

カラッと晴れ渡った天気になりました。
日中はまだまだ暑いけれど、
もうすっかり秋ですね。
照り付ける太陽にも夏とは違う
独特の秋の匂いを感じます。
いつか秋には匂いがないと
申しましたが、いいえ、いいえ・・。
どうやら失念していたようです。
さて三島由紀夫の 『豊饒の海』。
後、まだ残り2巻残っています。
とは言え・・。
大層面白いのですが、この本を
書き終えた後、例の自裁(1970)が
ありますから、小説の中にどうしても
氏を投影して見てしまうのです。
透明で純粋な魂。それ故に・・
そんな息苦しさを払拭するお口直し? の1冊には、やはりアガサ・クリスティー。
例の短編、「火曜クラブ」 の続きを・・となった次第です。
ここでの謎解きはポアロではなく、ミス・マープル。
どうやら、この 「火曜クラブ」 の13の事件から初登場のようです。
ここで又々、発見。
【電車での化粧】 に続き、今盛んに世間を騒がせている、
家族の年金搾取問題も登場しているではありませんか。
かれこれ7、80年前の小説ですのに、ちっとも古くない・・。
小説の偉大さを思います。
それにしても、イギリスではこんなに古くからこのような事件が起きていたのですね。
いずれも日本では、100年近くも遅れるような良い国でしたのに。

「(中略)・・・あの人は、3人のおばあさんの名義で、 あちこちの教区で養老年金をただどりしていましてね」 「複雑巧妙な犯罪のようですな。(中略)」 「(中略)・・・世の中にはひどく貧しい一家もおりますのよ。 その養老年金が子供たちにとっては、 大変な有り難みを持っていたんですわ。 他の社会層の方にはなかなかお分かりにならないでしょうねえ。 ・・・(中略)」 ~アガサ・クリスティー 『火曜クラブ』 より 「2人の老嬢」 |
