【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

美の源泉

2012-08-31 15:05:35 | 薔薇の追憶






「あのね、あたしは例えあおいの花でも1つ1つに   
ハンドルが付いてる方が好きなの。
手掛かりがあって、
余計親しい感じがするのよ。
ただ葵と呼ばれるだけだったら
きっと葵が気を悪くするんじゃないかしら。
小母さんだっていつもただ女とだけしか
呼ばれないのはいやだと思うわ」               
                  【「赤毛のアン」 第4章】


   ここ2、3日起床時の空は、真珠色でしたが、
  今朝は、再び “朝から太陽” が復活。

   おまけに部屋の中にも日光が入って来るようになりました。
  それは、ゴーヤの葉影を伴っていますから、太陽が真上にあった頃より、
  幻想的な雰囲気を醸(かも)し出しています。そう言えば、このゴーヤ。

   ここに来て、甘い香りを発散。
  一昨日の 薄荷 ではありませんが、
  秋の初めにも、よりその香りを強くするのかも知れませんね。

   そしてもう1つ、この時期特有の月の美しさ。
  折しも今日が満月のその月を昨夜は眺めながら
  眠りに着くという恩恵に与(あずか)る事が出来ました。

   厳しい残暑の中でも確実に移ろっている季節。
  しみじみと感じてなりません。



【ピンクの少公女】



   さて、今日も薔薇の話題を。
  今日の アン ではありませんが、
  私は、これまで大雑把(おおざっぱ)に花びらがカールしているそれを
  「公爵夫人」、していないものを 「淑女の薔薇」 と呼んで愉しんで来ました。
  ここで新しい発見。

   「公爵夫人の薔薇」 の中にも今日の薔薇のように、
  佇(たたず)まいを最後まで変えないで凛としているものもあれば、
  中には開花するに従って実にユーモラスな? 
  (滑稽と言ってもいいかも知れません)姿になって行くものも・・。

   開花しても律儀に、その姿を保っているのには驚かされます。
  きっと一族の女王なのでしょう。公爵夫人の中の公爵夫人!

   ところであまり登場しませんが、リラ版 「ピンクの少公女」、
  オールドローズも健在です。こちらはポプリに。

   このようなピンクは最初のうちはいいのですが、
  気が付けば色が抜けて、ベージュに。

   ただ、上手く行けばアンティークローズ色になり、
  それはそれで結構、趣きがあります。

   そうそう余談になりますが、“身を美しく” と書いて 「躾」しつけ ですね。
  これは日本で考え出された独特の漢字なのだとか。
  昔の日本人の美意識が分かりますね。

   「美しく生きる女と書いて生姜・・」
  ~とは今、テレビで盛んに流れている健康補助食品の CM。

   躾によって長い時間をかけて心身が美しくなるのと、
  健康補助食品によって安易に(見かけが)美しく・・。

   尤もそれだけではないと思いますが、
  今の世相を反映しているような気がしてなりません。

フリルがいっぱい!

2012-08-30 17:20:17 | リラのお気楽ユメ日記
 
【赤と黒】




ジャネットは教会の祈祷きとう会にアンを誘った。
(中略)
ジャネットはさながら薔薇の花が
開いたかのようだった。
倹約家のジャネットに良くも出来たと
思う程ひだ飾りの沢山ある、
パンジーを散りばめた、水色のモスリンの
服を着込み、ピンクの薔薇と、駝鳥だちょうの羽根が
3本付いている白い麦藁むぎわら帽子をかぶった。
                 【「アンの愛情」 第32章】


