だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

ベークランド家の終末

2008-05-25 21:35:36 | 映画
ジュリアン・ムーア。1960年12月3日ノース・キャロライナ州出身。アカデミー賞助演女優賞ノミネートは「ブギーナイツ」(97)「めぐりあう時間たち」(02)。主演女優賞ノミネートは「ことの終わり」(99)「エデンより彼方に」(02)と、誰もが認める演技派女優です。

透けるような白い肌と青い目が、時として病的に見えます。そんなイメージを活かしたのが「SAFE」(95)。トッド・ヘインズ監督のこの作品は、化学物質過敏症を描いた問題作。生活自体が危ういアレルギーの恐怖を描いています。

「マップ・オブ・ザ・ワールド」(99)もお気に入り。シガーニー・ウィーヴァー主演のこの作品では、子供の死という消すことのできない衝撃を2人の母親の立場から描いています。ウィーヴァーの夫役のデヴィッド・ストラザーンも素敵!

最近では「トゥモロー・ワールド」(08)に出演。アルフォンソ・キュアロン監督作品で、P・D・ジェイムズ著『人類の子供たち』の映画化。お勧めです。家庭の主婦や母親を演じることが多いムーアの最新作は、「美しすぎる母」(07)。ここでも母親役です。

しかし、映画は衝撃的!1972年11月17日、ロンドンで実際に起きた殺人事件を描いています。アメリカで、合成樹脂ベークライトの発明で財を築いたベークランド家。その子孫のブルックス(スティーヴン・ディレイン)と結婚したバーバラ(ムーア)は、貧しい家庭から憧れの上流社会へ。

1946年息子アントニーを産み、華やかな日々を過ごしていたバーバラ。しかし突然、夫に捨てられてしまいます。パリからロンドンへと、アントニーと2人だけの日々が続きます。

子供から少年、青年となったアントニー(エディ・レッドメイン)に寄せる母の想い。すべてを求める母と、その強い欲求に翻弄される息子の物語。後は映画を見るとして、事件後のアントニーはブロードムアー病院に精神病患者として収容。

1980年7月釈放され、NYの祖母のもとへ。その祖母を刺傷し、ライカーズ島に収監。1981年3月20日獄中で自殺。なんともスキャンダラスな一家です。エディ・レッドメインは、「グッド・シェパード」(06)でマット・デイモンの息子役、「エリザベス:ゴールデン・エイジ」(07)にも出演。

監督は、トム・ケイリン。「ジェイン・オーステインの読書会」のヒュー・ダンシーも出演。結末を見に行きましょう。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする