【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

晩秋のスケッチ

2015-11-25 20:27:37 | 四季のスケッチ



【ローズマリー】


【水仙】









 小川が曲がって流れている所に
差し出たはまなすには
まだ紅い葉がしがみついている。
その茎には少し前に降った小雨のしずく
真珠のように光っている。
(中略)
風は霜枯れて褐色になった羊歯しだの間で
溜息を付き、ガサガサいってから
悲しげに小川の方へ消えて行った。

                 【「アンの娘リラ」 第10章】



















   上の写真は、午前7時ちょっと前の空。
  この空を見る限り、快晴の空を予感させます。

   とは言っても、やはり晩秋ですね。
  いつの間にか厚い雲が垂れ込み、重い空に。
  頬に当たる風も冷たくなりました。

   あれは午後3時頃だったでしょうか・・。
  パラッと来て。

   その後、雨は降っていなかったのですが、
  つい先程庭に出たら、雨がしとしと降っていました。

   音もなく静かな雨。
  一体、いつ頃から降り出したのでしょう。
  全く気付きませんでした。










【桜の葉】




【赤くなった 「藜(アカザ)」】




   さて、『アンの世界』
  と違ってこちらは、
  まだまだ花盛り。

   秋薔薇は次から
  つぎへと咲いて
  いますし、
  冒頭の写真、
  ローズマリーは、
  もう何回目の盛り
  になるでしょう。

   そして今日は、
  水仙が。

   例年になく開花が
  早い気がします。

   ただ色とりどりに
  染めた木々の葉は、
  今、その葉を盛んに
  落下中。

   昨日の風や又、
  先程からの雨で、
  それはより加速度を
  増すのでしょう。

   ところで、葉っぱが緑だった藜も紅葉して来ました。
  野の風情を残した自然な色付きが印象的です。

   「これは何色」 と言えない、
  絵の具を流し込んだような桜の葉っぱにも魅かれます。

   毎年、秋は駆け足で通り過ぎる気がするのですが、
  今年は9月が涼しく、11月が暖かかったので、
  随分、長く感じます。

   尤も、後、一週間足らずで師走。
  途端に慌ただしくなりますね。
  残りの11月、せいぜい楽しむ事に致しましょう。  

彩りのご馳走

2015-11-05 21:08:58 | 四季のスケッチ

















 11月 が炉辺荘に押し寄せた。
黒ずんだ丘には丘よりももっと黒ずんだ
えぞ松が行軍するかのように生い繁り、
暮足の早い晩方、いかつくそびえていた。
しかし、大西洋から風が悲しげな歌を
歌いながら吹き付けるにも関わらず、
炉辺荘は炉火と笑いで
花が咲いたようだった。                  
                【「炉辺荘のアン」 第12章】











   昨日に続き、今日も小春日和の良いお天気になりました。
  暖かさは昨日以上。

   ここ何日かは寒い日もありましたので、
  この暖かさは、有り難いです。

   とは言っても季節は、かなり老いて来た11月。
  さすがに夜の帳(とばり)が降りるのが早くなりました。
  午後6時ともなると、もう真っ暗です。
















   さて、小さな庭の
  片隅にも季節が
  移ろうにつれ、  
  熟成されて来ました。

   淡くパステル調
  だった色が、
  まるで熟した
  ワインのように。

   それも単色では
  なく、複雑に
  混じり合って。

   いつも見慣れた
  枝葉の中に、まるで
  パレットのように
  数え切れない色が
  含まれているでは
  ありませんか。

   虫喰いだって
  趣きがあり本当は、
  写真に撮るより
  描いてみたいもの。

   憧れの 『アンの世界』 だって
  日本の11月には敵いませんね。

   黒ずんだ丘どころか、彩り溢れる丘ですから。
  いいえ、枯れたものにさえ風情を感じる心があります。
  何と言っても、侘寂(わびさび)の文化でしょう。

   そうそう、この暖かさで堅く閉じていた薔薇が、
  一気に綻(ほころ)びました。象牙色の薔薇。
  晩秋の楽しみが増えました。

素直な時間

2015-10-31 00:28:18 | 四季のスケッチ

【アブチロン(チロリアンランプ)】




【葡萄酒色に染まった 「藜(アカザ)」】


【彩り溢れる 「藜}】











 雑草は1本も顔を出す事を許されなかった。
ジェーンは毎朝、早く起きて草取りをした。
(中略)
草取りをしたり、熊手を使ったり、
くわで耕したり、刈り込んだり、
間引いたりしながら、
ジェーンの胸は高鳴っていた。  
                 【「丘の家のジェーン」 17..】









