【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

ハリー・ポッターと謎のプリンス

2009-07-24 20:16:22 | 映画の香り




     朝早い時間こそ、真珠色の空でしたが、こちらは今日も晴れました。
    ただ、昨日もそうでしたが、今日も結構風があり、
    それほどの暑さは感じません。

     早朝から既に30度を記録していた、ここ何年かの夏に比べれば・・
    この位でしたら、ヘッチャラです。

     そんな中、上質な娯楽映画として人気のある、
    映画 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』 を観て来ました。
    
     私の中では、もう恒例になってしまった感のある、
    「戸外と室内の優劣」 の逡巡。と言いますのも・・。

      この映画は、“ジュリアンの君(きみ)2世”? に頂いた、松竹映画券です。
     しかも有効期限は今日(24日)まで。
     電車に乗って都心部まで出掛けるのも億劫・・。~なんて。

     そして私は、どういう訳かこの話題作、『ハリー・ポッター』 を、
    これまで1作も観ていないのです。
    
     でも、他の映画も、これと言って観たいものはありません。という事で・・。
    (折角の券を無駄にする訳にもいきませんし)重い腰を上げました。

     とは言え、私の大好きなイギリス映画です。そして 「魔法」。
    観なかったのが不思議・・なのですが、こうなれば、もう意地みたいなものですね。

     そこかしこで、アメリカ映画とは違う、伝統的な格式の豊かさを感じ、
    はたまた破壊的なロック、そこはかとなく漂うイギリス文化の芳醇たる香りと・・。
    興味を持って鑑賞したものです。いいえ、している筈でした。

     いかんせん、画面が暗い・・。不覚にも、ついうとうと・・。
    面白さは十分、感じていましたのに、このざまです。
    (でも、映画館で眠るこの気持ちの良さは、一体何なのでしょう・・)

     とは言え、スケールの大きな魔法バトルは素晴らしかったですし、
    様々な謎解きやハラハラ、ドキドキの出来事が盛り沢山。
    
     眠っていた事もあって、全体の把握はもう一つですが、恋の話題も織り込まれていて・・。
    もう1度、機会がありましたら、原作なり何なり読んでみたいと思います。




     ところで8月には、 こちらの映画が公開されます。
    ハチの、あまりにもの可愛さに予告編段階から、もうたまりません。
    皆様も是非、どうぞ! 



映画 「路上のソリスト」~音楽の力

2009-07-15 17:52:52 | 映画の香り


   昨日は体感的に、この夏、
  一番の暑さのような気がしたものです。
  
   今日も、起床時から雲、一つない空! 
  朝から灼熱の太陽です。
  
   ただ、今日は風がありますので、
  昨日よりは、幾分ましな気がしています。

   そう言えば・・。
  昨日この夏、初めて耳にした蝉の鳴き声・・
  
   今日は一体、どうしたのでしょう・・?
  コトリとも音がしません。
  
   さて、そんな炎天下の空の下(もと)、
  又々、予告編段階から絶対に観ようと決めていました、
  映画 『路上のソリスト』 を観て来ました。今回は、約1ヶ月遅れのようです。
  
   これをしたためています・・今この時も、
  頭の中を荘厳なチェロの音色が、駆け巡っています。
  
   音楽映画を観た時独特の、心地良い余韻・・。
  これで、暫く・・チェロ三昧の日々でしょう・・。
  
   そんな事を申しながら・・。
  何だか妙に楽しくなって来るのですから、もうどう仕様もありませんね。



   この映画は、“ロサンゼルス・
  タイムズ” の記者、ロペス
  (ロバート・ダウニーJr)が、
  路上生活者の音楽家、
  ナサニエル(ジェイミー・フォックス)と、
  出会う事から始まります。

