報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「BSAAの敗北」

2022-11-15 11:54:46 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月18日05:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]

 リサ:「先生!先生!大変!起きて起きて!」
 愛原:「うーん……」

 今朝5時頃、私はリサに叩き起こされた。
 リサは相変わらず、体操服に緑のブルマーを穿いていたが……って、あれ?……そうか、どうやら私は昨夜、マッサージの最中に眠ってしまったらしい。
 目覚まし時計を見ると、朝5時ってことは、私が眠ったから起こしに来たわけではないようだ。

 愛原:「な、何だよ?まだ、5時じゃないか」

 起床時間は7時にしている。

 リサ:「学校で大変なことが起きたの!こっちに来て!」
 愛原:「んー?」

 私は起き上がると、リサに手を引かれてリビングに向かった。

 高橋:「あ、先生。おはようございます」
 愛原:「おー。何かあったのか?」
 高橋:「俺もリサが騒いでやがったので、起こされたんですよ。まあ、ちょっと観てください」

 高橋はリビングのテレビを指さした。
 この時間帯だとNHKはニュース、民放だと情報番組をやっているか。
 で、どのチャンネルも……。

〔「……はい、こちら、東京中央学園上野高校の前に来ています。本日未明、『学校から爆発音が聞こえた』との通報が、近所の住民から警察に通報がありました。警察が駆け付けると、校内に複数の焼死体が発見されたとのことです」〕

 愛原:「複数の焼死体!?」
 高橋:「どこかのアホが学校に忍び込んで、ガスパンやって爆発させたんスかね?」
 愛原:「今時、シンナーやるヤンキーなんているのか?」

 しかもヤンキーがやる程度のシンナーで、それが爆発したとしても、焼死体が数人なんてことはあるのだろうか?
 せめて、重軽傷の火傷が関の山じゃないか?

〔「えー、現場からのレポートの途中ですが、ここで新たな情報が入りました。焼死体の数は5名。全員がBSAA極東支部韓国地区本部の隊員とのことです。繰り返し、お伝えします。東京中央学園上野高校の敷地内で発見されました焼死体の数は5名。全員がBSAA極東支部韓国地区本部の隊員とのことです」〕

 愛原:「BSAAだって!?」
 高橋:「しかも韓国!?人様の国で、なに勝手なことをしてやがるんだ!?」
 愛原:「いや、BSAAの活動を承認している国では、たまにあることだよ」
 高橋:「そ、そうなんですか?」
 愛原:「例えば日本でバイオハザードが発生した時に、真っ先に駆け付けたのが韓国BSAAで、韓国人だけというのも有り得る話ではある」
 高橋:「と、ということは?」
 愛原:「東京中央学園でバイオハザードの臭いを嗅ぎ付けた韓国BSAAが、ホイホイ乗り込んでみたら、そこにいたモノに返り討ちされたってことだろう」
 リサ:「よ、ヨンヒは大丈夫なのかな?」
 愛原:「でも、パクさんは、あくまでも養成学校の生徒で、たまたまこちらに留学って……ああっ!」
 高橋:「養成学校生でも後方支援はできますし、奴のタレコミで動いたんじゃないスかね?」
 リサ:「そういうことか!」

 リサは先日、新聞部の部室から出て来るヨンヒの姿を思い出したという。
 もしかしたら、ヨンヒはヨンヒで何か見つけたのかもしれない。
 そしてそれを自分が所属している韓国BSAAに報告したら、出動したということか。
 ……BSAAの活動にかこつければ、外国内でのスパイ活動もできる事が問題点として挙げられているというのも頷けるな。

 高橋:「ど、どうするんです?」
 愛原:「取りあえず今日、善場主任に聞いてみよう」
 リサ:「……ヨンヒにLINEしてみたけど、既読も付かない」
 高橋:「あの5人の焼死体のうちの1人じゃね?」

〔「……BSAA極東支部日本地区本部によりますと、韓国地区本部隊の国内活動についての連絡は無いとのことで……」〕

 高橋:「おいおい!無断活動かよ!?こりゃ、『謝罪と賠償を要求するニダ』レベルですね!?」
 愛原:「いや、『緊急を要する場合においては、事後報告でも可能とする』というのがある。ただ、今回の彼らの出動が、『緊急を要する』に値するレベルだったのかは議論されるだろうがな」

 私は別のチャンネルに変えてみた。
 すると、ヘリコプターが学園上空から撮影している所があった。

〔「……はい、こちら東京中央学園上野高校の上空に来ています。本日午前1時頃、近所の住民から……」〕

 愛原:「……どこが爆発した?」
 高橋:「えーっと……」
 リサ:「…………」

 上空からの映像を見る限り、焼死体5人も出した大きな爆発が起きた場所が分からない。
 新校舎も体育館もプールも、そして教育資料館もきれいなままだった。

 リサ:「も、もしかして……」
 愛原:「どうした?」
 リサ:「昔、『学校の七不思議』の集まりの後で、焼死体になった語り部さんがいたの。旧校舎の壁の謎を明かそうとした語り部さんがいたんだけど、翌朝、焼死体で発見されたんだって。だけど、どこで焼死体になったのか分からなかったんだって。学校のどこにも、燃やした跡なんて無かったから」
 愛原:「マジかよ……」
 高橋:「高校生1人を謎の焼死体にしただけじゃなく、大の軍人5人を謎の焼死体にしてしまう案件ですよ?」
 愛原:「う、うん……」

 も、もしかしすると、昔の語り部1人を焼死体にしたモノと、現在5人の軍人を焼死体にしたモノが同じだとして、それはリサよりも手強いのではと思ってしまった。

[同日09:00.天候:晴 同地区内 愛原学探偵事務所]

 事務所に移動した私は、まずは善場主任に連絡した。
 善場主任は、やはり私が電話してくるのを予想していたらしい。

 善場:「はい。こちらとしても、現在BSAAに確認を取っています。今現在、校内は警察や消防、BSAAが現場検証に入っているので、我々はまだ入ることができません」
 愛原:「実はリサには、何か心当たりがあるようなんですよ。それにつきましては、如何致しますか?」
 善場:「後ほど、詳しいお話を伺わせて頂きます」
 愛原:「週末の我々の行動につきましては?」
 善場:「それは予定通りでお願いします。あくまでも今回の事件は、たまたま東京中央学園が現場になっただけの、BSAA内での事故ですから」
 愛原:「分かりました」

 幸いなのは、まだ学校が夏休みであることだろう。
 ただ、保護者説明会とかはしなくてはならないだろうな。
 もっとも、BSAAが介入しているので、すぐには無理だろう。

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