報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“ユタと愉快な仲間たち” 番外編 「卒業旅行 The 3名様」 12

2015-02-20 20:23:39 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[3月27日08:00.札幌市・すすきののビジネスホテル 稲生ユウタ&マリアンナ・スカーレット]

「あ、おはようございます。マリアさん」
「おはよー……」
 1階のレストランで会ったユタとマリア。
「イリーナさんは……聞くまでもないですね」
「その通り」
「『あと5分を1時間以上繰り返し』ていましたか?」
「いや、それすらも無かった」
「あらま……」
 取りあえず朝食券を手に、レストランの中に入る。
 朝食はバイキングである。
「あんまり、ゆっくりできなかった感じだけども、どうだった?」
「まあ、いい機会だったと思いますよ」
「そう。ほとんど、ユウタ君が魔道師になるに当たっての準備が目的みたいになったけどね」
「それもいい機会です。今日は観光できなさそうですけど、その分、ゆっくりしたいと思います」
「どこかいい所があるの?」
「一応、昨夜、ネットで調べてみたんですが……」
「いいよ。じゃあ、そこ行こう」
「はい。……イリーナさんが、無事に起きてこられれば」
「首に縄着けてでも引き起こしてくるよ」
 マリアはズズズと紅茶を飲んだ。
「鳥芝さんにもらった薬は?」
「相当な強い薬だから、帰ってから飲んだ方がいいらしい」
「そうですか」
「まあ、個人的には飲みたい薬ではないけどね」
「?」
 レストランの壁に取り付けられている40インチのテレビモニタ。
 そこでは朝の情報番組をやっていたのだが……。

〔「……昨夜、北海道の音威子府村で、特別指名手配中の宗教テロリスト、“ケンショー・ブルー”こと、佐藤公一容疑者が逮捕された事件で、今日、警察は佐藤容疑者の身柄を……」〕

「ん?」

〔「だからよー!俺は何も知らねぇっつってんだろ!あ!?弁護士呼べよ!ああっ!?」「いいから早く車に乗れ!」〕

「樺太、辿り着けなかったのね……」
 ユタは苦笑した。
「まあ、その方が世界の平和だ」
 マリアは淡々とパンを頬張り、紅茶を口に運んだ。

〔「……尚、佐藤容疑者が所属しているとされる宗教法人・顕正会は、担当者不在を理由に報道各社からの取材を拒否しています。報道フロアからは以上です」「はい、ありがとうございました。それではCMを挟みまして、次のコーナーは素晴らしいゲストを呼んでおります。初音ミクさんです」〕

「僕達、旭川まで同乗したこと、バレませんかね?」
「魔道師をナメるな。師匠の力で屠る」
「は、はい」

[同日09:30.札幌市地下鉄南北線すすきの駅 ユタ、マリア、イリーナ・レヴィア・ブリジッド]

「結局、チェック・アウトぎりぎりまでいましたねぇ……」
「ホテル代の元は取れたってことさねー」
「何がですか。危うく朝食券、師匠の分が無駄になるところだったんですから」
 でも何とか朝食時間終了には間に合ったイリーナだった。
「えーと……。取りあえず、空港へ向かっちゃいます」
「あれ?いい所へ連れてってくれるんじゃなかったの?」
「ですから、それが空港にあるんです」
「へえ……」

〔まもなく2番ホームに、麻生行きが到着します。ホームドアより下がって、お待ちください〕

 2面2線の対向式ホームに、電車の接近放送が流れる。
 ホームドアが無かったら、まるで魔界決戦の時に迷い込んだ魔界高速電鉄1号線の17番街駅のようだ。
 違うのはさすがにその17番街駅よりは明るいのと、走っている電車の軌道が1本のレールに跨った方式であるという点だ。

〔降りる方が済むまで、ドアの前を広く開けてお待ちください〕

「やっぱり日本の地下鉄の方が安心です」
「まあ、気持ちは分かるけどね」
 3人は電車に乗り込んだ。
 これが今回の北海道旅行の、最後の地下鉄乗車となるだろう。

〔2番ホームから、麻生行きが発車します。ご注意ください〕

 ワンマン化された札幌市地下鉄だが、魔界高速電鉄のように運転士が運転室のドアを開けているわけでもない。
 古い車両を使った電鉄の方はモニタが無いので、運転室脇に設置されたサイドミラーで確認しているらしい。
 強い加速度で走り出すところは似たようものだが……。