   彼は、2本の弦しかないヴァイオリンで
  それはそれは美しい音楽を奏でます。

   ベートーヴェンを敬愛し、名門
  ジュリアード音楽院にいたと言う彼。

   ナサニエルが奏でる音楽は、
  車の行き交うハイウェイや、雑音で溢れる路上を演奏会場に変えてしまうのです。 

   この天才音楽家に一体何が・・?
  離婚して心が空っぽになっていた記者の記者魂が、揺り動かされるのに時間はかかりません。
  
   初めは、容易に心を開かなかった、ナサニエルもだんだんロペスに心を開き、
  そこには男同士の友情も・・。
  と同時に、彼を何とか救おうと色々試みるのですが・・。

   全編に流れる、ベートーヴェンの音楽と、2人の素晴らしい演技で、
  映画は進行して行くのですが、音楽の持つ素晴らしさをこれほど感じた事はありません。

   ただ、ナサニエルにとっては、有名な演奏会場が必ずしも本来の場所ではなかったのでしょう。
  戸外・・本当に音楽を心で感じてくれる鳥や動物達だって良かったのかも知れません。
  こんな所が、本当の意味での天才の天才たる所以(ゆえん)なのでしょうね。

   この映画を観て、なぜか 『海の上のピアニスト』 の主人公を思い出してしまったものです。
  レコーディングのために船から降りなければならないのに、どうしても降りられなかった・・。
  天才とは、かくも大変ですね。




【劇中で演奏された曲目】

☆ベートーヴェン╱交響曲第3番「英雄」 
☆ベートーヴェン╱弦楽四重奏曲第15番イ長調Op.132
☆ベートーヴェン╱ピアノとチェロのためのソナタ第4番ハ長調Op.102
☆ベートーヴェン╱弦楽四重奏曲第14番ハ短調Op.131
☆バッハ╱無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV.1007
☆ベートーヴェン╱ピアノ・ヴァイオリン・チェロのための三重協奏曲ハ長調Op.56
☆ベートーヴェン╱交響曲第9番「合唱付」

映画 「愛を読むひと」~答えのない愛

2009-06-24 18:01:18 | 映画の香り


   昨日は、思いもかけない晴れのお天気。
  そして今日も、青空が広がっています。
  
   今の所、湿度も60%を僅かに切っています。
  何だか随分、得をした気分・・。

   でも起床時、地面も庭の木々も濡れて
  いましたので、夜のうちに降ったようです。

   眠っているうちに降り、朝上がる・・。
  こんな雨ですと、本当に有り難いですね。

   そんな中、米、独映画 、
  『愛を読むひと』 を観て来ました。

   最近、遅れて来た映画ばかり観ていますので、
  封切ったばかりの映画は、久し振りです。(6/19~)

   実は、もう1作、頂いた券、『60歳のラブレター』 がありました。
  それをやめて、こちらにしたのですが・・。
  今、話題の映画ですし、期待していたのです。

   映画ですから面白くない事はないのです。
  ただ、私には少々、重いテーマであり、暗くて・・。
  そして何より最後が、ハッピーエンドではありません。

   尤も、そんな事を申しながら、画面には釘付けでしたが・・。
  確かに心に深く残る映画ではあります。あまり私の趣味ではないというだけで・・。

   主役のハンナを演じる、ケイト・ウィンスレットは、この映画で、
  アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞主演女優賞を受賞したのですね。
  あまり好きな女優ではない事も、もう一つの原因かも知れません。

   それにしても、15歳と36歳、年の差21歳・・。
  男性の方が成人に達しているならまだしも、そうではなくて、これが愛・・?
  どうしても、私には“美”が感じられないのです。

   そして今更驚く事でもありませんが、舞台がベルリンで、ドイツ映画ですのに、
  言葉は、英語なのですね。恐るべきハリウッド・・です。

   因みに、ハンナ役の 「ケイト・ウィンスレット」、
  大人になったマイケル役の「レイフ・ファインズ」 は、
  イギリス人。マイケルの少年役の 「デヴィッド・クロス」 はドイツ人ですが・・。

