マーリンの美味しい生活

ストレス解消は観劇と食べ歩き。

モンテ・クリスト伯

2013年12月16日 | ミュージカル
東京宝塚劇場のお隣、日生劇場で「モンテ・クリスト伯」を観てきました。



宝塚版は観たことがあります、あとは文学座のお芝居や映画もね。

アレクサンドル・デュマ原作の「岩窟王」、子供の頃は無実の罪で投獄されたエドモン・ダンテスが、脱獄して財宝を手に入れ、自分を陥れた悪人どもに天誅を下すという復讐譚をワクワクして読んだものですが。

今回の舞台は、日本初演のミュージカルロマン「モンテ・クリスト伯」とのことです。

宝塚版は、途中で学校の先生と生徒が出てきて時代背景とか細かい経緯とかを説明していましたが、こちらはスクリーンにナポレオンが映し出されエルバ島へ流されたナポレオンをめぐる陰謀が、この物語の核になっていることをさり気なく説明しています。この時流れる音楽がとても重厚な響で期待が高まります。

エドモン・ダンテス役の石丸幹二さん、「半沢直樹」では堺雅人さんを陥れた彼が、今度は陥れられる側。

劇団四季時代から美形で歌唱力も演技力もあり凄い人気者でしたが、いつも二枚目で私は物足りなさを感じてました。この人に毒があれば完璧なのにって。

だから最近の活躍は、とても嬉しいです。

美しく品がある彼だからこそエドモン・ダンテス(モンテ・クリスト伯)が魅力的かつ説得力ある人間になっていたと思います。

花總まりさんのメルセデスは、可憐で美しく透明感があり今でもエドモンのことを思い続けている一途さが、私の抱いていたメルセデスのイメージとピッタリでした。

そんな二人の心が通じ合うハッピーエンドは、今まで観た舞台とは違うけど、やっぱり嬉しかったです。

石川禅さん、濱田めぐみさんも素晴らしかったんですが、アンサンブルの方のレベルが高く厚みのある重唱が素晴らしかったです

ファリエ司祭とダンテスのシーンは、辛いながらもホッと出来るシーンで、村井国夫さんがいい味出してました。

隣の方は、このあたりからボロボロ泣きっぱなしで・・・気になってしょうがなかった私。

確かに感動的なシーンですよね。

原作のルイジ・バンパ(男)はルイザという女海賊の首領(濱田めぐみさん)に、エデも出てこない・・・というように結構原作とは変わっています。
3人の悪党の細かいエピソードが割愛されていて描き方も薄っぺらな感じを受けました。

私は、文学座で観た「モンテ・クリスト伯」が一番原作に忠実で、人物描写も丁寧でダンテスやメルセデスの苦悩が伝わってきたと思います。

今日のミュージカルは、海賊船のシーンとか群舞も結構あり、冒険活劇といった趣が強かったような気がします。

ですから観終わって重い気分にはならず、どこかスカッとしていました。

ま、これはこれで楽しめたのでいいのでは

先日観たばかりの「風共」に出演されていた宝塚歌劇団の方々がご観劇でした。

宙組でも「モンテ・クリスト伯」を上演されてるので、どんな風に思われたのでしょうか?