   起床時は肌寒く、珍しく空も曇っていました。
  そうなると連日の晴天と最近の暖かさで、
  ついつい季節が、いつまでもそこに
  留まっているような錯覚を覚えたものです。

   11月がすぐそこまで来ている事を
  思い知らされてもいます。
  随分、季節は年老いたものですね。












                                 【サフラン】
   さて、相変わらず私は
  時間さえあれば庭へ。

   気が付けば、
  せっせと落葉を
  拾っている私がいます。

   落葉の季節は、
  まだまだこれからが
  本番だと言うのに、
  物好きなこと。

   しかしながら木の
  根元等に溜まって
  いる落葉を綺麗に取り
  除いた時の爽快感。

   「落葉は1枚も
  顔を出す事を
  許されなかった」

   果たしてこんな
  心境かも知れません。

   落葉・・枯葉とは
  言え、様々ですね。

   大きな葉から小指の
  先程の小さな葉。

   朽ちて行くものの
  美しさにも目を奪われます。

   ところで今年植えた、アブチロンは、
  次から次へと可愛い花を付けてくれています。
  (冒頭の写真)

   写真にはありませんが、
  この葉は檸檬色(れもんいろ)に染まるのですね。
  それも透き通るように美しい!

   藜のピンクや赤い葉などと共に、
  この季節、ごみ袋さえ、彩り溢れて。

   こんな季節の庭は、あくまでも無心に、
  素直になれる時間を与えてくれているような気がします。

秋に抱かれて

2015-10-22 19:34:35 | 四季のスケッチ







【庭の片隅の秋】










 以前より早く四季が経つような気がする。   
真っ直ぐの国の隅でキリン草は白くなり、
毎朝地面には霜が
銀色のスカーフのように拡がる。
「谷を渡る」 夕風は心を締め付けて探り、
愛して失ったものを求めて空しく妖精を呼ぶ。
なぜならば妖精の国の人々は
南の国へ行ってしまわなければ、
樅の木の間か羊歯の根元に
隠れているからである。        
                 【「エミリーはのぼる」 第19章】








   起床時こそ太陽が出ていましたが、
  午前中は珍しく真珠色の空に。

   尤も午後には再び太陽も。
  空同様、相変わらず暖かさも持続しています。









【インウォールクラータの彩り葉】


【秋色の机】



                                 【インウォールクラータの花】
   さて、日中と
  朝晩の気温差が
  大きくなると、
  いよいよ紅葉の
  出番ですね。

   これまでも折に
  触れ、庭の片隅の
  かそけき秋を
  お伝えして来ました。

   淡い色からより
  彩り豊かに。

   良くしたもので、
  居ながらにして
  変遷して行くサマを
  感じる事が出来ます。

   今の所、茜色と
  言うより黄金色の方が
  勝っていますね。

   そうそう前回、
  蕾だったインウォールクラークが
  開花して随分、経ちました。

   この花の葉っぱは、晩夏に一度、虫に食われて、
  まるで切絵細工のようになったものですが、
  花の開花と共に、見事に再生。
  それは魔法のようです。

   そして今度は、根元から紅葉。
  何とも趣きのある色になっています。

   自然の成せる業(わざ)って、凄いですね。
  今度は、熟した秋が楽しみです。         

秋色木々の内緒話

2015-10-16 23:41:51 | 四季のスケッチ









【かそけき 「藜(アカザ)」】










 午後中ずっと若木たちは
内緒の事を囁き合っていた。
彼らは一緒に首を曲げて数分間熱心に話し、
それから揃って後ろに退き、
互いに顔を見合わせ、次には手をおかしな
格好に伸ばして驚いた様子をしていた。
<木の国>ではどんな新しい計画が
成されているだろう。                    
               【「エミリーの求めるもの」 第19章】