   ナチス、アウシュビッツ、ユダヤ人、裁判、監獄、・・・。
  先日の 「公爵夫人・・」 の華麗さとは裏腹で、何とも重い気持ちで帰途に着きました。

   途中、ご近所の方にバッタリ・・。
  「どちらへ・・?」 「映画の帰りなんですの・・」

   やはりと言いますか・・彼女も注目している映画だそうです。
  ひとしきり話したのですが、呉々も私の感想・・と、念を押して置きました。
  この映画、すこぶる評価が高いですものね。こんな感想、私だけかも知れません。

   そうそう、冒頭の写真。
  サイクリングに出掛け、とある食堂。レジでの会話。

   「お母様も美味しいって・・?」 ~とは、レジ係。
  母子にしか見られない年の差カップルの悲哀も感じて・・。
  (最近、ごく似たような実話を聞きましたので)

     さて、この辺でお口直しです。
    お隣さんから去年に続いて、
    山形のさくらんぼうを頂きました。

     「佐藤錦」 なのですね。
    甘くて、口の中でとろけるような
    本当に美味しいさくらんぼうです。

     先日の結婚式の引き出物に
    頂いた唐津焼のお皿に、
    早速盛らせて頂きました。






   ところで7月に入りますと早々に、こちらの映画が我街の映画館に掛かります。
  でも、やはり2ヶ月遅れ。タイトルは、「路上のソリスト」。
  やはり私にはこちらの方が・・。


  

映画 「ある公爵夫人の生涯」~美しき闘い

2009-06-17 17:33:57 | 映画の香り


     こちらは今日も梅雨とは思えない天気が続いています。
    今も雲、一つありません。快晴。

     起床時、庭の草花が濡れていました。
    あれから雨、降った形跡などありませんのに・・。     
    昨日の夕立ちの凄まじさを象徴しているような気がします。

     本来、「夕立ち」 とは、短時間に激しく降る雨の筈では・・?
    ~なんて、嘆いてみた所で詮方ない事ですね。

     でも、その激しい雨のお陰で、昼間の埃っぽさは取り払われ、
    定番でもある “空気はピカピカ光って”
    夜は美しい 「下弦の月」 を見る事が出来ました。

     ただ、妙にオレンジっぽいのが気に入りませんでしたが・・。
    一番美しい月は、冬の月ですものね。(~と心秘かに思っています)


 







   今日も、前置きが長くなって
  しまいました。

   今日は、映画
  『ある公爵夫人の生涯』
  を観て来ました。

   これも予告編段階から絶対に
  観ようと決めていた映画です。

   故ダイアナ妃を連想させる、
  ドラマチックなストーリーは勿論、
  美しい古城でのロケーションや、
  豪華絢爛(けんらん)たる衣装。

   それらをただ、眺めるだけでも、うっとりの私ですから。
  それに、 主人公のデヴォンシャー公爵夫人を演じるのは、【つぐない】 のキーラ・ナイトレイ。
  彼女の美しさには、ただ、ただ感動。この役は、まさに適役でしょう。
 
   それにしても、例の新型肺炎騒動で、本当に久し振りの映画です。
  しかも、封切りから僅か2ヶ月のスピードで、我街の映画館に掛かりました。

   映画は、故ダイアナ妃の祖先にあたる、デヴォンシャー公爵夫人の実話を映画化。
  華やかな生活の裏で、夫の無関心や裏切りに苦しみながらも、
  自分自身の信念と、愛を貫こうとしたジョージアナ・スペンサーの生涯を描きます。

   デヴォンシャー公爵夫人と言いますと、どうしても断頭台の露と消えた、
  フランス王妃、マリー・アントワネットとダブります。
  それもその筈、僅か2歳違い。同時代を生きた、美しきヒロイン達です。

