【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

忘却の風

2020-06-28 17:11:56 | 香る庭の花綴り


















 アンは自分の部屋に飾るのに
花瓶に一杯の 6月 の百合と、
書斎のギルバートの机に置くのに
スーザンの芍薬を切っていた・・・・・
(中略)
特別暑かった6月の日中が過ぎて、
空気は生き返ったようになり、
港は銀とも金とも分からない
色になっていた。            
            
【「炉辺荘のアン」 第5章】










今年はコロナで長い事、家の中にこもっていたせいもあって、
季節の移り変わりが早く感じられてなりません。
気が付けば・・既に夏。(それにしてもこのフレーズ、何度か口にしましたね)

今は梅雨の真っ最中ですが、
今の所、例年と違って雨が何日も降り続くという事はありません。

尤もまだ終わった訳ではありませんから、これから先の事は分かりませんけれど。
コロナに加えて大雨、洪水・・にならない事を祈るばかりです。

ところで庭の花々。
かろうじて木香薔薇はブログに載せたものの、
大好きな薔薇もジャスミンもパスする始末。
一応、写真は撮るには撮ったのですが、そのままになっていました。

とは言え、今日の紫陽花も百合の写真もまだ先初めの頃のものです。
紫陽花は今では盛りを過ぎ、その色もかなり青味を増して来ています。
もうそろそろ終わりでしょう。
花は盛りが美しいのは勿論ですが、終わりかけも何とも言えない風情がありますね。

そうそう、余談になりますがその紫陽花。
花の終わり方のでしょうには色々ありますが、
紫陽花は 「萎(しお)れる」 と言うのだそうですね。一方、「しがみつく」 と言うのも。

そう言えば、紫陽花は花びらを散らす事なく、
そのままの姿で存在していますものね。まるでドライフラワーのように。

因みに桜は 「散る」、梅や萩は 「こぼれる」、朝顔 は 「萎(しぼ)む」、
牡丹、芍薬(シャクヤク)は 「崩れる」 、椿は 「落ちる」、
雪柳は 「吹雪(ふぶ)く」、菊は 「舞う」 など。
日本語って何と美しいのでしょう。

俯く春から春爛漫へ

2020-04-28 19:30:01 | 香る庭の花綴り



【たわわに咲く 「木香薔薇(モッコウバラ)」】








 その春、何という恐怖が
 のしかかったことであろう ――
 あのように美しいあの春に!
 けだるい日々、太陽の輝く青空、
 まだ青草の燃え出ぬ大地に
 喜び迎え入れられる俄か雨の柔らかな音、
 水仙やイチハツや菫、

 淡紅色と白の妖精国と化した果樹園、
 小川のせせらぎ、小鳥の美しい歌。
 そうだ、妙なる春の喜びが国中に
 満ち満ちていた。           
     
【「アンをめぐる人々」 5.】







季節は冬を過ぎ、いつの間にか春。
しかも桜の季節はとうに過ぎ、春真っ盛りの黄金週間に。

言うまでもなく今年は、コロナ騒動のせいで、
ともすれば俯(うつむ)いていたような気がします。気分的にも。

庭に目をやれば、季節の花が美しい花を咲かせてくれていましたのに。
しかしながら、木香薔薇が満開になり、香りの女王、ジャスミンがスタンバイ、
その上花の女王、薔薇までも・・となると、流石(さすが)に気分も華やいで来ますね。

俯く春と言えば・・俯く花の代表であり、大好きな早春の 「匂い菫(ニオイスミレ)」 。
これさえも今年はスルーしてしまったのでした。次に咲いたのが 「クリスマスローズ」 。
写真は少し前の物ですが、今もなお健在です。

そうそう、ハンカチを利用してマスクを作りました。
中にキッチンペーパー等を挟めるようになっています。
花柄で少しでも明るい気分でいられますように。








【手作りマスク】








【クリスマスローズ】

広がる蒼の世界 ~ 朝顔

2019-07-20 17:10:08 | 香る庭の花綴り












 ・・・しかし朝顔そのものが
 夢の花だと思っています。
 どんなに美しく咲いても
 花は1日でしおれてしまいます。
 つまり・・・槿花きんか、一 朝の夢です。  
 
【坂妻夫作 「空中朝顔」 より】







気が付けば7月も後、10日余り。
巷(ちまた)では今日から夏休みに入ったようですね。

今年は、ここまでうだるような暑さというのがありませんでしたので、
気持ち的には、なかなか盛夏モードに入って行けません。
そう言えば、蝉(セミ)の鳴き声、聞きましたっけ・・?