〔次は大通、大通。お出口は、左側です。東西線、東豊線はお乗り換えです。ホーム中央の連絡階段をご利用願います〕

 魔界高速電鉄地下鉄線には車内放送が無く、乗客達は駅の看板や車内の路線図を見て停車駅を確認するしかない。
 高架線の方は各駅停車に交じって、たまに急行電車がやってきたりするが、地下鉄には各駅停車しかない。
 ユタはドアの上の停車駅案内図を見ながら、それを思い出していた。
 バァル戦で大ダメージを受けた電鉄も、今では嘘のように全線復旧しているという。
 すると、あの恐怖の17番街駅も復活しているということか。
「師匠、ユウタ君は何を考えているのでしょう?」
「鉄オタだからねぇ……。電車内では、色々と考えることがあるのでしょう。邪魔しちゃダメよ」
 2人の魔道師は物思いに耽るユタを見て、そんなことを話していた。

[同日09:45.JR札幌駅 上記メンバー]

〔「今度の5番線の列車は9時55分発、新千歳空港行きの快速“エアポート”96号が参ります。……」〕
「行きは733系だったからなぁ……。帰りは721系がいいなぁ……」
 ユタはホームで電車を待ちながらそう思った。
 新型車両より旧型車両を好む鉄ヲタ。
 東側の鉄道は西側と違って、何故か新しくなるほど設備が簡略化するのである。

 しばらく待っていると、やっとやたら響く接近放送が鳴った。

〔お待たせ致しました。まもなく5番線に、9時55分発、新千歳空港行き、快速“エアポート”96号が入線致します。黄色い線の内側まで、お下がりください。……〕
〔「5番線、お下がりください。当駅始発の快速“エアポート”96号が参ります。黄色い線まで、お下がりください」〕

「む!?」
 しかし、来た電車はガッカリの733系。
 何が違うのかというと、往路と同じ、自由席は通勤タイプのロングシートで、旅情ゼロ電車だからである。
「おー、寝やすい電車が来たねぇ……」
「師匠はどの座席でも寝られると思いますが……って、ゆ、ユウタ君、次の電車にする?」
「いや……これでいいです……当駅始発だし」
 どんな電車かはウィキペディアでも見て頂ければ分かるが、まあ……3ドアの通勤電車だ。

〔「ご案内致します。この電車は9時55分発、千歳線、新千歳空港行き、快速“エアポート”96号でございます。4号車は指定席“uシート”です。……」〕

 3人してロングシートに並んで座る。
 定員数は多いので、JR北海道の数少ない黒字路線である千歳線のラッシュ対策の電車だろう。
 首都圏でも、昔の中距離電車はボックスシート車が多かったが、最近ではロングシート車が増大したのと同じことだ。
 そこは、それでも頑なに転換クロスシート車を使い続けるJR西日本とは違う。
「583系に乗りたいなぁ……」
「冥鉄(冥界鉄道公社)でまだ走ってるから、魔界に行く時乗ろうか?冥鉄じゃ、まだまだ現役だよ」
「狙って乗れるものなんですか?」
「乗れなかったらその時はその時で。だーいじょうぶ。怨念付きの幽霊電車しか走ってないから、こういう最新電車なんかいないって」
 あっけらかんと言うイリーナ。
「でも師匠、だいぶ前……これと似ているくらい、新しい通勤電車の目撃情報がありましたが……」
「なに?」
「……こういうのです」
 マリアは頭の中で描いた電車の映像を水晶球に映し出した。
「あ、207系だ。JR西日本の」
 鉄ヲタのユタはすぐに分かった。
「こんな真新しい電車が、怨念付きの幽霊電車で走ってるって?」
「そういう目撃情報がありました。先週、魔界行きの臨時快速で使われたらしいです」
(JR西日本207系……怨念……幽霊……?)
 ユタは何となく思い当たる節があった。
 が、口に出すのはやめた。

 発車時間が刻々と迫る快速電車。
 既に、自由席の座席は埋まっていた。
コメント (4)
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本日の雑感 0220