   【マリー・アントワネット】 の映画も観ましたが、類い稀なる美貌や、
  ファッションリーダー的な役割など、共通点は、沢山あります。

   でも、知性と教養の点では、デヴォンシャー公爵夫人のジョージアナに、
  軍配が上がるのではないでしょうか。

   それにしましても・・。無表情で、犬ばかり可愛がる夫。
  しかも、その夫が外に作った子供を押しつけられ、男の子だけを欲しがり、
  女の子には見向きもしない・・。

   その上、ただ一人の親友だったエリザベス(ヘイレイ・アトウェル)を愛人とし、
  妻妾同居の生活。ジョージアナの心の痛み、いかばかりだったでしょう。

   そして、昔からの知り合いだった、チャールズとの恋愛。
  子供まで宿し、産み、最後には手放し・・。

   このように記しますと、波乱万丈で、救い難い生涯のような気がしますが、
  最後の最後に、“許し”があり、悲惨な結末とならなかった所に、僅かに救いがありました。

   そうそう、この映画では、「愛しています」 ではなく、「崇拝しています」 という、
  言葉が使われておりました。この言葉は、『赤毛のアン』 で、すっかりお馴染みです。

   やはり・・高貴な方の使われる言葉だったのでしょうか・・。
  何だか嬉しくなってしまいました。素敵な言葉ですもの。

   ~あっちに飛び、こっちに飛び・・のバラバラの文章になってしまいましたね。
  あまりの華麗さに、未だに頭がボ~ッとしています。






映画 「旅立ち」~足寄より

2009-04-22 18:15:28 | 映画の香り


   昨日の雨は、夕方には上がり、今日は快晴になりました。
  こちらの桜(染井吉野)は、10日前に終わりましたが、つい一昨日まで、
  目の前の里山の山桜の・・その淡いピンクの桜を窓越しに楽しませて貰ったものです。

   ところが・・。やはりと言いますか・・昨日の雨で、見事に散ってしまいました。
  かなりピンクに染まった山が見えていたのですが、一夜にして一面緑に・・。
  その変わりようは、あまりにも鮮やかで少々、あっけにとられています。

   そんな中、映画 『「旅立ち」~足寄より』 を観て来ました。
  これは前回、予告編を観た時から即、観ようと決めていたものです。
  私自身、松山千春の大ファンですから。

   観終わった感想は・・と言いますと・・。
  ただ、“凄い!” それだけです。

   この映画は、松山千春自身の自伝を映画化したものです。
  彼が23歳の時の作品と言いますから、一生を描いたものではありません。

   フォークコンテストに19歳で出演して、デビューするまでの、
  ほんの僅かな期間を描いたに過ぎませんが、画面に終始、釘付けでした。

   コンテストに、1人遅れてパトカーで到着。奇抜なスタイルにざわめきの会場。
  「お前ら、うっせーぞ、笑ってないで歌を聴け!」 鋭く一喝する千春(大東俊介)。
  歌い始めた、彼の曲 「旅立ち」。聴き惚れてシーンとする会場。

   コンテストには落ちたけれど、審査員だった、
  ラジオ・ディレクターの竹田(萩原聖人)との運命の出会い。
  彼は、「必ず、チャンスは来る。曲を作って待っているように。」 と告げるのです。