そんな今年の夏ですが、「朝の美人」 こと朝顔が今、見頃を迎えています。
こちらの品種は 「琉球朝顔」。

花びらも葉っぱも大きく、(日本朝顔と違って)
ドカン、ドカンと咲き、何ともダイナミックです。

尤も私は、繊細な日本朝顔の方が好きですが・・。
ただ今年は少々、不作。

そうそう繊細と言えば、自然の贈り物、「山百合(ヤマユリ)」。
もう一つのそれが、ここに来てぐんと背丈を伸ばし、
どうやら花を咲かせる態勢に入ったようです。

こちらも自然の贈り物に変わりありませんが、
一足先に咲いたものとは品種が違うよう。
背丈は倍近く、葉っぱはより繊細で密度濃し。楽しみです。

惹かれる涼色 ~ 紫陽花

2019-06-07 16:36:38 | 香る庭の花綴り












 瑞々みずみずしい花の色がそのまま黒土にしたたるように
 紫陽花の花に雨が降りしきる。
 青さが鮮やかで、
 まるで巨大な青の粒のように咲く紫陽花・・・
             
【曽野綾子作 「夫婦の情景」 より】








目覚めたのは7時前。重い二重窓を開け、雨戸を繰ると今朝は雨。
外は思った以上に激しくて、ちょっとびっくり。
降り出しはもう少し遅い時間かと思っていたものですから。

それと言うのも、今日はごみ出しの日で庭木を伐採した枝葉が、
5袋位はあった筈。傘片手に雨の中を運ぶと思うと、ちょっぴり憂鬱。

案の定、長いスカートを履いていたものですから、
家の階段を降りるだけでもうビショビショ。結局着替える羽目に。
何をしているんだか。

さて、気を取り直して。
庭の紫陽花が咲き始めました。いよいよ紫陽花の季節の到来ですね。
雨の似合う花ですものね。

我家のは咲いてまだ日が浅いので、青味は深くありません。
これから日を追うごとに雨が降るごとに変化して行くことでしょう。楽しみです。
(写真は昨日撮ったものです)







【もう一つの紫陽花】



始まり(令和)のストーリー

2019-05-01 15:20:10 | 香る庭の花綴り







【「木香薔薇(モッコウバラ)」】






 「新しい日が窓をたたいているわ。
 あたしたちに何を持って来てくれるのかしら」
 ミス・オリバーはかすかに身震いした。
 リラのような熱意を込めて
 日々を迎えた事は決してなかった。     
            
【「アンの娘リラ」 第3章】











いよいよ新しい年、「令和」 の始まりですね。
こちらは、生憎の空模様で明けました。ごく弱い雨が降ったりやんだり。

それでも何なのでしょう・・。
昨日の続きなのに、決してそうではない清々しい気持ち。
「令和」 という、凛とした響きも心地良くて身も心も引き締まる思いです。

それにしても、お正月と今回、短期間に2度も
新年を経験する事が出来るなんて。何とも有り難いですね。

さて、庭の 「木香薔薇(モッコウバラ)」が今、満開です。
本来なら既に散っていてもおかしくないのですが、
幸いにもこの所の寒さで、持ちこたえてくれています。
そう、「平成」 から 「令和」、2代に渡って。

そうそう、香りの女王 「ジャスミン」 も1輪、2輪・・と綻(ほころ)び始めました。
本来、これら2つの花は、コラボする事はありませんが、
ひょっとしたら今年は何とかいけるかも知れません。









【咲き始めた 「ジャスミン」】

春爛漫

2019-04-12 18:15:32 | 香る庭の花綴り

【満開の「クリスマスローズ」】




【こちらは色違い】




【ピンクの髪飾り ~ 「ヒマラヤ雪ノ下」】







 4月の風が松の枝を鳴らし、
 木立は 駒鳥 で賑わっていた ――
 大きな、むっくり肥えた、
 生意気な2、3羽が小径を気どって歩いていた。
    
【「アンの愛情」 第10章】







花冷えと言いますか、ここ数日、こちらは、ひんやりとした日々が続いています。
関東では雪景色も。桜と雪のコラボ・・なんて、何と幻想的なのでしょう。

さて、ブログの更新、本当に遅々としたペースになって来ました。
そんなこんなで、ラッパ水仙やヒヤシンス等は既に終了。
前回の春浅き菫(スミレ)から一気に春欄間の世界に・・という訳です。。