      今日も真珠色の空で明けました。
    ただ雨が降ったようで庭の植物たちは、雨粒の衣裳を。

     こんな天候だからでしょうか、
    気温のわりには湿度がかなり高くなっています。

   そんなこんなで不快指数は最高潮。
  今日も残暑、厳しい1日となっています。

   そして今日は昨日から一転、蛁蟟(つくつくぼうし)を初め、
  昨夜の宴会の余韻でも楽しんでいるのでしょうか・・
  午前10時頃まで鳴いていたものです。




   さて、今日の写真。
  袖が4段フリルになっている、黒のブラウスは、近所の友人からの貰い物。

   つい先日の事、「私には似合わないから・・」 と。
  若かりし頃、「ミス着物」 だった彼女。

   似合わない筈はないのですが、有り難く頂きました。
  何と言ってもレースの次に好きなのは、フリルですから。

   その時、私の脳裏に浮かんだのは、あの 【スカート】
  そう、ワンピースをスカートにリフォームしたそれです。

   首に赤と黒のスカーフを巻いてみました。
  腰に巻いて、ベルトにしてもいいですね。

   と言ってもこのスカーフは、
  別のワンピースの物を取って置いたものです。
  何かに使えるかと思って長い事。

   スカートもそうですが、こんな風に再利用出来ますと、
  何だか嬉しくなります。次は何にしようかな・・?

晩夏の群青

2012-08-29 15:51:11 | ハーブと香り雑学





港の向こうから教会の鐘が
微かに美しく聞こえて来た。
月は水に模様を描き、
砂丘は銀色にかすんで光っていた。
空中には 薄荷はっか の匂いが漂い、
どこか目につかない所の 薔薇
たまらなく甘く香っていた。
6人も子供がいるにも関わらず、
今なお若々しい目で夢見るように
芝生を眺めていたアンは、
月光を浴びたロンバルディ・ポプラの
若木ほどほっそりとして
妖精じみたものはまたとないと思った。               
              【「炉辺荘のアン」 第16章】


   “朝からカンカン照り” の空から解放された今日。
  久し振りに真珠色の空で明けました。

   相変わらず風は吹いていますが、
  今日の風は、ちょっぴり湿気を含んでいて。

   それにしても昨日、あれだけ鳴いていた
  蛁蟟(つくつくぼうし)や、その他の虫たち。
  今日は今の所、ピタッと治まっています。

   居ながらにして聞く虫の声は少々暑くても、
  すぐそこに秋が待っているような気がして好きなのです。

   そうそう昨日の三島由紀夫に続き、
  今日は 『アンの世界』薄荷はっか の描写を。

   この薄荷の香り・・セージもそうですが、
  夏の終わりには、より香りが強烈になるのかも知れません。
  薔薇もそうですものね。

   生憎、薄荷(ミント)とカモミールは、我家ではなぜか不調。
  一般的には育てやすいハーブと言われていますのに。

   それにしても三島由紀夫と薄荷。一見、意外な組合せ。
  でも、シェイクスピアの影響を受けたとしましたら当然ですね。

   

        そう言えば、
     ステビアにも花芽が
      付きました。

      芹(セリ)に似た、
     可憐な白い小さな花が
      今から楽しみです。

     今頃の季節の風は、
     「色なき風」 と
     言われていますが、
    我家を吹き抜ける風は、
      「青い風」。

     尤も、5月頃の青葉を渡る
   風の事を 「青嵐」 と言いますので、
   「群青色」 という事にしましょうか・・。

    そしてもう一つ、晩夏の香りは、
      薄荷で決まりですね。  

薔薇1輪の洗練

2012-08-28 16:18:16 | 薔薇の追憶











夏が終わりかけている。
この感じはいつも強烈だ。
言葉のあたう限り痛烈だ。
空には 鱗雲うろこぐも積雲 がこもごも現れ、
空気の中にほんの少しずつ
薄荷はっか が混じって来る。                 
     【三島由紀夫作「天人五衰」~『豊饒の海Ⅳ』】



   ほぼ昨日と同様の
  天気となりました。

   相変わらず日中は、
  残暑が続きます。

   ただ昨日と違って、
  見上げた空には
  鱗(うろこ)雲。(写真) 

   こんな空こそ、三島由紀夫の
  描いた空の通りではありませんか。

   こちらの文章、つい先日も登場したばかりですが、
  敢えてもう1度。こんな風に暑さの中にもふと感じる秋の気配。

   今日は蛁蟟(つくつくぼうし)の鳴き声と共に、日中でも虫の声。
  勿論、夜の演奏会は日に日に盛会となりつつあります。
  そうそう 薄荷 の事。

   先日は、青い空 (硬い空)で
  吉屋信子と三島由紀夫の共通点を発見しましたが、
  今度は薄荷で、モンゴメリー、『アンの世界』 との共通点。
  面白いですね。