   千春の才能をいち早く見出し、チャンスを与え、
  支えた竹田と千春の男の友情と、絆の強さを知りました。

   「2500人収容出来る、北海道で一番のホールだ。いつか、ここを満員にしよう。」
  竹田と誓った夢・・。そこは厚生年金会館ホール。

   又、千春の真っ直ぐな精神と反骨心。父親への愛。
  そして、故郷への溢れる思い・・。彼が北海道にこだわる、その理由を得心しました。

   そして、至る所に見られる、「大空と大地の中で」 そのままの、
  北海道の壮大な景色。千春の歌と共に、堪能しました。

   そうそう、象徴的でした、「1輪の真紅の薔薇」。
  机の上に、コンサートの会場の片隅に・・いつも置かれていました。

   薔薇は、原種はヒマラヤの山中なんだそうですね。
  棘があり、孤高で真っ直ぐな松山千春そのものなんだそうです。

   そう言えば、ラフマニノフは、「リラの花」 だった事を・・
  ふと思い出してしまいました。

   そうそう、私が彼の歌を好きなのは、曲の美しさも然る事ながら、
  詩の美しさにもあります。それに男性には珍しく、女性の心を歌っている事も・・。

   いみじくも、今日の映画の中で語っていました。
  男の自分では恥ずかしくて言えない事を、女性の言葉で言わせているのだと・・
  確か、こんな風な事を・・。とても、シャイな方なのですね。

   地元の映画館でしたので、今日は自転車。
  帰りは、いつの間にか、「旅立ち」 の鼻歌を・・。単純ですね。





 予告編ですが、しばし映画の世界に・・。



映画 「ベルリン・フィル~最高のハーモニーを求めて」

2009-04-01 18:02:28 | 映画の香り

【現在の指揮者 「ラトル」・左端は 「安永 徹」(コンサートマスター)】


   起床時は今日も曇り。
  時間の経過と共に太陽も顔を出し、
  今日は暖かくて良いお天気・・なんて、思ったのですが・・。
  
   その後、俄(にわか)雨。変わりやすい天気になっています。そう言えば・・。
  周辺では、きな臭い国の行動に、心穏やかではありませんが、今日から4月ですね。
  いよいよ春本番です。こちらは今日も、花冷えです。

   さて、今日は映画、
  『ベルリン・フィル
  ~最高のハーモニーを求めて』 を
  観て来ました。

   ドキュメンタリー映画です。
  ベルリン・フィルと言えば、
  周知の通りウィーン・フィルと並んで、
  世界最高峰のオーケストラですね。
  
   そう、あのカラヤンや、
  アバドでも有名な・・。

   昨年(2008年)の独映画ですが、
  日本で封切られたのは昨年の12月。

   小さな映画館、たった1館のみの
  上映だったせいもあって・・生憎、
  見逃してしまいました。

   でも我街の映画館が、この度、
  先週末から上映してくれたのです。

   これ迄、この映画館には、
  どんなに助けられた事でしょう。

   こちらは、商店街の中ほどにあって昭和の匂い、プンプンです。
  こちらの映画館もそうなのですが、サービスも充実していて・・。

   今、全国的に商店街は、シャッター街化が問題になっていますが、
  ここだけはそんな事はありません。~話が逸れました。

   さて、題名からも分かりますように、この映画は、
  125年以上の伝統を持つ、「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」 の物語です。

   メンバーの苦労と情熱、伝統の重みとプライド、私生活の犠牲をも厭わぬ、
  プロ意識が、メンバー自身の口から次々と語られて行きます。

   本編で演奏される曲目は、『英雄』。彼ら自身に掛けているのでしょうね。
  同時に、そのエリート集団のアジア演奏旅行(2005年 北京、ソウル、上海、
  香港、台北、東京)を 通して 英雄たちの生涯を見つめるのです。

   その演奏される曲は、ベートヴェン 『交響曲第3番「英雄」』、R・シュトラウス、
  『交響詩「英雄の生涯」』、そして、若きイギリス現代作曲家、
  トーマス・アデスの 『アサイラ』

   この映画は、一番最初に入団試験の光景から始まります。
  ここで英雄たちの苦悩が余す事なく描かれています。

   吃音、容姿、人種、疎外感に対するコンプレックス。
  彼ら自身が、「演奏のレベルは5段階高い、世界のトップ」 と
  自画自賛しながら、その素顔とのギャップに驚きます。

   このように、新人の入団テストから幕を開けたこの映画も、
  試用期間を終えた新人の合否結果で幕を閉じる訳ですが・・。

   兎にも角にも、英雄たちの凄まじい映画で、初めから終わりまで圧倒させられました。
  そのプレッシャーたるや、相当のものなのでしょうね。心の葛藤も・・。

   そうそう、予告編で松山千春の生涯を描いた、
  「旅立ち~足寄より」 をやっていました。
  
   自伝小説、「足寄より」 の映画化だそうです。
  これは、絶対に観なければ!!