   
   爽やかな秋晴れが続きます。
  そろそろ、お天気下り坂との予報も出ていましたが、 
  今の所、その気配はありません。

   こんなお天気ゆえ、ついつい庭で過ごす時間が
  多くなっている事に気付きます。

   “ちょっとだけ” のつもりが、
  1時間、2時間もざら。

   そう言えばちょっぴり頬が熱いのは、
  日に焼けたせいかも知れません。

   日陰を選んでいるつもりですのに、
  これですから、サマになりませんね。


















   さて今日も、
  かそけき葉の
  代名詞も言える、
  藜(アカッザ)を。

   しかしながら、
  こんな姿は秋だけ。

   元気一杯の春の
  木の芽時とは、
  180度違います。

   思えば・・。
  まだまだ暑さの残る
  晩夏にいち早く秋色に
  染まったのは半夏生。

   今では、ほとんど
  葉も落ちて、茎だけに。

   そして今度は、藜。
  毎年の事ながら、
  この時期、この季節の
  藜にはすっかり魅了
  されています。

   木々たちの内緒話を
  聞くのも楽しいですね。

風の向こう黄蝶が辿る道

2015-10-15 19:08:18 | 四季のスケッチ


















 蜂蜜色の秋の日射しが
エイベル・ブレア爺さんの戸口の周りの、
真紅や琥珀色こはくいろかえで
さんさんと注がれていた。
(中略)
彼は自分の犬や猫に劣らず
温もった日光を浴びるのが好きで、
こうして日向ぼっこをしている時には
ほとんどいつも茂り合う楓のこずえの上
遥か遠くの晴れ渡った青空を、
戸口からじっと眺めているのだった。
                  【「アンの友達」 3.】











   今日も気持ちの良い秋晴れになりました。
  連日のようにお伝えしていますが、今は金木犀が真っ盛り。

   我家の金木犀は、先月、植木屋さんが入って
  伐採されましたから、今一つ。

   しかしながら、お隣からの借香? 
  もあって事なきを得ています。
  お陰様で、その香りを満喫させて頂いています。

   人間がこんな具合ですから蝶もその例に洩れません。
  今日は、朝から黄蝶(キチョウ)が出たり入ったり。
  花から花へ優雅に舞っています。

   【先日】 は、ローズマリーから離れなかったものですが、
  今日は、黄蝶のこれまでの指定席、
  ユリオブスデージーに止まっているではありませんか。

   園芸店の名札には、このユリオブスデージーが、
  なぜか 「ハロー・エンジェル」 の名前に。

   その名前の通り、(偶然かも知れませんが)
  いつも止まっていましたから、
  正式な名前だと思ったものです。

   蜂蜜色の日射しと、これも蜂蜜色の花と蝶。
  ここでも、こんな小さな秋を堪能しています。

ひねもす秋時間

2015-10-07 18:11:21 | 四季のスケッチ

【郷愁を誘う癒し色 ~ 背景は紫陽花】


【セージ】


【インウォールクラータ】


【ユリオブスデージー】










 こけももの繁みは緋色ひいろに変わり、       
枯れた羊歯しだは深い赤褐色せっかしょくをしていた。
納屋の裏のうるしの葉が赤く燃え、
(中略)
芝生のえぞ松のある隅には
金色や赤褐色の菊が咲いている。
(中略)
無数の丘ではこおろぎが妖精たちの
踊りのためにバイオリンを弾いていた。        
                【「炉辺荘のアン」 第29章】









   今日は朝から雲一つない空になりました。
  これこそ、日本晴れですね。

   今日のこの空は、祝福の空。
  連日のノーベル賞受賞という快挙。
  日本人として誇りに思います。

   さて、今年もインウォールクラータが、
  ひっそりと花芽を付けました。

   そして珍しくもありませんが、ユリオブスデージーも。
  一年中咲く花ですが、わが庭では、ちょっとだけ久し振り。
  それにキク科ですから、秋らしいですものね。

   ところで、夏の間は黄金色の光を浴びて、
  キラキラ輝いていた庭。

   その庭も秋になると、(鮮やかな紅葉は別にして)
  色が抜けたようになって、何とも優しい色合いになります。
  紅葉前の狭間(はざま)の僅かな時。

   まさに秋色、癒し色。
  紫陽花も自然のドライフラワーになっています。

   尤も紅葉は、散る前の最後の晴れ舞台。
  春の桜もそうですが、引き際の潔さも見事です。

   紅葉前線は、今、どの辺りでしょうか・・。
  一日も早い南下が待たれます。

秋に謳う千草 ~ その2

2015-10-05 21:00:18 | 四季のスケッチ














 秋も美しかった。
暗青色の湾から吹く風や
素晴らしい仲秋名月を楽しむ事が出来た。
窪地には抒情味豊かな 紫苑 が咲き、
(中略)
銀色の鰯雲の空を黒い鳥が渡って行った。
                 【「炉辺荘のアン」 第11章】
 