2015-02-20 16:23:18 | 日記
新幹線運転士、財布取りに戻り発車8分遅れ(河北新報) - goo ニュース

 ……まあ、外国ではよくある話。
 冒頭の記事程度で驚いてはいけない。
 如何に日本が真面目であるか分かるというものだ。
 “新アンドロイドマスター”序章でも、グレイハウンドバスであるが、似たような描写を展開させて頂いた。
 幸い友人に20代までバック・パッカーをやっていた者がいて、彼はアメリカも旅行していたので、彼の体験談を元にしたものである。
 同じく、大陸横断の交通機関に全米旅客鉄道公社(通称、アムトラック)があるが、こちらも日本並みのダイヤで運転されることはまず無いとのこと。
 航空ダイヤのようなものだと思えば良いらしい。
 なるほど。日本の国内線であっても、ダイヤ通りに飛んだことは殆ど無い(私の乗った時期が悪いだけか?)。
 実際、アムトラック社内では15分くらいの遅延なら、定刻扱いになるという。
 日本なら、駅も車内も大騒ぎだ。
「遅延証明書寄越せ!」
 と、言ったところで、
「は?何それ?おいしーの?」
 と、逆に恥かくだけである。

 友人が体験した話の中に、テキサス州の一般路線バスで、運転手が昼飯食ってたら20分遅れたというのがあったという。
 しかし、乗客達は慣れたもんで、わざとバスダイヤにプラス何十分かで計算しているらしい。
 先進国なのに、そういう国もあるもんだ。
 制服をきちんと着用して、制帽まで被っている国は日本以外にあるかね?

 しかし、私は上り“北斗星”が定刻に走っている所をあまり見たことが無いのだが……。
 気のせいかね?
 私は泊まり勤務明けで帰る時、上野発9時32分の宇都宮線普通列車に乗ることが多いのだが、それが定刻に発車して且つ定刻に走っているであろう状況の中で、“北斗星”とすれ違うポイントが毎回違うのだが……。
 長距離になると、定時性も落ちるということなのか。
 廃止になった“あけぼの”も大変だったなぁ……。乗ったことないけど。
 そんなわけで、長距離を走る新幹線が毎回毎回定時で走ることの素晴らしさである。

 財布を忘れて愉快なサザエさん♪……ではないので、件の運転士には十分注意して頂きたい。
 来月利用予定の一乗客からのお願いだ。
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本日の雑感 0219

2015-02-20 02:26:41 | 日記
伝統の名称を継承…新豪華寝台特急の名称は「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」(産経新聞) - goo ニュース

 久方ぶりに山門入り口さんより書き込みを頂戴した。
 久しぶりというか……この3代目ブログではお初だったか?
 そう思うくらい久しいものだ。
 先方を攻撃している自称顕正会員B氏に対し、先方が日本海の向こうの某国の人間だからではないのかと発言され、私がそれに同調させて頂いたのがきっかけなのだろうと推察してみる。
 先方が如何にしてそのような論になったのかは存じない。
 ただ、私はコメント欄にて返信させて頂いたように、だいぶ前から怪しいとは思った。
 それも、初代の顕正会員時代のブログの時から。
 匿名での書き込みではあったが、やけにネチネチと何回も同じことを繰り返す人だなと思った。
 みのもんた氏も、
「大事なことなので、2回言いましたよ」
 というのがあったが、彼の場合はざっくりまとめて2回言っていたから分かり易かった。
 なのに、あの人ときたら……。

 2回目は2代目の宿坊時代のブログ。
 今とは自作の小説を掲載しているか否かの違いで、特に作風を変えているつもりは無かったが、しばしば荒らされたものだ。
 このうち、ポリ銀さんもその荒らしの中にいたことが判明していたが、当時、彼は顕正会員であり、今では法華講員となられたので良しとしよう。
 ポリ銀さんと、当時まだM講に所属していたW氏との違いは明らかだ。
 半島人お得意の恫喝をしてきたのがW氏。
 匿名での書き込みではあったが、既に割れている。
 どうやら半島人に、「同心の徒を謗るは重罪」という言葉は通用しないようだ。
 当然と言えば当然だ。そういう民族なのだから。
 そもそもM講時代に実名で活動していたW氏だったが、ここまで来ると、本当に実名なのかも怪しいもんだ。
 もしかしたら、通名かもね。
 あの名字も意外と通名で使われることが多いみたいだし……。

 え?ここまでコキ下ろしても大丈夫なのかって?
 うん。もう件の人物は法華講員じゃないから。
 少なくとも、あっつぁブログリスナーは退転者にも容赦しなかっただろう?
 それと似たようなもんだ。

 まあ、とにかく、山門入り口さん方は独自の情報網をお持ちのようだし、近いうちに明るみとなるであろう。

 うちのお寺も外国からの御受誡者が増え、日本の広宣流布に限界を感じている今日この頃であるが、日本人なりすましの半島人が来るより、まだ東南アジアから来る方がよっぽどマシだと思う今日この頃でもある。

 折伏の際はご注意のほどを。
コメント (4)
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