   









   


   そして今日も薔薇。
  連日のようにお伝えしていますし、同じ赤い薔薇ですから
  変わり映えしませんね。でもその表情は毎日違います。

   忘れてはならないのが蕾の美。
  これこそ薔薇の薔薇たる所以(ゆえん)でしょう。
  プラス、香り。もう夢中です。

雅(みやび)を愛した陶工の美意識

2012-08-27 17:18:58 | 趣味の器(壺)~その他



【「薩摩焼」 原良窯(上)・「九谷焼」(下)】


【九谷焼】






「・・・ 私には風のおばさんが静かな静かな
足音で丘を越えて来るのが聞こえるわ。
これからいつも風を人間として
考える事にするわ。
北から吹いて来る時の風は
がみがみ女だし ―― 東から吹く時は
寂しげに何かを求める人だし ――
西からの時は笑っている少女だし ――
今夜のように南から吹いて来るのは
小さな灰色の妖精よ」
              【「エミリーはのぼる」 第12章】


   


   

   朝晩は、ほんのちょっぴりですが、
  “秋” を感じるようになりました。

   今日は少々風が強く、目の前の背丈を伸ばした
  マリーゴールドが右に左に大きく揺れています。
  それでも日中は気温がぐんぐん上がり、今日も猛暑日です。

   そうそう、その風は東南の風。という事は・・。
  真ん中を取って、寂しげに何かを求める
  小さな灰色の妖精? なのでしょうか・・。








【やはり土物が好き 「備前焼」】

 
【「瀬戸焼」 ~ 加藤令吉】


   




   さて、今日私は 「時代屋の女房」? をしています。
  と言いますか、先日来からの押入れの整理を続行中。     

   壺(花瓶)は大好きですから、
  これまでも結構、出したり入れたりしているのですが、
  それでもすっかり忘れている物も。

   おまけに以前には見向きもしなかった、
  絵付きの物に惹かれてしまったり。

   人間って、変わりますものね。
  土物は勿論、変わらず好きですけれど。







【「時代屋」 開店!】

晩夏の薔薇~その2

2012-08-26 17:32:27 | 薔薇の追憶












8月 の懐かしいグレン村は
何と美しいのだろう! 
木陰を連ねた古い家々、
耕された牧草地、静かな庭。
西の空はさながら大きな金色の真珠であった。
(中略)
辺りは妙なる物音に満ちていた ――
眠そうな駒鳥の鳴き声、
薄暮の樹木を渡る風の素晴らしい、悲しげな、
柔らかなつぶやき、優美なハート型の葉を
揺らせながら銀のようなささやきを交わしている
ポプラのさらさらいう音、
(中略)
世界は気も狂いそうに
美しい音と色彩に浸っていた。
                   【「アンの娘リラ」 第3章】


   




   今日もカンカン照りの空となりました。
  夕立の心配もありません。
  朝、珍しく蝉が啼いたと思いましたら・・。

   何と蛁蟟(つくつくぼうし)。
  相変わらずの残暑で、いい加減うんざりですが、
  季節は確実に移ろっているようです。

   それにしても本当に、
  「ツクツクボウシ、ツクツクボウシ・・」 と啼くのですね。

   いつも思うのですが、いつ、どこでどうして
  彼らにそのスイッチが入るのでしょう。不思議です。

   この蛁蟟(つくつくぼうし)にだけは
  ユーモラスなものを感じてなりません。

   思い込んで聞くと、その通りに聞こえるのですから。
  ある意味、心の代弁者かも知れません。
  













   



   さてもう一つ。
  季節の移ろいを感じるのは、こちらの薔薇からも。

   これも再三申していますが、晩夏の薔薇には虫がほとんど付かなくなり、
  最盛期の頃(5月)より、よりスリムに、より美しくなります。
  それこそ、丹誠込めた薔薇。

   そうそう全くの偶然ですが、丹誠の 「丹」 とは赤い色の事だとか。
  同時に 「赤」 は 「明るい」 に通じ、「明らかな」 とか、
  「正真正銘」 といった意味があるようです。

