【姫踊り子草(ヒメオドリコソウ)」】
【「種浸花(タネツケバナ)」】
【「オオイヌノフグリ」】
春の日光は青い若葉越しに 洩れ差していた。 至る所から小鳥の賑やかな囀りが聞こえた。 黄金を溶かしたプールで水浴をしているかの ような気持ちにさせる小さな窪地があった。 道を折れるごとに何かしら爽やかな 春の香が顔を打った・・・・・ 匂い羊歯・・・・・樅の香油・・・・・ 耕したばかりの畑の健康的な香り。 カーテンのように桜の咲き誇る小道あり、 草深い古い原には この世に踏み出したばかりの 小さなえぞ松が一杯草の葉陰にうずくまる 妖精のような格好をしていた。 【「炉辺荘のアン」 第2章】 |
連日の快晴となりました。
どこまでも青い空も一緒です。
いいえ、昨日以上かも知れません。
そしてもう一つ、暖かさも。
いよいよ道草するのにも心地良い季節となりました。
桜の開花も一気に早まる事でしょう。
【寒緋桜(カンヒザクラ)」】
さて、そんな今日。
恒例の道草です。
それにしても今は、
道端が楽しいですね。
そうそう、その前に。
俯く桜、寒緋桜が
咲いていましたので、
その写真を。
「カンヒザクラ」
をなぜか寒避桜と
思ってしまった私。
漢字を見て納得。
漢字って有り難い
ですね。
言うまでもなく、
春から初夏にかけて
道端は、他のどの
季節よりも生命力に
満ち溢れている気がします。
それは姫踊り子草、薺(ナズナ)、
オオイヌノフグリ等のお馴染みの花。
ところで、冒頭から4番目の写真、
「種浸花(タネツケバナ)」。
薺に似ているけれど、良く見れば違う花。
一体、何の花だろう・・? と長い間、思っていたものです。
白い小さなこの花は、道端や田圃に普通に見られますね。
かつて田植えの準備の一つとして種籾を水に浸けたとか。
その時期に咲くから、こういう名前になったそうです。
「よく見れば薺花咲く垣根かな」
~松尾芭蕉
「妹が垣根さみせん草の花咲きぬ」
~与謝蕪村
上記の句はいずれも道端の野の花、薺を詠んだもの。
さみせん草とは三味線草、すなわち薺の別名です。
彼らは、しっかりと道端の花の存在にも
目を向けているのですね。