映画 「ベンジャミン・バトン」~人生の旅路

2009-02-23 19:10:19 | 映画の香り
   昨夜の嵐? のような雨。
  それは起床時には治まりましたが、降っているのか、いないのか・・
  
   静かな雨が残っていました。起床時の居間の気温は、14℃。
  今日も、暖かい雨になりました。

   その雨も早い時間に上がりましたので、
  今日は映画 『ベンジャミン・バトン―数奇な人生―』 を
  観に出掛けて来ました。

   それも地元ではなく、中心部まで電車で。
  偶にはお洒落して都会の風にも当たりませんと・・。

   映画は、ブラッド・ピットとケイト・ブランシェット主演の話題作です。
  しかも80歳で生まれ、若返って行くという逆の発想での男の物語。
  勿論、予告編から興味津々の映画であった事は言うまでもありません。





   この映画のキャッチコピーである、
  「あなたは一瞬、一瞬を大切に生きていますか―?」
  「あなたは全ての出会いを胸に刻んでいますか―?」


   こんな風に問いかけられましたら、女性なら・・
  誰でも、胸をギュッと、掴(つか)まれてしまうのも、仕方ありませんね。

   物語は、ニューオーリンズを舞台に、1918年の第一次世界大戦終了時から
  21世紀に至るまでの、ベンジャミン(ブラッド・ピット)の誰とも違う人生の旅路を描きます。

   80歳で生まれたベンジャミン。
  普通の人々と同様に、彼にも時の流れを止める事は、出来ません。

   主人公、ベンジャミンが触れ合う人々や場所、愛する人との出会いと別れ、
  人生の喜び、死の悲しみ、そして時を超えて続くもの・・。

   ブラッド・ピットの淡々とした、感情を抑制した演技には好感が持てました。
  80歳で生まれ、0歳で死ぬ・・というあり得ない物語でしたが、妙にリアルで、
  違和感もなく、3時間という長編でありながら、最後まで画面に釘付けでした。

   誰にも訪れる老いと死。本当に考えさせられる映画でした。
  若返るのも悲哀がありますね。ある老人が話していました。

   「あなたは、これから人の死に、
  ずっと立ち会って行かなければいけないのですよ。」

  若返るという事は、そういう事なのですよね。

   「物事には、『永遠』 というものはない。」
  「物事を始めるには、いつ、いかなる時でも遅過ぎる事はない。」

   このような言葉が心に残ります。他にもあった気がするのですが・・。
  本当は、パンフレット求めたかったのです。でも、1部900円。

   せめて600円なら・・。この300円の差が大きいのです。
  もう少しお安くなりませんかしら・・?
  折角の映画が・・。夢のないお話になってしまいましたね。

   しかしながら、この映画は・・一瞬、この時、この出会い・・それらは全て、
  珠玉のものであるという事を、教えてくれたような気がします。

映画 「言えない秘密」

2009-02-11 16:16:16 | 映画の香り


   思わず寒い! と、
  思って目覚めた今朝。

   今日こそ、きっと10度を下回って
  いるに違いないと・・。

   それなのに意外や意外、11度。
  どうやら身体も、この所の暖かさに
  慣れてしまって、正しい判断が
  出来なくなってしまったようです。

   そんな中、地元の映画館に、
  映画 『言えない秘密 不能説的・秘密』 が、
  掛かりましたので観て来ました。

   “レディスデイ” という事で出掛けた訳ですが、休日の一番最初の時間帯・・
  最初は、私一人だけ。どうなる事かと思いましたが、始まる頃になって、
  何とか人が集まりました。それでも、10人弱位でしたでしょうか・・。