この所の寒の戻りのせいで幾分、ペースはゆっくりになっていますが。
それでも薔薇やジャスミン、木香薔薇(モッコウバラ)は
例年以上に蕾を付けています。                   

一方、足元に目をやれば・・。
今の季節、庭のあちこちに蓬(よもぎ)が生えています。

食すれば健康効果の高い和製ハーブですが、結局は何もしない私です。
とは言え、銀灰色の柔らかい蓬は、抜くのが忍びなくて。複雑な心境です。

そうそう、木香薔薇と言えば・・。
今年も、この薔薇のアーチの下でお茶をしようと友人と約束しています。
やっと薫り高い自家焙煎の珈琲も見つけたし、今から楽しみです。








【待ち遠しい「木香薔薇」】

春は菫から

2019-03-11 17:18:16 | 香る庭の花綴り












 春はもうその角まで来ており、
 私は喜び以外の全てを忘れ去った。              
       【「エミリーはのぼる」 第19章】 








あれよ、あれよと言う間に桃の節句、「雛祭り」 も過ぎ、
気が付けば3月も半ば。すっかり春らしくなりました。それより何より・・

私にとっては足元に咲く小さな花、菫(すみれ)を見つけた時の喜び。
ともすれば、見過ごされてしまいそうな俯(うつむ)く花。
それでも私の春は、菫と共に始まると言っても過言ではありません。

同じ咲くにしても赤銅色の葉を一気に伸ばし、咲くぞ、咲くぞと
序章さえも華やかな薔薇に比べ、あくまでもひっそりと・・。

あるがままに季節がくれば花を開き、
香を放ち、それとなく春の訪れを知らせてくれる・・。
所謂(いわゆる)、薔薇の対極にある花。そんな清楚な菫が好きです。

一方、同じ俯く花ですが、菫よりも存在感のある、
「クリスマスローズ」 も花芽を付けていました。
ヒヤシンスも顔を出し始め、冬枯れだった庭も賑やかになりそうです。










【クリスマスローズ】

はじける梅雨色

2018-06-10 18:58:35 | 香る庭の花綴り

















 高尾加代子は鋏を持って庭へ降りると、
 一面に咲き乱れている紫陽花を眺めた。
 雨上がりの庭にはまだ露が残っていて、
 陽の光の中でキラリと輝く。
 気に入った紫色の花を数本切り取って、
 加代子は座敷へ戻った。
 チョコガラスの花瓶に、
 その紫陽花は、とてもよく似合った。
       【山村美紗作 「京都化野殺人事件」 より」】 









梅雨に入ったので当然の事ながら空は鈍色に曇り、時折、ごく弱い雨が
降るという、こんな今日。とは言え、6月の光は思いがけず明るくて驚きます。

尤も、6月、梅雨、暗い・・と思い込んでいるだけのような気も。
繁りの深まる木々や雨がちの気分にもよるものかも知れません。
そうそう気分と言えば・・。

MLBの大谷選手、故障者リストに入りましたね。
4月の開幕以来、出場の日はテレビ観戦し、楽しんでいましたのに。
心にポッカリ穴が空いてしまいました。

羽生選手もそうですが、アスリートは怪我との闘い。
この上は、1日も早い回復を祈るばかりです。

きっと大丈夫。強運の持ち主ですもの。
これまで同様、いいえ、これまで以上に強い大谷選手で戻って下さると信じています。

ところで、長年に渡って不調だった我家の紫陽花。
去年辺りから 「山紫陽花(ヤマアジサイ)」 が咲き、微かな予兆はあったのですが、
今年は手毬型の紫陽花も咲いてくれ、?年振りに純白の紫陽花も。もう嬉しくて。

