海辺の地方都市にある市民病院――
医療のあるべき姿とは?病院とは?医師とは?
映画「孤高のメス」を観てきました。
その病院は大学からの派遣医師に頼り切る、無責任さが蔓延していた。
難しい患者の受け入れはお断り、
手術の途中でも手に負えなくなれば、
患部にガーゼを詰めて大学病院へたらい回し。
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看護師の浪子(夏川結衣)は、
男の子を育てながら、母子家庭を支えている、
そんな病院のやり方に不満でありながら、
日常の現場に馴らされていた。
映画は、疲れて帰ってから書き続けた浪子の日記が、
ストーリーのベースになって展開する。
この病院に外科医の当麻鉄彦(堤真一)が赴任してくる。
アメリカの大学で臓器移植など高度医療を身につけた彼は、
この病院を支配する怠惰で無責任な医師たちに失望する。
彼の信条は“患者を救う”がすべて。
目の前の患者を助けるのに、最善の全精力を傾ける。
出来ないといって、しり込みするチームメンバーを指導しながら、
細心の注意で、緻密で、丁寧で、正確に、困難な手術を成し遂げる。
看護師の浪子が尊敬の眼差しに変っていく。
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医師を志す人間の、当然のあるべき姿だ(と、たにしの爺は思う)。
このような医師が「孤高」とされるような病院現場が、
現代日本の医療状況となっているのか……
案の定、映画では、前から居付いている「怠惰な、無責任医師たち」は、
この赴任医師が許せない。
「売名行為だ」だとマスコミに垂れ込んだりする。
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ところが、この4月、当市の市民総合病院で許せない若い医師に出会った。
訴えたいほどの、怒りを覚えた一言がある。
患者(消費者)は、最良の商品(医療)を求めて、病院(マーケット)に行く。
適切な求めたい商品(診立て、治療)が欲しいのだ。
ところが、提供された商品(医療技術)がいいものであるか、
悪いものであるか、購入者には分からない。
支払った代金は1万6千円。
クーリングオフの対象にならないだろうか。