いつもの道野辺の徘徊道を行くと、
小学校の脇を通ります。
学校のある日は通りません。
休日には誰も遊んでいません。
ときたま、少年野球チームが練習しています。
子どもたちはみな、ユニホームをつけています。
見守る親御さんたちも何人かいます。
たにしの爺、しばし立ち止まって見物します。
そして記憶は70年も昔にタイムスリップします。
放課後でも、休日でも小学校の校庭が遊び場だった。
やることは大体、野球、とはいっても10人足らず。
試合などできないので、三角ベースです。
じゃんけんの順番で打者になります。
アウトになると野手になる。
投手も順番で、上から投げないで、下から投げる。
本物のグローブなんて、誰も持ってない。
自分で縫ったものとか、素手で捕球していた。
バットは棒切れで間に合わせる。
ボールはいま軟式テニスで使うような軟球でした。
そのうちに、ボールも固いものになって、
ときには教室の窓ガラスを割ったりする。
その度に日直の先生が飛び出してくる。
みんなで平謝りして事を納めてもらう。
あちこちに厚紙を張った窓ガラスがありました。
大人は誰もいません。みな田畑に行っているのです。
暗くなると家に帰ります。
学校から家まで6分くらいの所にありました。
徘徊の道で通る小学校も6分くらいの距離です。
子どもたちが卒業して30数年、
以来、小学校の校庭に入ったことがありません。