演奏会に変わっています。

 
   

   さて、夏の典型的な花と言えば、
  この朝顔でしょう。

   いよいよ “夏の最終楽章” かと
  思わせるように、一斉にパッと開き
  ました。そう最後の “朝の花火”。

   朝顔は大輪で、本当に華やか
  なのに、なぜか私には憂いを含んで
  いるようにも見え、昔から薔薇とは
  違った意味で、大好きな花です。

   朝顔が “朝の美人”
  言われている事は、以前にも記しましたね。
  その “朝の美人” は、今ではお昼も咲いていますが、その対照的な花と言えば、
  「白粉花(おしろいばな)」 でしょう。

   夕方咲く事から別名、“夕化粧” である事は周知の事ですが、
  フランスでは、“夜の美人” と言われているそうです。

   因みに、原産地のメキシコでは、“午後4時” とか。
  そして、花言葉は 「臆病、小心」

   昼間、太陽と一番仲のいい筈の草花が、太陽の出ている時に花びらを閉じて
  いるのですから、言い得て妙ですね。でも、この季節になると、早朝にも咲いています。
  写真は、午前6時半頃撮ったものです。

   白粉おしろいの花の黒き種 爪を入るれば粉散りぬ 
     幼心おさなごころの憎しみは 君の来たらぬつかか 白粉の花の
      黄と赤爪を 入るれば粉の散りぬ」
  ~北原白秋

   ところで、「轟く夏の最終楽章」 なんて、ちょっとアン気分。
  とは言っても、こちらのフレーズから少々・・。

   “「私の生涯の1章が又、閉じられたのだわ。」
  アンは、机に鍵をかけながら呟いた。
   悲しくてたまらない中にも、
  「閉じられた1章」 というロマンティックな思い付きに、
  少なからず慰められた。”
              【「アンの青春」 第28章】

風の径、光の径

2008-09-22 17:27:10 | 路傍の花~道草


   今日は雲一つない空で明けました。
  昨日の雷雨が嘘のような天気です。

   日中は、まだまだ暑いですが、
  澄み切った青い空を見ると心も、
  晴れ晴れします。もう秋の空・・。

   そんな空の下(もと)、今日も帰りは、
  道草です。自転車を押しながら・・。

   帰りは上り坂ですが、15分もあれば、
  帰り着く事が出来ますのに、
  私も相当の物好きですね。

   そうそう、つい先日は 「黄花コスモス」 オンリーだった秋桜(コスモス)ですが、
  そろそろピンクや、白も咲き始めました。

   “「まっすぐの国」 には、可愛い緑の片隅が沢山あり、
  太陽の染み込んだ羊歯の香りや、薄紫の紫苑が、
  風のおばさんが駆け抜ける度に、優しくそよぐ、
  草地の香りが漂っている。
  又、私の窓の左手には一群の高いもみの古木が立っていて、
  月夜や黄昏時には妖術を使っている魔女の群れのように
  見える。・・・”
                    【「エミリーはのぼる」 第7章】

   この描写は、エミリー  の9月20日の日記です。所謂、『アンの世界』 ですね。
  一方、こちらの世界には羊歯の香りもありませんし、薄紫の紫苑も咲いていません。

   でも、想像の世界では、いくらでも咲かす事が出来ますものね。
  何せ、「セイタカアワダチソウ」 が、「秋のキリン草」 だと思っている私なのですから。
  そう言えば、「紫苑」 に似た薄紫色の花も、今日道端で見つけました。

 


   道端に、「芙蓉」 の花が乱れ咲いていました。今、丁度満開のようですね。
  川辺に、ピンクの花が、こんもりしているので、近付いてみますと、この花でした。

   芙蓉も、「ハイビスカス」 と同様、一日だけの花ですね。
  去年まで育てていたので分かるのですが、萎み方がとても律儀です。

   ハイビスカスは、そのままの形で堅く閉じますが、この芙蓉は、
  一片ずつ折り込んで萎みます。少し膨らんだまま折り畳んで・・。
  花の終わり方も様々で、面白いですね。

    「白き芙蓉 赤き芙蓉と 重なりて
         児の行く空に 秋の雨降る」
  ~与謝野 鉄幹

   昨日、探し物をしていましたら、偶然、「ヘッセ詩集」(高橋健二訳) を見つけました。
  今の季節に、ぴったりの素敵な詩がありましたので、ここに記して置きます。




                九月

     庭が悲しんでいる
     冷たく花の中に雨が沈む
     夏がそっと身ぶるいする、
     その終わりに向かって。

     金色のしずくとなった木の葉が一枚一枚、
     高いアカシアの木から落ちる。
     夏は驚き疲れて
     死に行く庭の夢の中に微笑む。

     まだ長い間薔薇のもとに
     夏はとどまり、休らいを慕い、
     おもむろに、大きな
     疲れた目を閉じる。

                           ~『新詩集(1937年)とその前後』

仄かな灯(ともしび)の中で・・

2008-09-21 17:41:27 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編


   今日は、今にも泣き出しそうな、どんよりとした空で明けました。
  朝早く、庭に出てみますと、樹々や草花の葉っぱに水滴。
  路面も濡れていましたので、もう既に降ったのかも知れません。

   でも、天気予報通り、午前8時半頃からポツポツと雨・・。
  初めのうちは、降っているかいないような霧雨でしたのに、だんだん大降りに。

   とは言っても、もう一つの予報である、変わりやすい天気にも・・。
  そのうち上がり、ずっと曇り空だったのですが、午後2時頃からは、雷も伴って、
  瞬間的に大雨。それも今は、やんでいます。本当に気紛れな空。



   こんな日は、やはりと言いますか・・仄かに灯る、明りが恋しくなりますね。
  昨日のような蒸し暑さも、陰を潜めました。となりますと・・。
  この所、蝋燭が続きましたので、次は、ランプしかありませんね。

   尤も、アンのお仲間である? ジェーン は、(先日も記しましたが)
  次のように言っていましたが・・。

   “ジェーンは、ランプより蝋燭の方が好きだった。
  消え方が、いかにも、優美である。
  薄く煙が棚引き、蝋燭の芯は、くすぶり、ちょっと荒々しい
  目配せをしてから、こちらを暗闇の中に残す。”
      
                                   【「丘の家のジェーン」 第22章】

   そんなこんなで、『カフェ「薔薇の詩
  (ポエム)』 の開店となりました。
  (前回は こちら

   カップは今日も土物です。
  秋は、どうしても温もりのある、
  こちらを手に取ってしまいます。

   テーブルセンターは、これも帯を。
  例の叔母に貰った物です。
  と言っても模様、見えませんね。

   そして今日も、ティーベル代わりの
  土鈴は、能登土産。

   「チリン、チリン・・」 と、結構大きな音を響かせます。
  鬼の顔は怖いですが、ご愛敬で。