佐藤 章(ジャーナリスト・元朝日新聞記者)著「職業政治家
小沢一郎」を読みました。
小沢政治は、研究者が事実関係を発掘し、社会に周知させる努力
をしなければ国民が広く深く知ることはできない。しかし、それを
十全に知った者は深い「驚き」に打たれる。農林水産省の土地改良
予算大幅削減を目の当たりにした時、その意味で私(著者)は心底
驚いた。
土地改良事業(全国の水田を方形に区切り直して効率を高め、給
排水設備や農道を整備して中核農家の経営規模を拡大していこうと
するもの)、その歴史的役割はとっくに終わったと指摘され続けて
いたが、改善の兆しを見せてなかった。自民党の農業票に直結して
いたからだ。
その予算を半分以下にバッサリ削り、農産物自由化に備える農家
戸別所得補償制度の方に持って行ったのは、政権交代を果たした民
主党幹事長の小沢一郎氏だった。
日本政治の最大課題は、政府予算の編成権を国民の側、政治の側
に取り戻すことにある。そのことは、小沢氏と民主党チームによっ
て2010年度政府予算で半分くらい実現しかけていた。
だが、検察の根拠なき「冤罪事件(陸山会事件)」によって最前
線から退けられ、試みは途中で終わってしまった。しかし、明治以
来の日本政治の隠された最大目標にあと一歩まで迫ったことは、民
主政権の果たした歴史的役割の中で最大のものと言える。
日本政治は、かって民主党政権が志して途中で挫折した高みへと
再び目標を設定し直さなければならない。
この本を読むと、一般には報道されない?政界内の内部事情が大
変よく解る。(主要な政治家が何故そのような行動を取ったかと言
った。)その中で、小沢氏の行動が一貫性を持ちブレていないこと
を読者は容易に発見するでしょう。 小田原梅干し:梅丸
小沢一郎 衆議院議員による特別講義
⇒https://www.youtube.com/watch?v=n9Dyq8pgml8
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