 
【朝の空】











   起床時にはス、ス~ッと3本の細い雲だけ。
  今日は晴れ間もありましたが、
  ここ何日かでは一番雲の多い天気になりました。

   朝晩は少々冷えますが、暑からず、寒からず。
  本当に良い気候になりましたね。












   さて、そんな今日。
  相変わらず庭には
  小さな来客が
  ひっきりなし。

   シジミ、揚羽蝶等
  の蝶類からバッタ、
  果てはこれまで
  見た事のないような
  大きな大きな
  毛虫まで。

   尤も気持ちの悪い
  毛虫は論外ですが。

   ところで、夏の
  終わりから1輪、2輪・・
  と咲いて来た薄紫の
  嫁菜が、ここに来て
  一気に開花。

   いつの間にか、
  この嫁菜は、
  私の中の紫苑に。   

   思わず笑顔になれ、
  癒される花。

   童女のようなあどけなさがたまりません。
  今では大好きな花になっています。

今日はセージ日和

2015-09-29 19:18:18 | 四季のスケッチ







【セージと 「黒揚羽(クロアゲハ)」】












 美しい夜だった。
満月は丁度、鬱蒼うっそうとした丘の森の上に昇り、
月光はポプラ越しに
私の前の庭に射していた。
西側の樹木のない片隅から、
夕映えが微かに残った銀青色の空が見えた。
この時の庭は実に美しかった。
薔薇の季節で、家の薔薇は
満開だったからである ――  
                    【「アンをめぐる人々」 7.】










   爽やかな秋晴れが続きます。
  昨日同様、今日も雲一つない空になりました。

   昨夜の十六夜(いざよい)の月は、
  大層、大きくて本当に綺麗でしたね。

   今宵(こよい)十七夜は、「立待月(たちまちづき)」。
  今日の快晴の空ですから、さぞかし美しいことでしょう。




















   今、我家の庭には蝶が、入れ替わり立ち替わりやって来ます。
  今日の蝶は、「黒揚羽(クロアゲハ)」 でしょうか。

   「黄揚羽(キアゲハ)」 は、頻繁にやって来ますが、
  黒揚羽は本当に久し振り。

   そうそう揚羽蝶と言えば、セージが大好き!
  セージに止まる今日のような快晴の日を
  これからはセージ日和と呼ぶ事にしましょうか・・。

   ところで、立って待っているうちに出て来るから
  「立待月」 という風流な名が付いたそうですね。

   しかしながら、今現在、(19時10分)
  我家の窓からはまだ見えません。  
  その瞬間には立ち会えませんが、楽しみです。

自然が奏でる癒し色

2015-09-25 18:55:05 | 四季のスケッチ





【「藜(アカザ)」】


【「半夏生(ハンゲショウ)」】










 風が吹く。
どこから来るか知らぬ風がすうと吹く。
黄ばんだこずえゆるぐとも見えぬ先に
一葉二葉がはらはら落ちる。
あとはようやく助かる。                 
                【夏目漱石著 「野分」】







   雨こそ降らないものの、重い空の一日となりました。
  意外にも湿った空気。

   遥か南の海上と離れているとは言え、
  これも台風21号の影響なのでしょうか・・。









【野菊の如き・・「嫁菜(ヨメナ)」】




   さて、いつの間にか
  季節は、秋冷の頃と
  なりました。

   この季節、移ろう
  自然を一番、身近に
  感じるのでは
  ではないでしょうか。

   風に吹かれて
  さわさわとそよぐ
  木々。

   毎夜のように
  繰り返される
  虫たちの演奏会。

   これら自然が
  奏でる様々な音と
  共に今度は草木が
  ゆっくりと秋色に
  変身中です。

   この繊細かつ、
  かそけき色の葉は
  「藜(アカザ)」。

   この藜、強靭な生命力と旺盛な繁殖力の割には、
  楚々とした風情。このギャップが魅力です。

   そして野菊と言えば、薄紫色の 「嫁菜(ヨメナ)」。
  晩夏から咲いていましたが、いよいよでしょうか・・。

   とは言え、まだまだ秋は序章に過ぎません。
  これから深まる秋に向かって期待が高まります。