   の他人」 「裸々(せきらら)」 などがそうですね。
  こじつけもいい所ですが、晩夏の赤い薔薇の美に、ついこんな事を思ったりして。

   私などにすれば、「端麗 な薔薇」 を 「丹麗」 と書き変えたい位。
  ~なんて。ちょっと言い過ぎですね。

夢と現(うつつ)をたゆとう時

2012-08-25 16:16:26 | リラのお気楽ユメ日記











空想の世界に彷徨さまよい込む時には
自分1人で行かなくてはならない事を、
アンは大分以前に知ったのだった。
空想の世界に行く魔法の小径には、
最愛の者でさえ、ついては来られないのだった。                 
                    【「アンの青春」 第2章】


   





   こちらは昨夜からほんのちょっぴり秋の気配。
  起床時も涼しく、今朝などは “戸外で朝食もいいな・・・”
  ~なんて。

   おまけに切らないで背丈を伸ばしている藜(アカザ)も
  かなり生長して来ましたから。

   (それに、杖にもなると言われている丈夫な枝を
  今年こそ、自分の目で確かめてみたいのです)

   ただ、ぐずぐずしているうちに、いつものパターン。
  気温もぐんぐん上がって来て・・何より億劫に。困ったものです。









【虹色のハンモック】


   




   とは言え、食事を運ぶのは億劫だけれど、
  木の葉がサラサラと揺れる木陰で、
  ひと時を過ごすのは、イヤではありません。

   妖精の糸? で編んだ虹色のハンモックもありますし、
  「想像の余地」 には事欠きませんから。








   




   ところで話題は、ガラッと変わって。
  弱腰外交の付けで、今日本が大変な事になっています。

   お隣の国には、それこそ目に余る非礼を受けながら、
  テレビの居並ぶコメンテーター達は・・。
  「日本は冷静に」 「同じ土俵に上がらないで大人の対応を」 等など・・。

   一見、もっともらしいですが、
  相も変わらず判で押したようなコメントばかり。
 一体、どこの国のメディアなのでしょう。

   昨日辺りからネットで盛んに流されているこちらの映像。
  どうしてどこの局も流さないのでしょう。
  どうやら巷の噂は本当のようですね。

   台湾は昨年の震災でも、多額の義援金を寄付して下さいました。
  今回の尖閣の件でも活動家の寄港を許さなかったとか。
  それなのに・・。ちょっとおかしいのではありませんか・・?







青い壺

2012-08-24 16:27:56 | 趣味の器(壺)~その他

【水色の地に藍の花 「七寳玉釉唐草」 ~ 安藤七宝店


【青磁の壺 (宇野 宗堯) & 飾り皿(有田焼 「今右衛門」】








青い陶器の空 に空が澄んで、
真昼静かに、その郊外の道の辺りの松林に、
松の淡黄の花粉が散る ――       
              【吉屋信子作 「女の教室」】


   




   起床時は雲、一つない青空。
  しかも雨が降ったようで、キラキラ、キラッ~☆

   雨粒の宝石を纏(まと)った植物達の美しいこと!
  その中でもひと際、目を引く薔薇。

   どんなに暑くても変わりなく凛と咲く姿に、
  どれだけ勇気を貰った事でしょう。

   そんな薔薇でさえ、
  今朝ばかりは満面の笑顔のように見えるのです。
   












【こちらは昨日の壺】



   