   チラシで見た時は、韓国映画? 
  なんて思ったものですが、
  台湾映画です。何だか新鮮。
  
   冒頭の写真からも想像出来ます
  ように、音楽学校を舞台にした、
  青春ラブストーリーです。

   音楽学校、転校初日。
  天才的なピアノテクニックを持つ、
  シャンルン(ジェイ・チョウ)は、
  取り壊しが決まっている、
  古い校舎の片隅でピアノを弾く、シャオユー(グイ・ルンメイ)と出会います。

   一目で惹かれ、恋をするシャンルン。学校からの帰り道、自転車の二人乗り。
  二人で行ったレコード屋。二人で奏でるピアノ。連弾だったり、二台のピアノだったり・・。
  夢のような時間が流れます。

   喘息で学校を休みがちな、シャオユーを心配するシャンルン。
  でも、彼女には誰にも言えない秘密があったのです。

   シャオユーは母親と二人暮らし、シャンルンは父親と・・の事でしたので、
  実は兄妹? なんて思いましたが・・これは少し韓国ドラマの見過ぎ? ですね。

   最後は思ってもいなかった結末になりましたが、
  美しいピアノの旋律に包まれ、アッと言う間の102分でした。

   なお、この映画は主役のシャンルンを演じた、ジェイ・チョウ自身が卒業した学校との事。
  監督、脚本、音楽、主役と・・一人四役をこなしているのですね。
  ピアノ演奏も、本人自身のものだそうです。

   ところで、今日の映画を観て感じたのですが、台湾の女性も美しいですね。
  それも清楚な美しさです。見慣れている? 韓国映画の女性とも違うものを感じました。      
  
  


映画 「きつねと私の12か月」~出会いと別れの物語

2009-01-22 19:49:47 | 映画の香り


   今朝も相変わらずの、
  真珠色の空で明けました。

   それでも、おずおずと? 
  太陽も出てくれ・・。
  しかし、暖かい朝!

   暖かいのは、本当に有り難いの
  ですが、この所の気温の上下降の
  激しさには、驚かされます。

   気温は、とっくに春浅き頃のそれ。
  でも、その頃独特の
  “春の匂い” は、流石に感じません。

   それもその筈、まだ大寒を迎えたばかりなのですものね。  

   そんな中・・。
  つい先日には 「室内と戸外の優劣」?
  に、負けてしまいました、フランス映画、
  『きつねと私の12か月』 を観て来ました。

   今日こそは、「室内と戸外・・」 なんて
  我儘が許される筈はありません。

   折角 “ジュリアンの君” に頂いた券の、
  有効期限は明日(23日)までなのですから。
  
   それなら、こんなに暖かい今日、
  出掛けない法はありませんものね。

   と言っても、これは出掛けるまでの話。
  映画が終わって外に出てみると、雨・・。やはり冷たい雨となりました。
  いつもの事とは言え、又々、前置きが長くなってしまいましたね。

   この映画は勿論、予告編の段階で、絶対観ようと決めていたものです。
  以前にも申しましたが、何より言葉そのものが音楽のように美しい、
  フランス映画である事。

   その上、美しいアルプスの風景しかり、
  少女と可愛いきつねの愛の物語・・と、来ているのですから。

   特に、スクリーンに広がるフランス・アルプス地方の四季は、圧巻です。
  (その割には、なかなか重い腰が上がりませんでしたけれど)

   映画は、10歳の少女リラが、美しい紅葉に染まる秋の午後、
  学校帰りに山道で、1匹の狐(きつね)に出会う事から始まります。

   一目で、その狐の愛らしさに恋に落ちた彼女は、
  その狐に会うために、毎日、毎日・・辛抱強く待ちます。

   ある時は巣窟の前で、又ある時は木の上で・・。
  森の中ですから、狐だけでなく狼(おおかみ)や、他にも怖い動物が沢山いるのですが・・。

   その狐に、“テトゥ” と言う名前を付けたリラ。
  次第に・・少しずつ・・二人の距離は縮まって行くのです。

   私は、犬を飼うのだったら柴犬と決めているほど、柴犬が大好きです。
  このテトゥが柴犬にも似て、凛々しくて可愛くて・・。

   折しも・・と言いますか、奇しくも・・。昨日、径の向こうには何が・・? 
  なんて、想像を逞(たくま)しくしたものです。
  おまけに少女の名前も偶然にも、リラ。

