だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

ブリューゲルの絵を旅しよう!

2011-11-03 12:41:49 | 映画
16世紀の画家、素描家、銅板下絵画家ピーテル・ブリューゲル。ネーデルランド(現在のベルギー)に1525年または1530年誕生し、1569年9月、30代または40代前半で亡くなります。

生地、生年が定かでないピーテル・ブリューゲルですが、偉大なる画家であることは間違いありません。代表作には『バベルの塔』(1563)、『イカロスの墜落のある風景』(1556~58)

『子供の遊戯』(1560年頃)、『雪の中の狩人』(1565)、『農家の婚礼』『農民の踊り』(1568)など農民を描いた作品や、聖書の世界を描いた作品など当時も今も異色の画家です。

余談ですがブリューゲル一家はややこしく、ピーテル・ブリューゲルは(父)が付き、息子のピーテル・ブリューゲルを(子)、その弟ヤン・ブリューゲルを(父)、その子ヤン・ブリューゲルを(子)と呼びます。

ああ~ややこしい。同じ名前はやめましょうよ。話を戻しますが、ピーテル・ブリューゲルを描いた奇想天外の映画が公開されます。レフ・マイェフスキ監督の「ブリューゲルの動く絵」(11)です。

本作で描かれる絵画は、ウィーン美術史博物館が誇るブリューゲルコレクションの逸品『十字架を担うキリスト』。ゴルゴダの丘へ十字架を背負い歩くキリストの受難を描いた名作です。

映画では、この作品を細かく描写。フランドル地方アントウェルペンの夜が明けます。村人たちは目覚め、そびえ立つ岩山の頂きには風車小屋があり、その帆がゆっくりと回り始めます。

画家ピーテル・ブリューゲル(ルトガー・ハウアー)は、書きかけのスケッチを片手に村へ出かけます。ブリューゲルにとって村の農民やフランドルの壮大な自然の風景は、大事なインスピレーションそのもの。

突然、馬でやって来たのは宗教的異端者を認めない支配者に仕える兵士たちで、何の罪もない若い男をなぶり殺しにしてしまいます。男の妻は泣き崩れ、周囲の人々は無関心を装っています。

『十字架を担うキリスト』の中を旅するアートムービー。名画に秘められた意味を解き明かしてゆく喜び。シャーロット・ランプリング、マイケル・ヨーク共演の本作は、映画と絵画好きにはたまらない1本。必見。
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