   さて、今日の写真。
  「青い壺」 なんて、そのものズバリのタイトルですが、 
  シンプルなそれには、神秘性を感じます。

   そう言えば、同名の小説が有吉佐和子の本にありますね。
  もう一つ、A・クリスティーの小説(短編)には、
  「青い壺の謎」 と言うのも。

   いかにもミステリー性たっぷりですが、
  この短編は、珍しくミステリーではないようですけれど。
  それにしても、青い壺には独特のものがありますね。

   ところで青が好きな事は、再三述べていますが、
  硝子ならまだしも、陶器にはあまりありませんね。

   色もそうですが、ヒンヤリした感触も夏にピッタリです。
  8月も後、1週間。滑り込みセーフと言った処でしょうか・・。

   そうそう今日の引用文の 「青い陶器の空」。
  冒頭の写真のような陶器(実際には七宝)なのかも知れません。

   壺の地色は写真では白に見えますが、実際は水色です。
  この壺を見て大いに納得したという次第です。

陶と癒やしの空間

2012-08-23 19:05:05 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編





夏が終わりかけている。
この感じはいつも強烈だ。
言葉のあたう限り痛烈だ。
空には鱗雲うろこぐもと積雲がこもごも現れ、
空気の中にほんの少しずつ
薄荷はっか が混じって来る。        
     【三島由紀夫作 「天人五衰」~『豊饒の海Ⅳ』】
 



【太陽を受けてキラキラ☆~透ける青空】


   こちらは今日も
  猛暑日です。

   暦の上では「処暑」、
  そろそろ暑さも治まる
  筈なのですが・・。

   それでも空と雲、
  日と影の長さ、
  暑い中でも頬をよぎる風に
  ふと秋を感じるのですが・・。

   ところで、ここ2日間ばかり
  ゴロゴロと雷は鳴るものの、
  幸い音だけで通り過ぎて
  行ったものです。

   しかしながら、
  3度目の正直。

   今日は雨を伴って
  やって来ました。
  時間は午後4時過ぎ。

   そんな気配は、全くなかったものですから、驚いています。
  雨と雷は言うに及ばず、風も出て来て。
  尤も、これがゲリラ豪雨というものなのでしょうけれど。


     そんなこんなで又々、PCが使えない羽目に。
    まだ雨は降っていますが、(小雨)
    今やっとPCを開いた所です。

     さて、今日のお茶タイム。(冒頭の写真)
    前回の物よりも小さめのイーゼルを又々、
    実家から持ち帰りました。

   今日のような複製画にしろ
  何にしろ、絵に囲まれての
  お茶タイムは、落ち着きます。

   およそ10日振りですね。
  『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』
  開店と致しましょう。

   しまい込んでいた、
  エメラルドグリーンの壺が
  出て来ました。

   カップは、いつもの信楽焼。
  「美味しいお茶が入りましたよ」   

晩夏の薔薇~白い貴婦人

2012-08-22 16:56:16 | 薔薇の追憶






天頂には青空が開けた。
いつか図書館の美術全集で見た
フォンテエヌブロー派の天井画風な、
気取った吝嗇りんしょくな青空。
思わせぶりな雲と共に、抒情的に装った
この青空は、決して夏の空ではない。
空は甘い偽善で覆われていた。
       【三島由紀夫作 「天人五衰」~『豊饒の海Ⅳ』】



   
   暫く耳にしなかった蝉の声をひとしきり聞いた朝。
  瞬間的に頭をよぎったのは、“今日も暑そう・・” という事。

   ただ、その声も夏の初め頃と今とでは、
  違う気がするのは気のせいでしょうか・・。

   西洋人には騒音以外、何ものでもない蝉の声に
  風情を感じるのは日本人だけと言いますものね。
  紛れもなく蝉の声は、夏の風物詩でしょうから。

   それでも8月も残り少なくなりますと、
  いくら暑くても、そこかしこに往く夏を感じ、
  少々、感傷的になっているのかも知れません。

   さて昨日に引き続き、今日も薔薇を。
  ご覧の通り、白薔薇です。そう、リラ版 「白い貴婦人」。

   白百合もそうですが、白薔薇には、
  とりわけ純粋さや気高さを感じます。

   そう言えば白薔薇は ギルバート が好きでしたね。
  因みに赤は レスリー、ピンクは アン。黄色は メアリー小母さん です。




【西の空】


【北の空】


   こちらの空は昨日の黄昏。刹那の空。 
  こんな空になるのも晩夏だからでしょうね。
  春から夏の間、変化のなかった空が面白くなります。

   ところで今日も、ゴロゴロ。午後2時頃だったでしょうか。
  結局、雨は降らないまま雷は逃げて行ったのですが・・。

   通り過ぎて行ったその空は丁度、今日の引用文の如く。
  吝嗇な青空、甘い偽善・・素晴らしい空の形容です。