紫陽花は雨が似合いますが、おまけにその色は青や白と言った爽やかな涼色。
自然からの贈り物の百合も同時に咲いて白の共演です。

そうそう、白と言えば 「半夏生(ハンゲショウ)」 も、
その葉を白く染め始めました。この季節独特の植物ですものね。

















召しませ香り! ~ ジャスミン編

2018-05-05 21:02:18 | 香る庭の花綴り





【「ジャスミン」 開花】








花のが立ち込め ――
重苦しいほどであった。
堪能たんのうし過ぎた感覚は縁まで溢れたさかずき
つきつけられた時のように、
それから反撥はんぱつを感じた。
     【「アンの愛情」 第38章」】 








今日も爽やかな五月晴れとなりました。
ただ、昨日もそうですが今日も小々、寒くて。

お昼頃には室温も20度を越えましたが、朝などは20度を下回る始末。
最近、気温の上下降が激しいですね。

さて、未だにオリンピック(羽生結弦)の余韻冷めやらぬ私ですが、
同時にエンゼルス、大谷選手にもハマっています。

尤も日ハム時代はそうではなかったのですから、
所謂(いわゆる)、エンゼルス落ち? と言ったところでしょうか・・。

元々、巨人ファンという事もあったかと思うのですが、
長嶋監督と松井選手がやめた辺りから徐々に熱が冷めて行った気がします。
子供の頃から巨人一筋でしたのに。

とは言え、松井選手のファンと言うより巨人の松井だから応援していたのだと思います。
今のように、大リーグの試合まで見る気はありませんでしたから。

何より大谷選手の本当に楽しそうに溌溂としたプレーするのを見るのが好き。
エンゼルスの赤いユニフォームも良く似合います。

そして今日も2安打を放ちましたものね。投げて良し、打って良し、走って良し。
この上は、怪我をせず、これからも活躍する事を願ってやみません。

ところで容姿の美しさも然る事ながら、礼儀正しさにも2人には共通点がありますね。
羽生選手もそうですが、大谷選手も打席に入る前には球審と捕手に向けて軽く一礼し、
出塁すると塁審と内野手にも挨拶と・・。恐るべし23歳です。

いつの間にか話が逸(そ)れました。
まだ満開ではないのですが、今、ジャスミンの香りに家中、包まれています。

どういう訳か今年は花付きがもう1つなのですが、香りは遜色ありません。
さすが、香りの王様! 本領発揮といった所です。

そうそう、季節の花、花菖蒲が咲きました。
菖蒲と言えば、「菖蒲湯」 を思いますが、最近は銭湯が少なくなって
風流な 「菖蒲湯」 の張り紙を見ませんね。

しかしながら 「柏餅」 の方は、この季節になると、
そこそこのお菓子屋さんの店先に張られているのを見ます。

記憶にあるのは、硝子戸に張られている墨字で書かれたもの。
印刷ではない所に昭和の名残りを感じます。









   

夢トンネルの向こう側

2018-04-21 18:05:05 | 香る庭の花綴り






               
    







 アンは窓を開け放って
 春へと身を乗り出した。
 子供達の庭には既にレタスの新芽が
 曲がった小さな列を作っていた。
 夕日は楓林の後ろに柔らかく
 淡紅色に沈もうとしており、
 窪地から微かに子供達の
 美しい笑い声が響いて来た。
 「春があまり美しいので、
 眠って、少しでも逃がすのがいやだわ」
 と、アンは言った。    
     【「炉辺荘のアン」 第23章」】 








快晴の空となった今日。
気温もぐんぐんと上がり、汗ばむような陽気となりました。

尤も、それは戸外だったり動き回ったりした時。
家の中でじっとしていると意外にそうではありません。
寧ろ、しんとしている室内は、暗くて冷たいくらい・・。

さて、檸檬色の木香薔薇が満開となりました。
この花が咲くと、いよいよ春もたけなわという感じがします。
ただ残念なのは、こんなにたわわに咲いているのに香りがない事。

今の所、足元に咲くフリージアで代用していますが。
もうすぐ香りの王様、ジャスミンが控えていますものね。
勿論、本家の薔薇も。ここは、暫(しばら)く我慢するしかなさそうです。

そうそう、午後も遅くなって急に思い立って近所の友人を呼びに行きました。
幸い在宅でしたので木香薔薇を眺めつつ、珈琲を飲みながらお喋り。
今の季節は日が長いのでいいですね。