   10歳の少女に戻って、あの径の向こうの・・美しい森の中を、テトゥと一緒に駆け回って・・。
  そんな錯覚さえ、今日の映画は抱かせてくれました。

   しかも、フランスのアルプスの森を・・。
  (正確には、フランス南東部アン県のルトール高原とイタリア・アブルッォ地方)

   いつもの事ながら、音楽のようなフランス語と、美しい森の中の光景が、
  浮かんでは消え・・離れません。映画って、本当にいいですね! 
  森って、本当に素敵ですね!

   「・・・今は森の中が素敵なのよ。
  羊歯も繻子地のような葉も、いろんな木の実も、
  森のものはみんな眠ってしまったの。
  まるで誰かが春が来るまで森のもの全体を木の葉の毛布で、
  くるんでしまったようよ。
  きっとね、虹のスカーフを付けた炎色の妖精が最後の月の夜に、
  抜き足差し足でやって来て、そうしたんだと思うわ。・・・」

                                    【「赤毛のアン」 第30章】

映画 「ブラインドネス」~見えない恐怖

2008-11-28 18:06:20 | 映画の香り


   昨夕から降り出した雨は、
  意外に暖かい雨でした。

   今朝も冷え込みは、ありません。
  雨は上がりましたが、ご覧のように、
  いつ降り出しても、おかしくない空です。

   そんな事もあり、いつもの
  「室内と戸外の優劣」 は、
  一度は室内に傾きかけました。
  
   それでも、折角頂いた券を無駄に
  したくない事もあって、(今日まで有効)
  渋々ながら? 戸外に・・。

   でも、真珠色の空ながら、時折、太陽も顔を覗かせる天気になりました。
  雨が降らなくて良かったです。

   そんな空の下、今日は、映画
  「ブラインドネス」 を観て来ました。

   実は、この映画・・あまり後味の
  良いものでは、ありませんでした。

   タイトルなどから、ある程度覚悟
  していましたが、それにしても・・。

   ある日突然何らかの菌によって、
  黒い闇ではなく、
  白い闇がかかり、盲目に。
  
   それは、人から人への感染によるものでした。
  不安と恐怖。そしてパニックに・・。

   始まりは、一人の日本人男性(伊勢谷友介)。
  折しも今丁度、私達も迫り来る “新型肺炎” の恐怖にさらされています。
  どうしても、自分の身に置き換えて観てしまうのです。

   感染者は、例によって隔離される訳ですが、そこに医師(マーク・ラファロ)の
  妻(ジュリアン・ムーア)だけが、なぜか感染せず、夫の身を案じ、そこに紛れ込み・・。

   感染と言っても、目が見えなくなるだけで、身体は健康な男女です。
  それが檻(おり)のような所に閉じ込められ、周りは銃を持った兵士に囲まれ、
  自由は勿論、食糧や薬品の要求さえも、ままなりません。

   その上、衛生状態も秩序も極度に悪化。
  そこは、目を背けたくなるような状況です。まさに地獄絵図。

   一応最後は、ハッピーエンド・・? 風に終わりましたが、
  その菌の発生原因とか、なぜ医師の妻だけが感染しなかったのか・・?
  そこら辺が全然解明されておらず、中途半端に終わった感がしてなりません。

   主演は、映画 「ハンニバル」 のジュリアン・ムーア。
  日本からも上述の伊勢谷友介と木村佳乃(写真)が、参加していました。
  2人共、結構出番も多く、好演していたと思います。